No.15062 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【taiko】 2011/08/02(Tue) 16:56

初歩的な質問でおはずかしいですが,教えてください。
百分率ではなく,10万人あたり,もしくは100万人あたり の罹患率または有病率を計算することがありますが,この場合,95%信頼区間はどのように算出するのでしょうか。百分率の場合と同じように計算をして,単 純に10万人あたりなら,算出された数を1000倍,,100万人あたりでは1万倍としてもよろしいものでしょうか。

No.15063 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【青木繁伸】 2011/08/02(Tue) 17:05

> 95%信頼区間はどのように算出するのでしょうか

そのようなものは存在しませんし,計算もしません。

No.15064 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【taiko】 2011/08/02(Tue) 17:22

お返事をありがとうございました。
理解がたらず,表現が誤っていたようで申し訳ありません。

例えば,10万人あたりの有病率が5 という結果だった場合,有病率の95%信頼区間を求めるにはどうすればよろしいでしょうか。

懲りずに質問するのも大変恐縮ですが,よろしくお願いいたします。

No.15066 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【青木繁伸】 2011/08/02(Tue) 18:38

そういうものはないのです。

No.15080 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【taiko】 2011/08/03(Wed) 10:22

青木先生

お忙しいところ,お返事をありがとうございます。

「そういうものはない」とのことで混乱してきています。申し訳ありませんが,もう一度質問させてください。
例 えば下記のような論文に,an overall annualized age- and gender-adjusted incidence rate of 13.4 per 100,000 (95% confidence interval (CI): 11.4, 15.5)や,rate for men (19.0 per 100,000, 95% CI: 16.1, 21.8)というものが出てきます。
これは計算してみると,単純に,百分率で表わしたincidence rate(例えば13.4 per 100,000なら,0.0134) を,P+-1.96*SQRT(P(1-P)/n) に当てはめたようでした。
このような方法は広く認められているわけではないのでしょうか。
何度も恐縮ですが,ご教示頂けると幸いです。

Incidence of Parkinson’s Disease: Variation by Age, Gender, and Race/Ethnicity

A total of 588 newly diagnosed (incident) cases of Parkinson’s disease were identified, which gave an overall annualized age- and gender-adjusted incidence rate of 13.4 per 100,000 (95% confidence interval (CI): 11.4, 15.5). (中略)The rate for men (19.0 per 100,000, 95% CI: 16.1, 21.8) was 91% higher than that for women (9.9 per 100,000, 95% CI: 7.6, 12.2).

No.15081 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【taiko】 2011/08/03(Wed) 10:24

紹介した論文のURLが表示されていないので,追記します。
http://aje.oxfordjournals.org/content/157/11/1015.abstract

No.15083 Re: 10万人あたり罹患率の95%信頼区間の計算方法  【青木繁伸】 2011/08/03(Wed) 10:51

> 単純に,百分率で表わしたincidence rate(例えば13.4 per 100,000なら,0.0134) を,P+-1.96*SQRT(P(1-P)/n) に当てはめたようでした。

これを計算するときに n はどういう数値を使うのですか?

やり方はいろいろありますが,正確にということで二項検定を使うことを考えましょう。
13.4 per 100,000 について計算してみます。
13.4 というのも,実際は小数点以下2桁以上も続くわけですが,1,000,000 あたり 134 と整数値にします。
> binom.test(134, 1000000)

Exact binomial test

data: 134 and 1e+06
number of successes = 134, number of trials = 1e+06, p-value < 2.2e-16
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.0001122744 0.0001587026
sample estimates:
probability of success
0.000134
95% 信頼限界は [0.0001122744, 0.0001587026] となりますが,これを 100,000 あたりに直すと [11.22744, 15.87026] になりますね。
で は,10,000,000 あたり 1340 として計算したらどうなるとお思いですか。[0.000126921, 0.000141371] は 100,000 あたり [12.6921, 14.1371] ですよ。おかしいと思いませんか。また,この数値は実際には,実際の人口数と患者数について求められているので,計算には実際の人口数と患者数を使って計 算しなければならないでしょう。しかし,実際の人口中の患者数はこれは推定値ではなく,母数そのものです。推定値でない母数に信頼区間などあるわけがない ですね。

> A total of 588 newly diagnosed (incident) cases of Parkinson’s disease were identified

とあるのですが,母集団はこれから計算する限りにおいて,4,388,060 程度。もしこの数値を使って信頼区間を求めると
> binom.test(588, 4388060)
95 percent confidence interval:
0.0001233872 0.0001452814

> prop.test(588, 4388060)
95 percent confidence interval:
0.0001234892 0.0001453951
と なり,いずれも incidence rate of 13.4 per 100,000 (95% confidence interval (CI): 11.4, 15.5) とは違います。もっとも,overall annualized age- and gender-adjusted incidence rate というのがどのように計算されたものかわからないのですけどね。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 044 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る