No.14735 指数分布の確率密度関数  【統計の子猫】 2011/06/07(Tue) 15:32

指数分布の確率密度関数は,確率変数をxとしたとき,f(x)=m*exp(-m*x) と表記できます。
ここで,m=2,x=0 の場合の計算をすると,f(0)=2.0 となります。
m=2の場合の確率密度を計算すると,ちゃんと1になることも確認しています。
ただ,計算は間違っていないのに,確率が 1 を超える場合があることに,今一つしっくりきません。
この f(0)=2 をどのように理解すれば良いでしょうか?
ご教授お願いいたします。

No.14736 Re: 指数分布の確率密度関数  【青木繁伸】 2011/06/07(Tue) 16:02

それは,確率ではなく,確率密度です。確率密度の上限値はありません(1 以上の値も取ります)。
確率密度を積分したものが確率です。
R では,f(x) は dexp 関数で計算,確率は pexp 関数で計算。
0 〜 ∞ 区間での積分は,pexp(0, rate=2, lower.tail=FALSE) で,1 になります。
> x <- seq(0, 4, length=500)
> y <- dexp(x, rate=2)
> plot(x, y, type="l", ylab="f(x)") # 確率密度曲線
> abline(h=0, v=0, col="blue", lty=3)
> (prob <- pexp(0, rate=2, lower.tail=FALSE)) # 0 以上の確率
[1] 1


No.14738 Re: 指数分布の確率密度関数  【青木繁伸】 2011/06/07(Tue) 16:11

以下は,分布関数 F(x)。つまり,0 から x までの値を取る確率。
> plot(x, pexp(x, rate=2), type="l", ylab="F(x)")
> abline(h=c(0, 1), v=0, col="blue", lty=3)


No.14745 Re: 指数分布の確率密度関数  【統計の子猫】 2011/06/08(Wed) 07:35

青木先生,

お返事ありがとうございます。
先生のお返事のあと,少し自分で確率と確率密度の違いを調べてみました。
下記の理解で正しいでしょうか?

二項分布やポアソン分布のような離散的な分布では,確率変数が「ある値をとる確率」が求められる。
指 数分布や正規分布のような連続的な分布の場合は,確率変数が「ある値をとる確率」が求められるのではなく,「ある範囲の値をとる確率」はその範囲で確率密 度を積分することにより求められる。これは無限の精度で点を処理した場合,離散型とは異なり,「特定の値」を取る確率はゼロになってしまうので,「各点に 与えられた確率」に基づいて確率分布を定義することは不可能になってしまいます。そこで,微小であったとしても,ある範囲を設定する必要がある。

と ころで,連続的な分布の式は,“確率密度関数”と呼ばれていますが,二項分布やポアソン分布などの離散的な分布の式は,なんと呼べばよいでしょうか?積分 すると1になるので,やはり“確率密度関数”でしょうか?それとも離散分布の場合は,“確率関数”と呼ぶのでしょうか?

もし離散的な分布に対しても連続的な分布に対しても,確率密度関数と呼ぶ場合,離散的な分布の確率密度関数は,確率変数が「ある値をとる確率」が求められると解釈すればよいでしょうか?

No.14746 Re: 指数分布の確率密度関数  【青木繁伸】 2011/06/08(Wed) 08:13

離散分布の場合は,f(x) は確率です。

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