No.14783 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【青木繁伸】 2011/06/21(Tue) 14:26
> 逆転現象が起こった場合とは,どのような場合なのか,教えてください
そんな例はいくつもあります(作れます)。たとえば以下のような二群のデータ(それぞれ 7 個ずつ)。平均順位 平均値平均順位と平均値は見事に逆転しているでしょう。どのような場合にそういうことが起こるかという理由はいろいろあるものの,一つは,平均値はほかより大きい(小さい)値の影響を受けやすいが,平均順位の元になっている順位はそのような影響を受けないということ。
第1群 38 43 50 55 46 44 52 7.857143 46.85714
第2群 34 60 66 49 36 37 47 7.142857 47.00000
> 逆転現象は起こりえないので,SPSSで処理する際のデータ項目が間違っている
実際あなたのデータでそういうことが起きているのだから,データ数が膨大でなければ,紙に書き出して,手計算の結果とSPSSの出力が一致することを見せてあげればよいでしょう。
なお,引用されたコメントにも書いてありますけど,度数分布表を作って,よく吟味すると平均値や平均順位だけで判断する以上の情報が得られるかもしれないし,なぜ逆転するのかが分かるかもしれません。
No.14784 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 14:49
青木 先生
早速のご回答,大変助かります。
統計初心者でよく分からないのですが,教育関係の論文において,方法1と方法2で行った場合のテスト結果について,次のデータ(2つ例を挙げます)で,逆転しました。
方 法の違いによる効果の差を「効果量」を使って見ているのですが,例1の場合は効果量ナシですので逆転現象が起こっていても論文を書く上では特に問題がない (教授がおかしいといわれること以外には)いのですが,例2の場合は「効果量小」ですので,点数の高い方の方法に効果があったことにしたいのですが,平均 値と平均順位のどちらが高いほうを「効果有り」とすればよいのか,困ります。
今,平均順位を使って書いているのですが,平均値と平均順位に逆転現象が起こりえることを担当教授にもう一度,話してみます(おかしいと言われそうですが)。
青木先生からの何かサジェスチョンがありましたら,大変助かります。お待ち申し上げます。
例1
平均順位 方法1 = 21.90, 方法2 = 21.10
平均値 方法1 = 47.14, 方法2 = 52.86
方法 テスト結果
1 80.0
1 70.0
1 90.0
1 60.0
1 70.0
1 60.0
1 60.0
1 0.0
1 10.0
1 10.0
1 60.0
1 0.0
1 70.0
1 60.0
1 80.0
1 60.0
1 0.0
1 70.0
1 0.0
1 70.0
1 10.0
2 60.0
2 100.0
2 70.0
2 60.0
2 10.0
2 60.0
2 50.0
2 50.0
2 60.0
2 60.0
2 60.0
2 0.0
2 80.0
2 60.0
2 60.0
2 60.0
2 80.0
2 0.0
2 60.0
2 50.0
2 20.0
例2
平均順位 方法1 = 19.90, 方法2 = 23.10
平均値 方法1 = 32.38, 方法2 = 25.24
方法 テスト結果
1 90.0
1 80.0
1 80.0
1 70.0
1 90.0
1 90.0
1 60.0
1 90.0
1 60.0
1 30.0
1 90.0
1 60.0
1 80.0
1 90.0
1 90.0
1 90.0
1 90.0
1 80.0
1 70.0
1 90.0
1 40.0
2 70.0
2 80.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 70.0
2 70.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 90.0
2 70.0
2 70.0
2 100.0
2 70.0
2 70.0
2 70.0
2 90.0
No.14785 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 14:51
データを加えてしまい,失礼しましたが,これから度数分布表を作って,確認してみます。
ありがとうございました。
No.14786 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 15:11
少しあいまいなコメントで,失礼しました。
これから度数分布表を作って,確認してみます。
ありがとうございました。
なお,平均値と平均順位のどちらを使えばよいかについてのご意見をお持ちであれば,コメントくだされば嬉しいです。
どちらか一方を使えばよい,というものではないでしょうか。
No.14787 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【青木繁伸】 2011/06/21(Tue) 15:43
> 平均順位 方法1 = 19.90, 方法2 = 23.10
> 平均値 方法1 = 32.38, 方法2 = 25.24
平均値が,おかしいでしょう。そんな値になるはずがないと思いますが?それぞれ,76.66667,82.38095 になると思いますが?で,そうならば,逆転なんかしていない。
それとも,「平均値」の定義・計算方法が違う?
ということで,出発点がおかしいのではあるが,本当に平均値と平均順位の大きさが逆転しているときには,
> 平均値と平均順位のどちらを使えばよいかについてのご意見をお持ちであれば
場合によるでしょう。
先のコメントに書いたけど,平均値はほかの値より大きい(小さい)データに引きずられるということですよ。方法2は分布が狭いので,平均値が大きく評価されがち(方法1は小さく評価されがち)。単にそれだけのこと。テスト結果また,マン・ホイットニーの U 検定を行いながら評価は平均値で行うというのもおかしな話でしょう。
方法 30 40 60 70 80 90 100
1 1 1 3 2 4 10 0
2 0 0 0 8 1 11 1
No.14788 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 16:08
すぐに回答くださり,大変助かります。
大変失礼いたしました。
もう一度確認したところ,おっしゃるように,例2では数値が間違っていました。
結論としては,効果量が出ないくらいの僅差の場合には,平均値と平均順位では,数値の出し方が違うので異なる差が出るので,そのために逆転することはある。
一方で効果量が小や中,あるいは有意差が出ているようなものについては,逆転することはない,と考えてよろしいでしょうか。
何度もすみません。
No.14789 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【青木繁伸】 2011/06/21(Tue) 16:22
> 例2では数値が間違っていました。
聞いてみてもしょうがないけど,なんで間違ったんですか。
> 結論としては,効果量が出ないくらいの僅差の場合には,平均値と平均順位では,数値の出し方が違うので異なる差が出るので,そのために逆転することはある。
> 一方で効果量が小や中,あるいは有意差が出ているようなものについては,逆転することはない,と考えてよろしいでしょうか。
計算間違いしなければ,そのような結果になったらそうなんだし,そうでなかったらそうでないというだけの話です。まえもって,そういうことがあるかどうか知りたければ,シミュレーションでもすればよいけど,そんなことする意味がない。
No.14790 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 16:31
このたびは本当にありがとうございました。
色々と勉強になりました。
数値の間違いについては,大変失礼いたしました。
比較的多い項目(テスト問題数)になっていて,データを2つに分ける際に,ペーストし間違えただけでした。
本当に失礼いたしました。
No.14791 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【青木繁伸】 2011/06/21(Tue) 16:49
> データを2つに分ける際に,ペースト死間違えただけでした。
データ分析で,手作業で何かをやるというのは絶対に避けるべきですね。その意味で,Excelなんかは最低。SPSSでも,データウインドウを手作業で弄るのは Excel と同じ。
特に,データが多かったり複雑だったりという場合,人は必ず間違いを犯すものです。
シンタックス(プログラム)で書いておけば,間違いはないし,そのシンタックスを保存しておけば,後でどのようなことをやったか検証できるし,何回でも同じことができる。たとえシンタックスが間違っていても,修正して再実行すれば済むものですから。
それと,結果をよく見ましょう。「こんな低い平均値が出るわけがない」とすぐに気づくべきものでしょう。
No.14792 Re: SPSS 平均値と平均ランクの逆転について 【nakayama】 2011/06/21(Tue) 17:40
おっしゃる通りだと思います。
ありがとうございました。
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