学名:Clematis patens
花期:晩春〜初夏
山地に自生する落葉つる性植物ですが,庭などによく植えられます。
花弁はなく,花弁のように見えるのは萼片です。テッセンやクレマチスとよく似ていて区別はなかなか難しいと思います。例外はあるようですが,風車は萼片が 8 枚であるのに対し,テッセンやクレマチスは 6 枚のものが多いようです。写真のものは萼片が 6 枚ですね。園芸品種のようで,「柿生」という品種名が添えられていました。
追記:Jul 23, 2003
埼玉県の中学校の飯島先生からお便りをいただきました。
園芸種のクレマチスの園芸品種は,19 世紀にシーボルトやロバート・フォーチュンらの収集家によって主に日本から西洋にもたらされたカザグルマを元に作られたものです。多くの植物図鑑には鉄線とカザグルマの違いとして花被片の数があげられていますが,カザグルマは極めて多様性の高い植物で,先生のおっしゃるように花被片が 8 枚とは限りません。多くは 6 枚から 13 枚の間にあります。地域によっては 50 枚以上の花被片を持つ集団もあります。色も極めて多様で同地域の個体群でも白・薄紫・紺・ピンク・白にピンクの筋等があります。中には四季咲き性の個体もあり,夏の花の多くは 6 枚の花被片を持ちます。また,そのときは花柄に小葉が一対つくのが一般的です。従いましてクレマチスの大輪系品種の大半はカザグルマの変異に含まれます。江戸時代には多くの園芸品種が作られ,それらのものが中国に輸出された形跡もあるようです。中国原産のテッセン(C. florida)は開花様式が全く異なり,花の大きさは径 6 cm ほどで,ちょうどアサガオのように花が咲きあがります。葉は細かく切れ込んだ複葉です。果実はコンペイトウ状に集まりカザグルマより毛が遙かに少ないのも特徴の一つです。かつて,カザグルマも似た植物の漢名をあててテッセンと呼んだ時期があったようです。カザグルマそのものの個体数が極めて少なく,植物学者の多くが見たことが無いのも誤解の大きな原因だと思います。そんな状況の中で,誰にも知られず絶滅しようとしているのが現状です。研究するものとしてはちょっとかわいそうですね。現在,国立科学博物館付属実験植物園で種の保存を図っています。ちなみに,先生のお写真にありますのはカザグルマの形質を多く受け継いでいる「白王冠」という日本の品種で,特に英国で絶大な人気を誇っています。
Aug 08, 2000
May 25, 2002
若い種です。
Jul 11, 2004
白いヒゲがふさふさになった種です。
Sep 23, 2001