No.21356 Propensity score、Cox回帰  【宮本健志】 2014/10/06(Mon) 08:39

いつもお世話になっております。
ある血液検査の1項目(Aとします)が予後(outcomeを死亡として)に寄与するか比例ハザード分析を検定しております。
Aが高値の群とAが正常値の群の間に「貧血あり」が有意に差があります。

貧血の有無はAの交絡因子になると考えられます。

そこで,Aが高値群に対して貧血を独立変数としてlogisticでPropensity score(PS)を算出しました。

そのPSを比例ハザード分析の共変量として多変量解析してバイアスをとろうと思っております。(outcomeが145例中10-15例程度と少ないのでPSをつかえないかと思っております)

質問なのですが,Propensity scoreは介入群と非介入群のばらつきを調節すると教科書的には記載されておりますが,本例のようにAが高値の群とAが正常値の群の間のばらつきを調節するという発想は,統計学的に許容されるものなのでしょうか。

知識が乏しく素人の質問でご迷惑をおかけしますが,よろしくお願い申し上げます。

No.21357 Re: Propensity score,Cox回帰  【宮本健志】 2014/10/06(Mon) 08:47

質問の文章が分かりにくいと思いますが,PSを医学的な治療に該当するような介入群,非介入群にわけられる変数ではなく,血液検査の1項目の変数に対して使用してもよいのかが疑問点なのです。

血液検査Aは予後に寄与します。
貧血も予後に寄与します。
血液検査Aは樹来より貧血の指標でもあります。

血液検査Aに対するPSを貧血を独立変数として作成します。
そのPSを予後をoutcomeとして比例ハザード分析で血液検査AとPSを独立変数としてHRがより高くならないか検討する

以上のような構想です。やはり介入する変数でないとだめなのでしょうか。

No.21361 Re: Propensity score,Cox回帰  【宮本健志】 2014/10/06(Mon) 20:49

簡単にいうとpropensity scoreは治療介入群と非介入群の間の偏りを調節しますが,それを検査値の高い群と低い群に適応して良いのかといった質問です。

No.21362 Re: Propensity score,Cox回帰  【青木繁伸】 2014/10/06(Mon) 21:14

この件はよく分かりませんが,「治療介入群と非介入群の間の偏り」と「検査値の高い群と低い群(の偏り)」と,どこが違って,どこが同じなのか,あなたには説明できないと言うことなんですね。
残念ながら,わたしにも説明できませんが。

No.21363 Re: Propensity score,Cox回帰  【宮本健志】 2014/10/06(Mon) 22:13

青木先生ありがとうございます。非常にわかりにくくご迷惑をおかけしました。また,非適切なご指摘を頂き勉強になりました。私なりに統計を用いたのですが,Cox回帰分析の共変量として貧血を当てはめて,再度統計学的検討をし直すことにしました。outcomeが20例しかおらず多変量解析に無理があったためにPSという一つの変数にして正しく解析したかったので,このような面倒な方法を思いついた経過です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

「治療介入群と非介入群の間の偏り」の論文は下記が代表的です。
これらのほかにも医学論文で発表されているものがあります。いずれも右心カテーテル検査をした群としていない群の偏りやカテーテル治療を施した群と外科的治療を施した群などの,治療介入に関連したものしか過去に報告がないと思います。

JAMA. 1996 Sep 18;276(11):889-97.
The effectiveness of right heart catheterization in the initial care of critically ill patients. SUPPORT Investigators.
Connors AF Jr1, Speroff T, Dawson NV, Thomas C, Harrell FE Jr, Wagner D, Desbiens N, Goldman L, Wu AW, Califf RM, Fulkerson WJ Jr, Vidaillet H, Broste S, Bellamy P, Lynn J, Knaus WA.

一方で検査値の高い群と低い群(の偏り)は,私が思いついた方法で,過去に同様の方法を用いたものはないのですが,よい方法と思い解析してみたのです。

No.21364 Re: Propensity score,Cox回帰  【scdent】 2014/10/07(Tue) 12:16

すみません。ピントはずれ,かもわかりません。
交絡因子の影響を調整するには単純に「貧血の有無(0,1)」と「血液検査Aの高低(0,1)」を説明変数としてCox回帰を行い,回帰係数とp値から判断すれば良いと思うのですが,それではどのような問題があるのでしょうか。

No.21365 Re: Propensity score,Cox回帰  【青木繁伸】 2014/10/07(Tue) 20:32

scdent さんに,激しく同意
多変量解析の原則でいえば,必要な変数セットでの解を正しく解釈するのがまっとうな多変量解析ということだと思います。
医学論文のフォーマットには,変なものがあって,それが定式フォーマットみたいになっている気配があるんですけど。変ですね。

No.21366 Re: Propensity score,Cox回帰  【宮本健志】 2014/10/07(Tue) 20:45

青木先生,scdent様ありがとうございます。ご指摘の方法ですべてやり直したところ,かなりシンプルな内容になりました。大変勉強になりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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