No.16912 [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【増井】 2012/05/16(Wed) 22:15

いつもお世話になっております.以前,[16832] 統計手法 投稿者:増井 投稿日:2012/04/25(Wed) 21:17でお世話になりました.
 その続きですが,経時的な(6水準)データで,多群間(3群)で交互作用に関する有意差が出ました.その後のことで確認したいです.
1.3 群の中で,どの群とどの群に交互作用があるのか,を知りたい場合,各ポイント(水準)毎に,多群間の一元配置のANOVAを行い,少なくともある一つのポ イントで,群間有意差を認めた場合,さらにそのポイントで,DunnnetやBonferroniなどの多重比較を行う.その結果によって,当初の3群の 交互作用に関して,どの群間で有意であったかを判定してよいのでしょうか? (ややこしくて恐縮です.例えば,A,B,C群の交互作用があり,10分後の各群のデータa,b,cのANOVAでaとcに有意差があると出た場合,元の A,C群間に交互作用があると言ってよろしいでしょうか?)
2.あとBonferroniを用いる場合,3群の場合,通常p<0.05で有意とす る場合,3C2(3群の組合せ数)=3で割った0.05/3C2=0.0167>pで初めて有意と考えてよいでしょうか?4群であれば,4C2=6 で割るということになり,だんだん検出力が落ちますが.(理由は分かりません.)
3.各群の群内比較は,繰り返しのある一元配置のANOVAと多重比較でよろしいでしょうか?
 以上,御高配のほどよろしくお願い申し上げます.

No.16913 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【青木繁伸】 2012/05/17(Thu) 05:53

> 3群の中で,どの群とどの群に交互作用があるのか,を知りたい場合,各ポイント(水準)毎に,多群間の一元配置のANOVAを行い,少なくともある一つの ポイントで,群間有意差を認めた場合,さらにそのポイントで,DunnnetやBonferroniなどの多重比較を行う.その結果によって,当初の3群 の交互作用に関して,どの群間で有意であったかを判定してよいのでしょうか?

そもそも,交互作用は,「どの群とどの群にあるのか」というようなものではないでしょう。

> Bonferroniを用いる場合,3群の場合,通常p<0.05で有意とする場合,3C2(3群の組合せ数)=3で割った 0.05/3C2=0.0167>pで初めて有意と考えてよいでしょうか?4群であれば,4C2=6で割るということになり,だんだん検出力が落ち ますが.(理由は分かりません.)

理由も何もありません。そう言う風に定義されるものですから。

> 各群の群内比較は,繰り返しのある一元配置のANOVAと多重比較でよろしいでしょうか?

群間比較でしょう?
それでいいと思います。

No.16915 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【増井】 2012/05/17(Thu) 09:07

青木先生,早々のご返事をありがとうございます.私の質問の仕方が悪いと思います.

1.私は,「交互作用」は2群であれば,両群の変化のパターンの違いの有無を見ており,多群では全群の変化のパターンの違いの有無を見ている,と理解しておりますが,そのような理解で正しいでしょうか?
  よって,3群で交互作用あり,と出た場合,「どの群とどの群」に交互作用があるか,という表現は,先生が仰るようにおかしいと思います.
 
2.・基ですが,(ただし,語弊がございましたら,ご指導願います.)「3群間に交互作用がある」ということは,3群相互に変化のパターンが異なる,という理解でよろしいでしょうか?
   ・仮に,A,B,Cの3群のうち,AとBの2群を選択し,繰り返しのある2群でのANOVAで,その2群間には交互作用がない場合,AとC,BとCのい ずれかに交互作用があっても,統計ソフトでは,3群での交互作用はない,と出るのでしょうか?(3群の交互作用を見たいのに,2群ずつに分けることは,ナ ンセンスでしょうか?恐縮ですが,その辺りの理解が乏しいです.)
  ・「3群間に交互作用があり」と出た場合,どのポイントでどのような違いがあるのか,を調べるためには,各ポイント毎に一元配置ANOVAを行い,交互作用を認めたポイントでは多重比較によって,そのポイントでの有意差検定を行う,ということでよろしいでしょうか?

以上,ややこしくて恐れ入りますが,よろしくお願いいたします.

No.16917 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【青木繁伸】 2012/05/17(Thu) 10:30

群と経時点との交互作用があるかどうかを見るのは,群のサブセットと経時点の交互作用があるかどうかを見るべきでしょう。
つまり,今の場合だと,
A群とB群だけを取り出して(2群,6時点)二元配置分散分析
A群とC群だけを取り出して(2群,6時点)二元配置分散分析
B群とC群だけを取り出して(2群,6時点)二元配置分散分析
の3通りをやる(どれか一つは従属になるか?)
4群以上の場合だとサブセットの取り方は多くなる(4C2 だけではないということ)。
このやり方だと,『「どの群とどの群」に交互作用があるか』ということではなく,『どのような群のサブセットのときに交互作用が有意になる』ということになるでしょう。
というか,群ごとに経時点のデータを描いてみるとサブセットの存在の可能性がよくわかるのでは?

