No.21495 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【さくらとお城】 2015/01/09(Fri) 11:29

いつも参考にさせて頂いております。

ある研究者から,”共分散分析と多元配置分散分析”は同じ?それとも違う?と聞かれ,色々調べたが,なかなか分かりませんでした。

分かりやすい説明のある書籍やHPがあれば,ぜひ宜しくお願いします。

No.21500 Re: 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【青木繁伸】 2015/01/11(Sun) 21:32

http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat08/stat0805.html などはお気に召しませんか?

No.21501 Re: 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【さくらとお城】 2015/01/12(Mon) 13:28

青木先生
 ご提示のHPを読みました。その説明の最後に以下の事が書かれています。
”つまりこの場合の共分散分析は,繰り返しのある二元配置分散分析に相当することになります。”

 この結論は,例えば2共変量の共分散分析が三元配置分散分析に相当すると拡張できますか?

 どうぞよろしくお願いします。

No.21502 Re: 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【波音】 2015/01/12(Mon) 19:21

一般線形モデル(※正確には一般化線形モデルとは別物であることに注意)という枠組みの中でとらえれば,統計モデル:

Y = X1 + X2

において,目的変数Yが連続型,説明変数X1,X2がともに「カテゴリカル型」であれば「2要因分散分析モデル」(※これを二元配置分散分析ともいう)です。

一方,共分散分析モデルとはX1が連続型,X2がカテゴリカル型であることを指しています(つまり説明変数に連続型とカテゴリカル型が混在しているモデルといえる)。

3元配置分散分析はモデル式で表現すれば,

Y = X1 + X2 + X3(説明変数はいずれもカテゴリカル型)

です。

ちなみに古典的な教科書に書かれている共分散分析は「当てはめられる2本の直線が平行である」ことを前提に,いわゆる群間差があるかどうかを検定するものと述べられていることが多いです。しかし一般線形モデルの教科書では交互作用項が有意であるかどうかによって,平行かどうかが決まるだけで,そのような前提をおくような説明がありません(交互作用項が有意であれば傾きが異なることを意味し,有意でなければ傾きが同一であることを意味する)。

No.21503 Re: 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【青木繁伸】 2015/01/12(Mon) 21:08

同じデータを別々の手法で分析して,結果を比較するというのがまずは手始めでしょう。

もっとも,本来等価の分析手法なのに,出てくる結果の数値がまるっきり異なるように見えることも多々あるのは事実。
分析プログラムを書いた筆者の方針により(あるいは,そんなことは特に意識もしないのに),まるっきり異なる数値が表示される事もあり。検定結果にしろ,同じこと。
さりとはいえど,結果が定数倍になっているとか,P値がほぼ等しいとか言う場合には,等価なんだろうなとは分かるわけでしょう。
同じデータに複数の分析手法があって,それらのうちで優劣が付けられていないということは,「等価」である可能性が高いでしょう。だって,「明らかに劣る分析手法が,生き残れる訳はない(誰かが,この手法はだめだ!と,烙印を押しているはず)」
たとえばね,数量化I類とダミー変数を使う重回帰分析,数量化II類とダミー変数を使う判別分析(これらについては,グローバルスタンダードという点ではダミー変数を使う重回帰分析・判別分析の方が,欧米諸国の読者には分かりやすいでしょうが)。数量化III類なら対応分析,双対尺度法その他諸々は等価。0/1データのφ係数とピアソンの積率相関係数などなど。

No.21506 Re: 共分散分析と多元配置分散分析の違い  【さくらとお城】 2015/01/14(Wed) 11:25

波音さん,青木先生

 解説など,ありがとうございます。あまりにも高度な話のようで,私にはなかなか理解できません。

 以下の理解で間違いありませんか?
 共分散分析と多元配置分散分析は,条件によって等価ですが,必ずしも全部等価ではない。

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