No.14158 差がないことを期待する統計学  【のだまち】 2011/01/16(Sun) 12:07

一般に統計検定では,2群の間に差があることを期待して,あるいは,ある要因が影響していることを期待し,しかし手順とし ては,「差がない(影響がない)」という帰無仮説を立て,それが棄却されることを期待して検定するものと思います。逆に,差がないことを期待して行う検定 というのもあるのでしょうか?具体的には,虫の集団を2群に分け(反復は4ずつ),10℃と20℃に7日間さらしても,互いに個体数が違わないことを示す 統計学的な根拠を示したいのです。7日後の個体数を通常のt検定にかけ,P値が0.05以上だったら「有意差無し」→「違いは無し!」として良いのでしょ うか? でも,違いがないことを積極的に示すのに,P=0.05では不十分なように思います。一方,等分散性のLevene検定などでは,ソフトによって はP>0.15以上→分散に違いはない,と表示するような物がありますが,0.15という値に根拠はあるのでしょうか?

どなたかご教示いただければ幸いです。

No.14161 Re: 差がないことを期待する統計学  【青木繁伸】 2011/01/16(Sun) 13:40

> P値が0.05以上だったら「有意差無し」→「違いは無し!」として良いのでしょうか?

よくないです。「違いがあるとは言えない」が検定の結論ですから。

> 等分散性のLevene検定などでは,ソフトによってはP>0.15以上→分散に違いはない,と表示するような物がありますが,0.15という値に根拠はあるのでしょうか?

根拠はないし,上述のように,そのようなソフトは不適切です。

> 差がないことを期待して行う検定というのもあるのでしょうか

同等性の検定という考え方があります。差がないと見なす値を母数として検定し,帰無仮説が棄却されなければ,「設定された程度の差があるとはいえない」とするものです。

No.14171 Re: 差がないことを期待する統計学  【のだまち】 2011/01/17(Mon) 10:50

青木先生

早速のご教示,アドバイス,ありがとうございます。非常に助かります。
同等性の検定について調べ,自分のデータに使えるか検討してみます。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 044 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る