No.16919 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【増井】 2012/05/17(Thu) 20:28

青木先生,ありがとうございます.
なかなか消化しづらいのですが・・・
1.対応のない反復測定分散分析では,A,B,Cの3群で二元配置分散分析とそれぞれ2群を 選択して二元配置分散分析とでの違いは何でしょうか?結果も変わるでしょうか?
2.あと,各ポイントで,3群の分散分析をすることは,差し支えないでしょうか?
 あるいは,行う場合は,3群の対照値に有意差がない,という条件が必要でしょうか?
3.4群以上ではサブセットの取り方が4C2だけではない,というのは2群だけではなく,3 群のサブセットも含むということでしょうか?

No.16920 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【青木繁伸】 2012/05/17(Thu) 21:04

> 対応のない反復測定分散分析では,A,B,Cの3群で二元配置分散分析とそれぞれ2群を選択して二元配置分散分析とでの違いは何でしょうか?結果も変わるでしょうか?

た とえばの話,A, B 群は時系列に沿って測定値が上昇,C 群は時系列に沿って測定値が普遍か下降とする。A,B,C 群全部を使って二元配置分散分析をして,交互作用が検出されたとする。では次に,A,B 群だけを取り出して二元配置分散分析をすると,交互作用はたぶん検出されない。A, C 群に対してと B, C 群に対しての二元配置分散分析では,交互作用が検出されると思いませんか?

> 各ポイントで,3群の分散分析をすることは,差し支えないでしょうか?

さあて。それでは,時間による変化というものが検出されないでしょう?

> 4群以上ではサブセットの取り方が4C2だけではない,というのは2群だけではなく,3群のサブセットも含むということでしょうか?

A,B,C,D の 4 群なら,検定対象とするのが,(A, B), (A, C), (A, D), (B, C), (B, D), (C, D) の他に,(A, B, C), (A, B, D), (A, C, D), (B, C, D) もあるでしょうということ。
ここで,(A, B, C) という記法は,A, B, C 群だけを使って検定するということを表すとする。

No.16921 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【増井】 2012/05/17(Thu) 21:22

青木先生,ありがとうございます.
この場合,サブセットを用いる方が見落としが少ないことがわかりました.
1.では,3群全部での二元配置分散分析というのは,あまり意味がないのでしょうか?
2. 各ポイントにおける3群の分散分析については,対照値が3群とも等しければ,等し い時間を経過した「ある時点」,ということで,「時間」という要因をクリアーしたと 考えてはいけないでしょうか?
3.4群以上になると,さすがに見落としの少ないサブセットでの処理も大変そうです 
 ね.その場合は,見落としも覚悟して,一括で処理した方が良いのでしょうか?

 素人考えで恐縮ですが,よろしくお願いいたします.

No.16922 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【青木繁伸】 2012/05/17(Thu) 23:08

> では,3群全部での二元配置分散分析というのは,あまり意味がないのでしょうか?

どの群をまとめて検定したときに交互作用が検出されるかされないかだけを知りたいなら,全体での検定は必要ないでしょう?
とうぜん,全体でどうなるかを知りたいなら3群全部で検定するのは「あたりまえ」のことでしょう?
あなたは,どっちを望んでいるの?両方なら,両方やればよいだけでしょう。

> 各ポイントにおける3群の分散分析については,対照値が3群とも等しければ,等しい時間を経過した「ある時点」,ということで,「時間」という要因をクリアーしたと考えてはいけないでしょうか?

どういうことを言いたいのか文意がとれません。

> 4群以上になると,さすがに見落としの少ないサブセットでの処理も大変そうです 
 ね.その場合は,見落としも覚悟して,一括で処理した方が良いのでしょうか?

見落とししないように!!!やるのです。
中途半端なら,やらないほうがまし。

No.16923 Re: [16832] 統計手法の続き 繰り返しのある多群の統計  【増井】 2012/05/18(Fri) 08:20

青木先生,ありがとうございます.深夜までお気を煩わせてしまい,本当に申し訳ございません.まだまだ未熟であることを痛感しております.
1.まず,何がしたいかによって,見落としのないようにANOVAの使い分けを考えます.
2.先生が私の文意が不明,と仰った件ですが,「対照値が3群とも等しい」というの 
 は,「3群の対照値間で有意差がない」という意味です.まったく等しい,という意味 ではありません.その前提で,例えば,10分後の各群のデータを比較するのに,3群以
 上であれば,ANOVAと多重比較で3群間の検討するのはいかがでしょうか,ということな
 のです.そこに先生が仰る「時間による変化というものが検出されないでしょう?」と いう話が私には消化できていません.
  対照値に有意な差があるのに(最初から違いがあるのに),例えば10分後のデータを 比較するのはナンセンスであると考えまして,そのように申し上げました.逆に,対照
 値に有意差がなければ,10分後のデータを比べるのは(時間的要因も含めて)意味があ
 るのではないかと,思いましてお尋ねしております.
  以上,御高配のほどよろしくお願い申し上げます.

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