No.23107 χ二乗検定と残差分析について  【Takashi】 2021/08/16(Mon) 08:55

5×2の検定を行っておりますが,はじめのχ二乗検定で有意差が出ないデータに対して残差分析を行うと,有意差を認めると ころがあります。残差分析はχ二乗検定の下位検定のため,はじめのχ二乗検定で有意差が出なかった場合,残差分析結果で有意差を認めても,それは認められ ないのでしょうか。
また残差分析で有意差ありとする1.96についてですが,調整済み残差と調整済み標準化残差とふたつの名前が出ておりますが,どちらを検討するのが正しいのでしょうか。

ご面倒をおかけしますが,ご教授のほどお願い致します。

No.23108 Re: χ二乗検定と残差分析について  【aoki】 2021/08/16(Mon) 10:42

R の chisq.test が返すものの名前だと *.residuals と *.stdres ですね。
オンラインヘルプを見ると,
residuals は the Pearson residuals, (observed - expected) / sqrt(expected).
計算式から見ると「(観察値 - 期待値)/√期待値」なので「標準化」ですが,単に「ピアソンの残差」としています。

一方,
stdres は standardized residuals, (observed - expected) / sqrt(V), where V is the residual cell variance (Agresti, 2007, section 2.4.5 for the case where x is a matrix, n * p * (1 - p) otherwise).
で分母は √V で,V は「期待値を周辺度数で調整したもの」です。調整されたものであっても,これも標準正規分布に従います。計算方法が必要なら http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/my-chisq-test.html を見るか,インターネットで検索してみてください。

名前(特に翻訳された名前)は紛らわしいものがありますが,残差分析に使うのは standardized residuals です。

残差分析は下位検定で,含まれる検定は「行数×列数」と多いので,χ2検定が有意でなくても残差分析で有意となるセルが出るのはありがちです。それだけに,結果を評価するのには注意が必要でしょう。

No.23110 Re: χ二乗検定と残差分析について  【Takashi】 2021/08/16(Mon) 14:17

青木先生

早々にご解答をいただきありがとうございます。

Rについてのご解説頂き,大変よくわかりました。
また残差分析についても,今後,十分気を付けるようにいたします。

ありがとうございました。

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