No.14301 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【波音】 2011/02/11(Fri) 20:02
一般的にいえば不適解が生じているわけですから,再度,分析をした方が良いという指摘は適切なものであると思えま す。純粋な数理統計の立場からすれば不作法(?)なことかもしれませんが,推定法を最尤法ではなく主因子法にしてみるとか,SPSSでいうところの一般化 最小二乗法を使ってみるとかすると不適解を免れることもあります。
「あまり気にしない」というのは,そもそも軸を回転したりすることが分析者の都合に合わせて行うものだから信用ならん,という意見の延長のような気もしますが。。。
納得のいく回答になっていないかもしれませんが。。。
No.14310 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【どんがめ】 2011/02/12(Sat) 23:58
波音様
早速,ご回答いただき,本当にありがとうございます。
ご回答について,いくつかお伺いいたします。
>一般的にいえば不適解が生じているわけですから,
一般的にいう不適解とはどういう状態を指しているのでしょうか?
基本的に,直交回転だけでなく,斜交回転においても,因子負荷量が1を超えることはあり得ないということでしょうか?
お恥ずかしいばかりですが,不適解自体を理解しておりません。このHPに投稿する前に,ネット検索により,Heywoodケースの不適解が最尤法でおこり やすい旨の解説を読み,これかと思いましたが,不適解のメッセージも出力されず,共通性については,1を下回っておりましたので,不適解ではないと思って おりました(そもそも不適解そのものを理解していないので,すべて当てずっぽうです。)。
>推定法を最尤法ではなく主因子法にしてみるとか,SPSSでいうところの一般化最小二乗
>法を使ってみるとかすると不適解を免れることもあります。
おっしゃるとおり,主成分分析,主因子法では,因子負荷量は1を下回ります(一般化最小二乗法では,最尤法と同様の結果になります。)が,例えば,主因子法での結果を採用する場合,
「最尤法では,不適解が発生したため,主因子法により再分析したところ,基本的な因子構造には違いが無く,因子負荷量は全て1を下回ったことから,主因子法による結果を採用した」
といった曖昧な理由を付記することで,因子抽出法を変えることが許されますでしょうか?(すでに,先の論文投稿で,先に最尤法による結果をお示ししておりますので。)
また,上記のように因子抽出法を変えることが許されるとするなら,先の投稿で記述しましたように,カッパをSPSSのデフォルトの4から,SASのデフォ ルトの3に切り替えることでも,同様に,基本的な因子構造を変えることなく,因子負荷量を1未満とすることができますが,これではだめなのでしょうか?
さらに,AMOSを使って,例えば,検証的因子分析を行うこと等によって,不適解の生じた因子分析結果を補完するような方法はありませんでしょうか?
厚かましい質問で,恐縮ですが,もし,ご都合がつきましたら,ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
No.14311 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【青木繁伸】 2011/02/13(Sun) 09:03
以下を読んで,ご自分で判断してみてください。
http://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&cd=3&ved=0CC0QFjAC&url=http%3A%2F%2Fir.library.osaka-u.ac.jp%2Fmetadb%2Fup%2FLIBKIYOK01%2Fhs24-303.pdf&ei=SB5XTdnSAZCOvQO35NXIBA&usg=AFQjCNE6TjDVGM3fMLCZwHIBKelD-kPaxQ&sig2=gtxdJpOxJ6r_xzCiWYwU4Q
No.14312 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【どんがめ】 2011/02/13(Sun) 15:01
波音様,青木様
ご指導,ご助言,ありがとうございます。
青木様にご紹介いただいた,論文を早速読んでみました。
この論文は,すぐに歯が立つようなレベルではありませんので,この論文を手がかりに,もう少し,自分で分析を進めてみます。共分散構造分析による検証的因子分析による補完方法を中心に検討してみようと思います。
今回,社会人として,久しぶりに研究を行い,改めて,社会科学において,統計分析の常識がばらばらな感じを強く持ちました。これらの常識及びその常識に基 づく手順を確立して,統計の専門家でなくても,誤った理解がなされないことを推進していくことができないものかと思います(学問のためだけの学問にならな いように。)。
お忙しいであろう中,いろいろご配慮いただき,本当にありがとうございました。
No.14335 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【波音】 2011/02/17(Thu) 00:01
レスポンスに時間がかかってしまったので,既にご自身のなかで解決されているかもしれませんが。。。
> 直交回転だけでなく,斜交回転においても,因子負荷量が1を超えることはあり得ないということでしょうか?
そういうことになります。共通性だけでなく,因子負荷量が1を超えることも"あり得ない"ということです。また,少し話は違いますが,直交回転を施した場合(直交解)は因子負荷量の自乗和が共通性に一致しますが,社交解の場合はそのようになりませんので注意してください。
> 主成分分析,主因子法では,因子負荷量は1を下回ります
SPSSでは因子分析のオプションに「主成分分析」を指定することになっていますが,因子分析をするためにこのオプションにチェックを入れることは間違いです。これは主成分分析を行う際に使用するべきものです。
なお,解の推定法について(心理学系の論文など)ではそこまできちんと書く必要はないというか,書かれていないと思います。
No.14368 Re: 因子負荷量の1.00超えの扱い 【どんがめ】 2011/02/28(Mon) 09:57
波音様
ご助言いただいておりましたのに,気がつかず,コメントが遅れましたことをお許しください。
その後,いろいろ斜交因子分析の因子負荷量1超えについて,調べましたところ,このことについては,見解が分かれていることが分かりました。
斜交因子分析においては,不適解ではなく,因子負荷量が1を超えることがあり得るようです。
因子パターンは,偏回帰係数(標準偏回帰係数ではなく)ともいえますが,因子得点にかかる偏回帰係数ですので,重回帰分析の偏回帰係数と同じ論を適用することは,無理があるとの見解をいただきました。
今回はサンプル数も多く,最尤法・プロマックス回転による不適解を示すような点もないことから,この結果の分析は分析でそのままとし,検証的(確認的)因子分析を追加し,適合度を確認することで補足しようと思います。
お忙しい中,ご助言,本当にありがとうございました。
統計は分からないことばかりです。
また,助けていただくことがあると思います。どうぞ,今後とも,よろしくお願いいたします。
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