No.22581 ノンパラ、パラメトリックの決め方  【コロン】 2018/07/27(Fri) 07:51

いつもお世話になっております。

基本的なことで恐縮なのですが,ご教示いただけますか。

手元に,テスト得点データがあります。実験群,統制群の2グループで,サンプルサイズはそれぞれ,30,25です。平均点の差の検定を行いたい場合は,普通はt検定を行うのではと考えます。

こ れを,サンプルサイズが小さいという理由で,ノンパラメトリック検定で行うことは大丈夫でしょうか。なぜこのような質問をしたかと言いますと,ある論文の 査読をしているのですが,サンプルサイズが小さいとありますが,GPowerで必要な被験者数を求めると上のサイズは小さいとは言えず,テスト得点ですの で,母分布は正規分布をなしていると考えます。また,本論文では,正規分布をなしていない根拠として,手元のデータに対して正規分布をなしているかどうか の検定を行い,正規分布をなしていないとも言っています。

そもそもとしまして,ノンパラにするかどうかは手元のデータが正規分布をなすかどうかで決めるものなのか,以前,この掲示板のどこかで指摘ぐあったような記憶があります。

どういう視点で,ノンパラか否かを決めるべきか,また,決定のプロセスの中でやってはいけないこと,ぜひご教示ください。

No.22582 Re: ノンパラ、パラメトリックの決め方  【青木繁伸】 2018/07/28(Sat) 20:49

> サンプルサイズが小さいという理由で,ノンパラメトリック検定で行う

あまり説得力はないでしょう
しかし,

> GPowerで必要な被験者数を求めると上のサイズは小さいとは言えず

とはいっても,マン・ホイットニーの U 検定の検定力は,条件を満たしているときの平均値の差の検定(t 検定)の 95% ほどもあるので,劣っている検定手法を採用したと批難するのはちょっと厳しすぎるかも。

> 手元のデータに対して正規分布をなしているかどうかの検定を行い,正規分布をなしていない

検定の多重性の問題が出てくるでしょう
しかし,理論的には正規分布に従うと考えられるものの,標本データでそれを確認できないとすれば,正規性の検定を行っても批難はされないでしょう

ノンパラメトリック検定は種々の仮定を置かないので,ノンパラメトリック検定で有意ならばややこしいことを避けることができるという長所があります。

> 決定のプロセスの中でやってはいけないこと

「データを見てから検定法を選択すること」はやってはいけないことと言えるでしょう。

No.22583 Re: ノンパラ、パラメトリックの決め方  【コロン】 2018/07/29(Sun) 08:08

青木先生

とても詳細なご説明をありがとうございます。勉強になりました。

今後ともよろしくお願いいたします。

失礼いたします。

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