No.14766 カイ二乗検定と二項検定の併用  【還暦に近いおじさん】 2011/06/19(Sun) 20:00

施設(公的施設と民間施設)の中にランニングマシンなどの健康器具の設置を要望するか,要望しないかという調査を,各施設の健康管理担当者に行いました。

その結果,公的施設では要望有りがA,要望無しがBという数が得られました。一方,民間施設では要望有りがC,要望無しがDという数でした。

公的施設と民間施設との間の要望の有無に差があるかどうかについては,カイ二乗検定あるいはFisherの正確確率検定で行おうと考えています。

次に,公的施設における要望有りと要望無し(民間施設についても同様に),あるいは要望有りの公的施設と要望有りの民間施設との間に差があるか否かについての有意差検定を行いたく思っています。この場合,二項検定で行っても構わないのでしょうか?

宜しくご教示の程お願い申し上げます。

No.14767 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【青木繁伸】 2011/06/19(Sun) 22:08

> 次に,公的施設における要望有りと要望無し(民間施設についても同様に),あるいは要望有りの公的施設と要望有りの民間施設との間に差があるか否かについての有意差検定を行いたく思っています。

母比率の検定をやりたいということですか?やりたいのならやればよいと思いますけど,やる必要性があるのですか?母比率を幾つに設定するつもりですか?多重比較の問題もありますし。

No.14768 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【還暦に近いおじさん】 2011/06/19(Sun) 23:43

青木先生,ご返答ありがとうございます。
統計のことをよく理解していない者が質問などをしてしまいまして,申し訳ございません。具体的に私が試みた方法を記載させて頂きます。

SPSS(Ver 18)の「分析」→「ノンパラメトリック検定」→「過去のダイアログ」の所にカイ二乗検定及び二項検定があり,その二項検定を利用しました。この場合です と,母比率は50%(検定比率は50%となっています)になるのでしょうか?(計算上では,ここにあるカイ二乗検定でも,質問文のAとB,AとCなどの検 定はできるようになっています。この場合,AとB,AとCのそれぞれの期待度数は同値です。)

今回,公的施設と民間施設との間の要望の有 無の差についてカイ二乗検定(通常の2×2分割表で示されるものです)で行ったところ,公的施設と民間施設との間に有意差を認めることが出来ませんでし た。そこで,試しにAとBあるいはAとCの組み合わせで二項検定を行ってみたところ有意差が認められました。

このような場合,二項検定を使用しても良いのかと思い,数日前からいろいろな本やネット上で調べてみておりますが,カイ二乗検定と二項検定を併用しているものが全くありませんでした。

そこで,私のやろうとしていることが正しいのかどうかを知りたくて,調べている過程で先生のこのホームページを知り,投稿させて頂いた次第です。

先生のご返答から推察致しますと,私は全く意味のない検定をしようとしているのでしょうか?そして,このような場合には,統計学的にカイ二乗検定あるいはFisherの正確確率検定だけで十分なのでしょうか?

また,先生のご返答の中に多重比較という言葉が出ておりますが,今回の質問文のような場合には2群しかありませんので,多重比較は出来ないと理解しているのでが,何か方法があるのでしょうか?

以上,誠に申し訳なく存じますが,宜しくご教示賜りたくお願い申し上げます。

No.14770 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【青木繁伸】 2011/06/20(Mon) 08:30

> この場合ですと,母比率は50%(検定比率は50%となっています)になるのでしょうか?

母比率は自分で定義できるようになっていると思いますけど?
もし,50%で差がないなら,45%で差があるか,40%で差があるかと,探索するわけにはいかないでしょう。

> カイ二乗検定(通常の2×2分割表で示されるものです)で行ったところ,公的施設と民間施設との間に有意差を認めることが出来ませんでした。そこで,試しにAとBあるいはAとCの組み合わせで二項検定を行ってみたところ有意差が認められました。

有意になるような検定を探索するのは,よくないことです。その中に,不適切な検定が含まれていては問題外です。

No.14773 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【還暦に近いおじさん】 2011/06/20(Mon) 11:43

青木先生,早朝にも関わりませず,ご返答有り難うございます。
この掲示板を見てみますと,土曜・日曜日あるいは深夜・早朝にも関わらず,ご返答頂いているようですが,どうか御身御大切にお願い申し上げます。

母比率は自分で定義できるようになっているとのこと,SPSSを調べてみましたら,確かにそのようになっておりました。恥じ入るばかりです。結局は,この検定の意味を良く理解していない事に起因していたのだと思います。

昔と異なって現在では,どんな統計計算も統計ソフトに入れさえすれば,何らかの答えが返ってきますが,改めましてその怖さを知りました。

ま た,「有意になるような検定を探索するのは,よくないことです」というご指摘を先生から頂戴しまして,約40年前の学生時代に教わった教授の言葉を今更な がら思い出してしまいました。あの当時は全てが手計算でしたので,簡単な統計学しか教わりませんでした。電卓が出始めていたのですが,貧乏学生の私には手 が出ませんでした。

今回のケースの場合,カイ二乗検定あるいはFisherの正確確率検定だけで十分であると理解いたしましたが,これで宜しいのでしょうか?

そ れと,ついでにお教え頂きたいのですが,先生のホームページや他のネット情報,あるいは本からの情報を私なりにまとめますと,カイ二乗検定を用いて検定す るような場合には,基本的にFisherの正確確率検定を用いるべきであると理解したのですが,これで宜しいのでしょうか?

たびたびの質問で恐れ入りますが,宜しくご教示賜りたくお願い申し上げます。

(追伸)職場のパソコンから送信しておりますので,昨夜の自宅からの私の情報がうまく反映されていないかも知れません。ご了承頂きますようお願い致します。

No.14774 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【青木繁伸】 2011/06/20(Mon) 13:19

> カイ二乗検定あるいはFisherの正確確率検定だけで十分であると理解いたしましたが,これで宜しいのでしょうか?

はい,そうです

> カイ二乗検定を用いて検定するような場合には,基本的にFisherの正確確率検定を用いるべきであると理解したのですが,これで宜しいのでしょうか?

両者は若干違うのですが,一般的にはFisherの正確確率検定を用いるということでよいでしょう。特にセルの期待値が小さい場合などには Fisher の正確確率検定が適しているでしょう。

No.14781 Re: カイ二乗検定と二項検定の併用  【還暦に近いおじさん】 2011/06/20(Mon) 16:16

青木先生,早速のご返答有り難うございます。また,深夜や早朝にも関わりませず,ご返答頂きましたこと厚く御礼申し上げます。

今回のケース,先生にご教示頂きまして,きちんと理解することができました。還暦に近い身ですが,少しずつ統計学の勉強をして私の仕事に役立てたいと思っております。

今後も,些細な質問をさせて頂くかも知れませんが,その際にはどうか宜しくご指導の程お願い申し上げます。この度は本当に有り難うございました。

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