No.15113 小さなデータでの相関・分散分析  【松島】 2011/08/10(Wed) 03:42

ある変数の効果(もしくは相関)を示したいのですが,データが小さいためなかなかうまく行かず困っております。

例として,酒の摂取量と認知パフォーマンスの低下量の関連を示す実験を想定します。
酒の摂取量を独立変数として,1杯,2杯,3杯,4杯の4水準があります。
認知実験での反応速度を従属変数とします。
この実験を,4名の参加者に行ったとします。
(1レベルの酒につき実験は1回だけ。)

分析の当初は,酒量と速度との相関を,それぞれの参加者ごとに計算しました。
しかし4名のうち1名は,4杯の酒を飲むことができず(つまり3水準でしか実験できず),相関係数が有意になりませんでした(r=0と比較して)。
また,他のもう1名は,データが少し乱れて相関が有意になりませんでした。

次に,4人のデータを全部ひっくるめて,一つの相関係数を算出してみました。
(つまり,酒1水準につき4名分のデータ点があることになります。)
すると相関係数は有意になりましたが,ボスに「inflation of N」,つまり不正にN数を増やしたことになるのではないか,と指摘を受けました。

そこで次に,少なくとも酒量の効果を示したいので,モデル式「速度〜酒量+参加者」で分散分析を行いました。
その結果たしかに酒量の効果が有意になったのですが,参加者数が少ないので,分散分析を用いる妥当性に疑問が残ります。
このような場合,仮に検定力が高ければ,4名分のデータで分散分析の結果を主張することができますでしょうか?
また,他に適切な方法はございませんでしょうか?

酒量と速度の間の線形関係を主張できればベストですが,どうしても無理な場合は「酒量が効果を持っている」ということだけでも示したいです。

お知恵を拝借できれば幸甚でございます。

No.15116 Re: 小さなデータでの相関・分散分析  【青木繁伸】 2011/08/10(Wed) 06:53

> 参加者数が少ないので,分散分析を用いる妥当性に疑問が残ります。

サンプルサイズが小さいから分散分析を使えないということではありません。
そもそも検定は,使ったサンプルサイズにおいて有意かどうかということですから。
有意でないという不本意な(?)結果が出るのは,サンプルサイズが小さいのなら,やむを得ないことです。
サンプルサイズを増やすとか,実験デザインを組み直す式ないでしょう。
死後剖検は無意味です。

No.15117 Re: 小さなデータでの相関・分散分析  【松島】 2011/08/10(Wed) 07:56

青木先生 ご意見ありがとうございます。

>そもそも検定は,使ったサンプルサイズにおいて有意かどうかということですから。

確かにおっしゃるとおりです。
そうすると,私が上に挙げた分散分析の結果は次のような解釈になるのでしょうか:
「少なくともこの実験の参加者においては酒量が効果を持っている(しかし他の人に一般化できるかは不明)。」

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