No.14706 有意差に関する表現  【渡邊まゆみ】 2011/05/28(Sat) 23:11

 言葉の使用に関する調査で,世代差が出たときの表現についての質問です
 ある言葉の使用頻度について,各世代10名ずつの平均が高年層40%,中年層67%,若年層79%という結果になりました。多重比較の結果(TukeyHSD)では,高年層と若年層でのみ有意差(p<0.001)が見られました。
こ の結果を文章にする際に,「高年層の平均は中年層,若年層より低い。多重比較の結果(TukeyHSD),高年層と若年層とに有意差が見られ,高年層は若 年層に比べて「れる」の使用頻度が有意に低い。」などのように,単に数値として「低い」場合と,有意差が認められた場合の「有意に低い」を一緒に書くのは 間違いでしょうか。
 有意差が認められたことと一緒に,有意差は認められなったが事実として述べておきたい場合はどのように表現すればよいのでしょうか。アドバイスをいただければ幸いです。

No.14712 Re: 有意差に関する表現  【青木繁伸】 2011/05/29(Sun) 21:03

> 単に数値として「低い」場合と,有意差が認められた場合の「有意に低い」を一緒に書くのは間違いでしょうか。

厳密に言えば,「有意に低い」と言うためには,片側検定を行う必要があるだろうとは思います。両側検定ならば,「差が認められた」としか言えません。
片側検定を行ったのならば,「(有意ではないが)低い」,「有意に低い」が併存していても何ら問題はないでしょう。
両側検定を行ったのならば,「(有意ではないが)差がある」,「有意な差がある」ということになるでしょう。

No.14713 Re: 有意差に関する表現  【渡邊まゆみ】 2011/05/30(Mon) 01:36

さっそくのお返事をありがとうございます。

両側検定をしたので「有意な差がある」と書くようにします。

実は,文系の雑誌の査読者から統計処理について,次のように言われました。

「平均が低い」と言えるかどうかをチェックするのが統計的検定ですから,統計的検定をした結果有意差が認められないものについて「平均が低い」というのは論理的矛盾です。「高年層は中年層,若年層より平均が低い」の部分は科学的記述としては意味がなく,無駄な文です。

高 年層とそれ以外の世代との差は27ポイント以上で,言語使用の頻度としては決して小さい差ではありません。統計的に意味がなくても,事実として重要なので 述べておきたいと思っていたのですが,先生の「(有意ではないが)差がある」「有意な差がある」からすると,「高年層の場合は中年層,若年層により使用頻 度が低い。多重比較の結果では,このうち高年層と若年層に有意差が認められた」などのような書き方は,いけないことになるのでしょうか。
やはり,統計的な根拠のない「高年層の場合は中年層,若年層により使用頻度が低い」は削除すべきでしょうか。

しつこいようで申し訳ないですが,よろしくお願いいたします。

No.14714 Re: 有意差に関する表現  【青木繁伸】 2011/05/30(Mon) 06:53

> 統計的検定をした結果有意差が認められないものについて「平均が低い」というのは論理的矛盾です。

硬直化しているとしか言えないと思います。

平 均値を見てどちらが小さいか大きいか(その差が実質的な意味を持つかどうか)は統計(検定)を使わなくても分かることで,その後(それに引き続いて)その 差が統計学的に有意かどうかを述べることになるわけです。検定で有意でない場合(項目)についてどこまで書かれるか分かるでしょう。

ちょっと別な観点から。
有 意であるかどうかは有意水準によって判断されるものです。有意水準は著者が設定するもので,通常は0.05とされることが多いですが,それは固定されてい るものではありません。読者は読者の有意水準をもって(例えば 0.01)論文を評価することができます。論文中に著者が P=0.034 で(5%の有意水準で)有意としていても,読者は有意ではないと判定します。読者にとって見れば,「有意水準 0.05 で有意な差があった」という記述は無意味なものになりますけど,それはだれも批難しませんよね。逆に,著者が α=0.01 で検定を行ったとき,P=0.034 は有意でないから何の記述もできないとタガをはめられたら,論文を書きにくいこと甚だしい。

No.14715 Re: 有意差に関する表現  【渡邊まゆみ】 2011/05/30(Mon) 19:32

ご意見を本当にありがとうございます。とても勇気づけられました。頑張ります。

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