No.16183 治療前後のイベント発生回数の検定  【脇田三日月】 2012/01/08(Sun) 13:23

治療によってイベント発生回数が減少するかを評価することを考えていますが,このような場合,t検定が使えないのか教えていただけますでしょうか。

たとえば,15人の患者に治療を行い,治療前1年間のイベント発生回数,治療後1年間のイベント発生回数が以下のような場合(イベント発生回数はおそらくポアソン分布をするので治療前はλ=2,治療後はλ=1のポアソン分布をするとした。)
> 患者ID <- 1:15
> 治療前 <- rpois(15, lambda=2)
> 治療後 <- rpois(15, lambda=1)
> dat <- data.frame(患者ID=患者ID, 治療前=治療前, 治療後=治療後)
> dat
患者ID 治療前 治療後
1  1  3  1
2  2  1  1
3  3  2  0
4  4  1  1
5  5  1  2
・・・(略)
このような場合,
> イベント減少 <- 治療前-治療後
> t.test(イベント減少)

One Sample t-test

data: イベント減少
t = 3.7472, df = 14, p-value = 0.002165
(略)
以上のt検定の結果から,治療によりイベント発生回数が有意に減少していると結論するのは「イベント減少」が正規分布していないため不適切でしょうか。

この場合,Wilcoxon rank sum testではタイが多くなってしまうため不適切と思いますし,実際
        Wilcoxon signed rank test with continuity correction

data: イベント減少
V = 75, p-value = 0.004674
alternative hypothesis: true location is not equal to 0

警告メッセージ:
1: In wilcox.test.default(イベント減少) :
タイがあるため,正確な p 値を計算することができません
2: In wilcox.test.default(イベント減少) :
ゼロ値のため,正確な p 値を計算することができません
と警告が出ます。
それとも他に適した検定の仕方があるのでしょうか。

No.16184 Re: 治療前後のイベント発生回数の検定  【青木繁伸】 2012/01/08(Sun) 22:28

> t検定の結果から,治療によりイベント発生回数が有意に減少していると結論するのは「イベント減少」が正規分布していないため不適切でしょうか。

まあ,不適切と言えば不適切なのでしょう。

> Wilcoxon rank sum testではタイが多くなってしまうため不適切と思いますし

coin ライブラリの wilcox_test を使えば。

No.16185 Re: 治療前後のイベント発生回数の検定  【脇田三日月】 2012/01/09(Mon) 11:45

青木先生ありがとうございます。

確かにcoinライブラリのwilcox_testを使えばタイがあっても正確なp値が求められますね。
知らなかったです。

しかし,これは説明にも
Testing the equality of the distributions of a numeric response in two or more independent groups against shift alternatives.
と書いてある通り,独立した2群の検定に使用するものであって
今回のように,対応のある2群もしくは1つのサンプルの場合は使用できないのでしょうか。

No.16186 Re: 治療前後のイベント発生回数の検定  【青木繁伸】 2012/01/09(Mon) 15:49

> 独立した2群の検定に使用するものであって

そうでした。うっかり

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