No.22018 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【下山】 2016/06/04(Sat) 12:51

青木先生,お忙しいところ恐れ入ります。

ある患者層で特定の薬の処方の有無と性別や年齢層などとの関連を調べるような調査を行いました。
性別は2x2の分割表,年齢層は2x3の分割表を作成しそれぞれについてFisher検定を行いました。2x2表の結果についてはP値,Odds比, 95%信頼区間を記載し,2x3表についてはOdds比や信頼区間はそもそも計算できないのではないかと考えP値のみ記載し,OR,CIはnot availableとした表を結果として提出したところ,

・単変量解析はフィッシャーの正確確率検定を行ったと記載がありますが,通常この検定は2×2表に適応されると思われます。年齢層の項目は3つに分かれておりますがこれもフィッシャーの正確確率検定が行われたのでしょうか?
・ 年齢層のORがnot availableであることや,p valueが一つしか無い点が,なぜか解りませんでした。variableのどれかがreference groupとなり,そのreferenceに対するodds ratio,その95%CI,p valueがそれぞれ出るはずです。間違った分析をされているか,方法論の説明が不十分かのどちらかと思います。

という査読コメントをいただきました。2x3表でp=0.4でしたので各群間での比較は行わずn/aと記載しておいたのですが,このような場合には最初から各群間比較を行うものなのでしょうか?それとも指摘されたとおり間違った分析を行ってしまったのでしょうか。
(なお,有意差が有りそうな場合は,有意水準の調整をした上で個々の群間で総当りのFisher検定を追加で行うことを考えていました)

初歩的な内容の質問で大変恐縮でありますが,何卒よろしくお願いいたします。

No.22019 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【青木繁伸】 2016/06/05(Sun) 07:59

> 単変量解析はフィッシャーの正確確率検定を行ったと記載がありますが,通常この検定は2×2表に適応されると思われます。

不勉強な査読者もいるものだと,驚きますね。どこの学会ですか。

> 年齢層のORがnot availableであることや,p valueが一つしか無い点が,なぜか解りませんでした。

「2x3表でp=0.4でしたので各群間での比較は行わずn/aと記載しておいた」ということをはっきり書いてやらないと,この馬鹿査読者には通じないのでしょう。

しかたないので,よく説明してやってください。

> 有意差が有りそうな場合は,有意水準の調整をした上で個々の群間で総当りのFisher検定を追加で行う

この場合には,検定の多重性に注意してくださいね。

No.22020 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【下山】 2016/06/05(Sun) 08:17

青木先生

ご回答くださりありがとうございます。分析に自信を失いかけて凹んでおりましたが,おかげさまで本文への追加記載とコメントへの返信を自信を持ってできます。

No.22021 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【鈴木康弘】 2016/06/06(Mon) 06:53

 年齢層で2X3分割表を作ったということは,分割表に順序があるんですよね?
 そういう場合にFisherの検定をしていいのかどうか?

 一人一人の年齢データが入手できるなら,t検定をしておしまい。(オッズ比がほしければロジスティック回帰。)
 それが入手できず,分割表データにせざるをえないんだったら,カテゴリーごとに1点2点3点と点数をつけて,マン・ホイットニーをするのがオーソドックスな方法では?

No.22022 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【下山】 2016/06/08(Wed) 13:06

鈴木先生

ご指摘ありがとうございます。確かに年齢は順序尺度という扱いでした。年齢についての生データは生後数日,数か月,○歳と単位がバラバラなのでカテゴライズするのが妥当と考えております。
もし年齢ではなくて主要疾患(呼吸器,循環器,消化器)というような順序がないようなものならFisherの検定でも構わない,という理解でよろしいでしょうか。

No.22023 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【鈴木康弘】 2016/06/09(Thu) 10:21

その通りと思います。

No.22024 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【scdent】 2016/06/10(Fri) 09:43

年齢層の2x3分割表についてですが,年齢層が順序尺度だからといって安易にマン・ホイットニーにするというのは問題があります。

中心位置の相違を検出しようとするならそれでよいのですが,分布の違いを見る場合はχ2(あるいはFisher)検定の方が適していたりします。

例をあげますと,薬剤群では低年齢層と高年齢層で副作用発現率が高く,プラセボ群では中年齢層で副作用発現率が高い場合,マン・ホイットニーではその違いが検出できないのです。

中年齢層では活性が高いので副作用発現率が高いのですが,薬剤の影響で低年齢や高年齢層に副作用が多発するという可能性は十分あります。

安全性を扱うものとして,こういう特性を見逃すことがないようにしなくてはなりません。

No.22025 Re: 2X3分割表のFisher検定の結果の記述について  【鈴木康弘】 2016/06/10(Fri) 13:52

なるほど。

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