No.21684 1人対多数の表現  【統計学初心者】 2015/05/30(Sat) 02:13

この度は,初めての質問です。お世話になります。

年齢と性別を合わせた100人の健常者と,1人の患者様の量的データを比較したいです。

どんな検定が妥当でしょうか。

画像の研究で,一例対多数のT検定を最近散見いたしますが,正しい方法なのでしょうか。

一人では分散を出せないので,welchのT検定を使った解析をすれば正しいのでしょうか。

比較群の数が増えれば,検出力も上がり精度評価が出来ますし役に立つのでしょうか。

ただ日本の臨床画像統計ソフトにはZスコアを利用した画像表示を目にしまして,なぜZスコアなのだろう,と不思議に思いました。統計学的に,何か有利な点があるのでしょうか。

No.21685 Re: 1人対多数の表現  【青木繁伸】 2015/05/30(Sat) 20:25

> 一人では分散を出せないので,welchのT検定を使った解析をすれば正しいのでしょうか。

R の Welch の方法による t.test は,「観測値 'y' の個数が不十分です」というエラーメッセージを吐きにます。計算してくれません。

R の t.test,wilcox.test は答えを出してくれますが。

いずれにせよ,片方のサンプルサイズが 1 などというのは,計算はできても,統計学的(科学的)に無意味です。

> 比較群の数が増えれば,検出力も上がり精度評価が出来ますし役に立つのでしょうか。

「比較群の数が増えれば」が「比較群のサンプルサイズが大きくなれば」ということならば,それはそうでしょう。

> 日本の臨床画像統計ソフトにはZスコアを利用した画像表示を目にしまして,なぜZスコアなのだろう,と不思議に思いました。統計学的に,何か有利な点があるのでしょうか。

それは,検定ではなくて,1 例の患者データが健常者の中でどの位置に位置づけられるかを表しているのではないですか。健常者のデータの平均値と標準偏差を使って,患者のデータについて Z スコアを用いる。Z 値により,パーセンタイルが求められる。例えば,Z = 1.96 なら,上から数えて 2.5 %,または 97.5 パーセンタイルなどなど。
しかし,このやり方が妥当であるためには,母分布が正規分布でなければならない。

No.21694 Re: 1人対多数の表現  【統計学初心者】 2015/06/03(Wed) 22:33

突然のRから外れた質問にもご回答いただき,ありがとうございました。
母分布を考える視点,仰る通りだと思いました。
T検定を用いるべきでないというご意見にも,励まされました。

実は,Zscore画像を病態説明に利用して一例報告をしたところ,その画像統計はおかしく,T検定のほうが正しいとレビュアから助言を受けてリジェクトされました。

私の常識と違うため混乱して調べると,ヨーロッパではたしかにT検定を1例報告に使う報告が散見され,国内の画像ソフトについて学ばれている方のサイトでも分散に注意してT検定を勧めていらっしゃいました。welchならなど考えましたが,理論を理解できず困っておりまして。

Z score画像が日本では一般的すぎて疑問すらもちませんでしたが,日本人が開発したソフトのようなので,北欧の雑誌の編集長はご存知ではないようでしたから疑問をもたれたのかもしれません。

母分布を健常者画像プールとみなして,サンプルを一人の被験者とみなすのも,多少の無理があるものなのかと疑ったり,日本の私の学んだ統計や分野の常識と違うので戸惑ってしまいました。気づけば,一例対多数を解析する正しい統計手法も分かりませんでした。

統計学に明るい青木先生がそう仰るなら,やはりおかしいのだと自信をもてました。T検定を使うほうが,Z score画像で提示するよりおかしいと思いましたが,批判を受けたときに理由を説明できない初心者ですので,お言葉をいただけますと勇気付けられます。

画像統計に励まれる先生のページでも質問して,前向きに次に挑みます。

いつも統計の独学に困ると,青木先生の過去ログで学ばせていただいております。Rも多少使えるようになりました。ソフトで出来ることと正しい統計かどうかということは違うので,誤って恥ずかしいですが,伺いながら理解を深めることを願いますと,本当に有難い機会だと思うのです。

この度も,ありがとうございました。今後も書籍を読み,学ばせていただきます。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 047 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る