THIの結果(プロフィール)の読み方   Last modified: May 16, 2002

 130の質問は以下の表のような12の健康状態・精神状態・生活習慣を表す特性(尺度と呼ぶ)にまとめて合計点(尺度得点と呼ぶ)が計算されます。

THIの12尺度と,それらの内容・意味および評価法
尺度名 内 容 ・ 意 味 評 価 法
多愁訴 手足や体がだるい,横になりたい,頭が重い・痛い・ぼんやりする,
肩が凝る,体が痛い,熱っぽいなど,不定愁訴
得点が低い方がよい
呼吸器 痰がからむ,鼻水が出る,せき,くしゃみが出る,喉が痛むなど 得点が低い方がよい
目と皮膚 皮膚が弱い・かゆい,発疹・じんましんが出る,
目が痛い・充血するなど
得点が低い方がよい
口腔と肛門 舌があれる,歯ぐきの色が悪い,出血する,口臭がある,
排便時痛,痔,便秘など
得点が低い方がよい
消化器 胃の具合が悪い,痛む,もたれる,下痢,消化不良など 得点が低い方がよい
直情径行性 いらいらする,カッなる,考えずに行動する,不平不満が多いなど,
短気・直情傾向性
得点が低い方がよい
虚構性 自分をよくみせたい傾向,自分をいつわって虚栄をはる傾向,
そのために嘘を言ってしまう傾向
得点が低い方がよいが
低すぎても問題
情緒不安定性 ちょっとしたことが気になる,くよくよする,赤面する,
気疲れする,気分に波があるなど
得点が低い方がよい
抑鬱性 孤独,憂鬱,元気がない,自信がないなど 得点が低い方がよい
攻撃性 体が強く,気は大きく,やや肥っていて,
立ちくらみはしない,寒がりでないなど,心理的外向,積極的,攻撃的
一概には言えないが
低すぎるのもよくない
神経質 神経質,心配性,苦労性,物事に敏感,気むずかしいなど 一概には言えないが
低すぎるのもよくない
生活不規則性 夜更かしの朝寝坊,食事が不規則で朝食抜き,食欲不振,
体がだるい,朝起きるのがつらいなど,都市型の生活
得点が低い方がよい


THI健康調査結果(例) プロフィール
パーセンタイル 0.01 0.1 1 5 10 20 50 80 90 95 99 99.9 99.99 尺度(得点) +----+-----+----+--+--+-----+------+--+--+----+-----+----+ 多愁訴   (40) : . . . . . . . . @ . . : 呼吸器   (20) : . . . . . . . .@ . . . : 目と皮膚  (20) : . . . . . . . . @. . . : 口腔と肛門 (20) : . . . . . . . . . @ . . : 消化器   (18) : . . . . . . . .@ . . . : 直情径行性 (18) : . . . . . @ . . . . . : 虚構性   (20) : . . . . . . @ . . . . . : 情緒不安定性(28) : . . . . . . . @ . . . : 抑鬱性   (20) : . . . . . . . . @ . . : 攻撃性   (14) : . . . . @ . . . . . . : 神経質   (16) : . . . . . @ . . . . . . : 生活不規則性(22) : . . . . . . @ . . . . : 心身症傾向 (-1.357): . . . . . . @ . . . . . : 神経症傾向 (-1.560): . . . . . . @ . . . . . : 尺度(得点) +----+-----+----+--+--+-----+------+--+--+----+-----+----+ パーセンタイル 0.01 0.1 1 5 10 20 50 80 90 95 99 99.9 99.99

 THIは今までにたくさんの人を対象に実施されています。その基礎データに照らし合わせると,あなたの健康状態の相対的な評価ができます。例えばあなたが男性で,「多愁訴」尺度の得点が28点だったとすれば,28点以下の得点の人は50%いることが分かっています。言い換えると,「あなたは多愁訴については“平均的”です」ということです。しかし,もし得点が48点だとすれば,48点以下の得点の人は99%います。言い換えると,「あなたは多愁訴を持つ人の上から数えて1%の中に入っています。かなり訴えの多い人です」ということになります。プロフィール表の横軸に書かれている“パーセンタイル”というのは得点の低い人から数えて何パーセント目になっているかを表しています。各尺度におけるあなたの相対位置は“@”で表されています。マークが99パーセンタイルを超えていると若干問題があるかもしれません。

 プロフィール表には,以上の12尺度の他に,「心身症傾向」,「神経症傾向」という2つの評価基準が表示されています。これは,精神科医により「心身症」あるいは「神経症」と診断されている患者さんに対して行ったTHI質問調査に基づいたものです。これらの得点が高いということが病気であるというわけではありません。質問の回答パターンが似ているということです。そういう意味あいで“〜傾向”という命名をしているわけです。

 なお,THIはデータに基づいてはいますが,医師の診断とは違います。THIで異常がないという結果が出ても,何も病気がないということではありませんし,逆に,THIで訴えが多いという結果が出ても臨床的にはなんら問題がないこともあります。

 あなたの自己健康管理に役立てていただければ幸いです。


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