No.14181 主因子法と最尤法での結果に違いについて  【困っています】 2011/01/21(Fri) 18:00

いつも勉強させていただきありがとうございます。

私はRを用いて統計を行っているものです。

現在主因子法と最尤法での因子分析結果において,各因子構造は因子負荷量の絶対値はほぼ同じなのに,主因子法での因子分析だと一つの因子内の項目だけ全てに因子負荷量に負の値になるということが起きました。

同じデータを用いて,同じ3因子におけるバリマックス回転を実行したにもかかわらず,因子負荷量が一つの因子内のみ全て負の値になるということはあり得るのでしょうか?

ちなみに,逆転項目の処理はすでに行っており,意味的には最尤法の方が正しいです。しかし,これは既存の尺度なので既存の尺度の分析方法に合わせて主因子法を用いたところこのようになってしまいました。

早急にご回答いただけますと大変ありがたいです。

お手数をおかけいたしますが,何卒よろしくお願いします。

No.14182 Re: 主因子法と最尤法での結果に違いについて  【青木繁伸】 2011/01/21(Fri) 18:11

これもよく質問されますけど,因子内の因子負荷量の符号は相対的なもので,符号を反転させても違いはないのです。 例えば,保守-革新という因子があったとして,プラスなら保守マイナスなら革新と解釈されるものが,別の方法で分析してマイナスが保守,プラスが革新と なっても別にどうということはないでしょう。因子負荷量(固有ベクトル)の符号なんてそういうものなんです。
同じデータを別々の統計ソフト(因子 抽出法,因子数は同じ)で分析しても,絶対値は全く同じで符号が正反対(しかも特定の因子において)ということは良くあることです。同じソフトでもバー ジョンが違うと符号が変わるなんてこともあります。そんなことで驚く必要はありません。符号なんて,自分の都合の良い方向に付け替えても良いものなんで す。

No.14183  主因子法と最尤法での結果に違いについて  【困っています】 2011/01/21(Fri) 19:35

早速のご返信,本当にありがとうございます。

ご返信をいただいてから,因子負荷量の正・負について調べなおしていたのですが,それでもよく分かりませんでした。理解力がなく大変申し訳ございません。

符号を都合のよい方に付け替えてもよいという点について,恐縮ではございますが,再度質問させてください。

負の因子負荷量が見られたということは,意味的にその項目が「因子に対して負の相関がみられたといえる」のだと考えられ,因子に対してマイナスの意味を持つということだと思うのですが,
最尤法の結果では,プラスの因子負荷量となっているため,意味的に真逆になってしまうと思うのですが,その点はそれで良いのでしょうか。

負荷の値は同じでも意味的に異なることは,主因子法・最尤法と因子分析方法が異なることで変わることはよくあることとし,
主因子法の結果を採用するのであれば,意味的には因子に対して負の相関があるということで宜しいのでしょうか?

申し訳ございませんが,アドバイスのほどよろしくお願いいたします。

No.14184 Re: 主因子法と最尤法での結果に違いについて  【青木繁伸】 2011/01/21(Fri) 21:03

> 因子負荷量の正・負について調べなおしていたのですが,それでもよく分かりません

当たり前すぎて,解説している頁がない?
ソ フトウエアの中には,ある因子において正の因子負荷量が多くなるように表示の段階で符号を付け替えているものもあるとか。偶数の変数を使った分析で,正負 の因子負荷量が同数の時にはどうするんでしょうかね。因子負荷量の総和が正になるように符号を決めているとか。しかしまあ,そんな無駄なことをしても,そ のようなルールで符号を決めないソフトと一致するはずもないのだが。

それはさておき

因子負荷量というのは,元の変数と因子の相関を表すものということでしょう?
ある因子が保守と革新の対立関係を表すものとしましょう。
もし,ある変数が例えば,「しきたりは守るべきだ」であるとしましょう。
因子と変数の因子負荷量が正のとき因子が正のときには「保守」を表すと解釈するでしょう?
でもね,因子と変数の因子負荷量が負の時はどうしますか。因子負荷量が負の方向を「保守」とするでしょう。
要 するに,因子の意味は,因子負荷量の符号で決まるけど,因子負荷量が負であるから「負のイメージを持つ因子」,正であるから「正のイメージを持つ因子」な どとは決められないのです。単に,因子負荷量の符号が逆のものはその因子と逆の関係を持つというだけです。(当たり前すぎて,説明が難しい)。
因子と変数の相関が正相関か負相関かは因子負荷量の符号できめるのではないということですよ。相関関係が正しく成り立つように因子の意味づけと因子負荷量の符号を対応づけるだけなんです。因子負荷量の符号は「絶対的なものではない」ということです。

No.14185 主因子法と最尤法での結果に違いについて  【ありがとうございました】 2011/01/21(Fri) 21:15


因子負荷量の符号は「絶対的なものではない」という考えがなく,因子負荷量が正か負かで意味が決まるもの,決めなくてはいけないものだと考えていました。

・因子負荷量というのは,元の変数と因子の相関を表す
・因子負荷量の符号が逆のものはその因子と逆の関係を持つ
・因子と変数の相関が正相関か負相関かは因子負荷量の符号できめるのではない

ということを念頭に置き,因子の解釈を行います。

基礎的なことをお尋ねして申し訳ございませんでした。

ご丁寧な教示,アドバイスありがとうございました。

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