ヒスイカズラ(翡翠葛)  マメ科  Last modified: Feb 17, 2003

photo  学名:Strongylodon macrobotrys

 フィリピン諸島のルソン島やミンドロ島などの限られた地域の熱帯雨林にしか自生しないマメ科の蔓性の植物で,高さ 20 メートル以上になります。花房は 1 メートル以上もあり,垂れ下がります。翡翠のような青碧色です。このことから,英名は Jade Vine (翡翠 葛)というので,和名はそれを訳した形になっています。また,そのまま「ジェード・バイン」と呼ばれることもあります。
 撮影は水戸市植物公園の温室です。2 月 6 日に愛車プリウスのナビゲータをたよりに前橋から水戸市植物公園まで出かけました(往復で 287 キロありました)。冬の間は花を見るには温室へ出かけるのが一番ですからね。温室へ入って暫くあれこれ写真を撮っていると,私の後から入ってきた人が揃いも揃って感嘆の声を上げている。徐々に近づいてみると,半逆光の中にこれが浮かび上がっていました。最初は,「ビニールか何かの作り物に似ているな〜」などと思ったのですが,よ〜く見れば見るほど惹きつけられるものがあります。後から来る人も立ち止まり,ひとしきり感嘆の声を上げて立ち去るというのが繰り返されます。どうも,話を総合すると,読売新聞の茨城県版に「水戸市植物公園で,非常に珍しいヒスイカズラが開花しました。見頃は今週末からです」みたいな記事が載ったようです。わざわざその記事を切り抜いて持ってきて,写真と照らし合わせている人もいました。私も憑かれたように何枚も写真を撮っていました。そうしている私を見ていたおじさんが「私も写真を撮りたいのだが,カメラを持ってこなかった。もしよければ,あなたの撮った写真を私に送ってくれないか」と話しかけてきました。私のカメラはディジタルカメラなので,普通の写真にプリントするのは面倒なのでちょっと躊躇しましたが,「プリンタで印刷したものでよければ」ということで,数日後に送ってあげました。その後,「額に入れて飾っている」などというお礼状を戴きました。ヒスイカズラを縁にした,よい思い出になりそうな出来事でした。

 Feb 06, 1999

photo  Feb 06, 1999

photo  長さ 20 センチもあろうかという,大きな実がなっていました。中に種はいくつ入っているのでしょうか。マメ科植物ということからすると,巨大な豆が一個あるのでしょうか。

 Jun 10, 2001

photo  花房の全体を見ると非常に変わった花のように見えますが,一つひとつを見るとマメ科植物の花の特徴をちゃんと備えていることが分かります。

 Mar 02, 2002

photo  花の先から,雄しべと雌しべが覗いています。

 Mar 02, 2002

photo  角度を変えて見ると,マメ科の花の構成要素である,それぞれ形が違う,旗弁(きべん,1枚),翼弁(よくべん,2枚),竜骨弁(りゅうこつべん,2枚)が左右対称に並ぶ,いわゆる蝶形花冠を作っているのが分かります。

 Mar 02, 2002


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