1 2 3 4のようなクロス表で,AB2群の差を検討しようとしています。
A群 96 91 5 2
B群 28 78 15 3
1 2 3 4となっています。Fisherの直接法で
A群 70 97 18 10
B群 37 64 23 1
> x <- matrix(c(70,97,18,10,37,64,23,1), ncol=4, byrow=TRUE)となり,有意差が出るのですが,ここから「A群がB群に比べて1または4を選びやすい」という論をすすめることはできるでしょうか。
> fisher.test(x)
Fisher's Exact Test for Count Data
data: x
p-value = 0.01752
alternative hypothesis: two.sided
1 2 3 4となっています。
A群 112 68 13 2
B群 57 49 16 3
1 2 3 4
A群 106 70 13 4
B群 51 58 14 2
No.14143 Re: 順序のあるカテゴリデータの分析について 【青木繁伸】 2011/01/10(Mon) 20:47
> ヒストグラムで見て差があるように思える
お尋ねではないですが,ヒストグラムは間隔尺度以上の変数に適用するもので,順序尺度以下の変数では棒グラフ(バーグラフ)です。
> まず,ここまでの進め方で不備な点などご指摘願えると幸いです。
書かれている内容の限りにおいては,とくにはないと思います。
> 一方の群が他方に対し上位に位置するデータが多い(または下位が多い)場合には2群の差を検出できますが,上位と下位が同程度に多い(すなわち中位が少ない)ような場合には平均順位に差が出ず,2群に差がないことになってしまうと理解しています。
別にそのような U 字型分布のような特殊な状況でなくても,中央値に差がなければ平均順位に差がないということになります。
> A群がB群に比べて1または4を選びやすい傾向があるのではないかと思っているものが一つありまして,それをどう扱えばよいか考えています。
別に,挙げられたような度数分布の場合を特別扱いする必要はさらさらないように思いますが?
> Fisherの直接法で
順序尺度のデータ(分割表)で,Fisher の直説法を使う必要性はありません。というか,不適切です。
> ここから「A群がB群に比べて1または4を選びやすい」という論をすすめることはできるでしょうか。
できないでしょう。実際,挙げられたデータで,1 または 4 が選ばれやすいという状況はないですし。
> 順位和検定で有意になっているものはほとんどFisher法でも有意でしたが,2項目だけFisher法では有意にならないもの(P値が0.076と0.067)が出ています。
> 順位和検定とFisher法の両方の結果を示して考察すべきか,その場合はFisher法で有意にならない2項目をどう扱ったらよいか
検定方法が異なれば結果が違っても不思議ではないでしょう。とくに,その検定方法が適切かどうかということになれば,両方の結果を挙げるとか比較すること自体意味のないことですし。
No.14151 Re: 順序のあるカテゴリデータの分析について 【Kawaguchi】 2011/01/11(Tue) 18:35
ありがとうございます。
大変勉強になりました。やはりお尋ねしてよかったです。
>別に,挙げられたような度数分布の場合を特別扱いする必要はさらさらないように思いますが?
もしA群が,B群と比べて1や4を選ぶ人の割合が多いということがあれば,それも両群のもつ性質の違いとして考えておくのが良いかと思ったのです。
たとえば,1 2 3 4
A群 50 50 50 50
B群 30 70 70 30
のような集計表が得られたとしたら,この集計表に見えている特徴を統計を利用して抽出したい(中央値は同じだが分布の様相が異なる)ときにはどのような方法が考えられるのでしょうか。
No.14152 Re: 順序のあるカテゴリデータの分析について 【青木繁伸】 2011/01/11(Tue) 18:41
> 中央値は同じだが分布の様相が異なる
ということを検定したいのならば,分布の違いの検定(実質は独立性の検定=カイ二乗検定・フィッシャーの正確検定と同じ)か2標本コルモゴロフ・スミルノフ検定を用いればよいでしょう。
No.14409 Re: 順序のあるカテゴリデータの分析について 【Kawaguchi】 2011/03/03(Thu) 21:21
おかげさまで,無事アンケート報告をまとめることができました。
ありがとうございました。
御礼が遅くなり,失礼いたしました。
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