No.13766 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/16(Tue) 01:37

初めて質問させていただきます。
ある心理尺度の項目を一部reviseして,改訂版尺度を作成しました。原本は 10項目あり,5件法(「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」「どちらとも言えない」「どちらかと言えばそう思わない」「そう思わない」)で尋ねるも ので,2つの下位尺度にわかれることが知られています。今回は,項目のワーディングを修正し,項目数や5件法であることは変えずに調査を行いました。
信頼性(α算出,IT相関の検討等),妥当性(確証的因子分析等)の検討を行い,結果,原本と同じく2因子に分かれることが分かり,項目のワーディングを修正しても,それなりに使用可能な尺度であると結論付けました。

論文として投稿しましたが,査読では尺度の信頼性,妥当性検討の以前に,5件法の中間値「どちらとも言えない」は,『思う』とも『思わない』とも振り分けられないので,尺度得点の計算を単純足し算して行うのはおかしいとコメントされました。

たしかに,5件法等で尋ねてもそれを間隔尺度としてみなしてよいのか?という議論はあるのは承知です。
項目ごとの回答の分布は,ほぼ正規分布と考えてよいような分布をしています(ほとんどの項目で最頻値が3となっており,しかしながら3に回答が集中し過ぎているわけではない)。

「3.どちらとも言えない」と回答した者を除外して4件法として分析する(尺度として使用する)ものおかしいように思うので,
このまま5件法の心理尺度としていきたいと思っていますが,どのように回答するのがよい/どのように分析しなおすのがよい,と思われますでしょうか?
私としては,
『「どちらとも言えない」が含まれた5件法を間隔尺度として平均値や足し算をすることには様々な意見や議論があるが,
今回は,?原本の回答方法に従った,?心理尺度では,どちらとも言えないを含めた5件法を間隔尺度とすることが経験的に問題ないと言われている(文献は探せていませんが。。。),?各項目の分布をみても,こちらが意図したとおりの正規分布をとっている,という点から,
5件法をそのまま間隔尺度とみなして分析していくことに一定の意味があると考えている』
という旨の回答しようと思っています。

分析方法,あるいは査読への回答内容について,ご助言賜りたく存じます。
よろしくお願いします。

No.13767 Re: 心理尺度の回答  【青木繁伸】 2010/11/16(Tue) 09:38

査読者が「5件法の中間値「どちらとも言えない」は,『思う』とも『思わない』とも振り分けられないので」という のは,添付図Aのようなことをイメージしているのでしょうかねえ。「どれとも言えない」ならそういうこじつけもあるかも知れないが,普通は(回答者も)添 付図Bのように考えると思いますけど。要するに,回答が一次元(数直線上に表せる)か,二次元以上かということでしょう。対応分析(数量化III類)で選 択肢の次元を確かめると良いのかも。


No.13768 Re: 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/16(Tue) 12:05

返信ありがとうございます。

対応分析について少し教えていただければと思います。
SPSSでコレスポンデンス分析を行ってみました。
私の理解では,尺度項目10項目に対して,問1vs問2,問1vs問3。。。のように55通り行い,回答の散布図(バイプロットと呼ぶのでしょうか?)から,「3.どちらとも言えない」が外れた位置にないことを証明する,という手順だと考えております。
このような理解でよろしいのでしょうか。

また,とある文献では,このような散布図が『馬蹄形』であるほうがよりデータが線形であることを意味していると示しています。
馬蹄形様であれば,「1.そう思わない」〜「5.そう思う」までが,ある程度間隔尺度として見なすことも可能である根拠になるのではと考えました。

参考までに,問1と問2の散布図(SPSSの出力)を添付したかったのですが,うまくいきませんでした。
コメント上で,できるだけ問1と問2の散布図を再現しました。
1はそう思わない,5はそう思う,3はどちらとも言えない,です。
再度ご助言いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
l ●5
l △5
l
l ●1△1
l
l ●4
l △4
l ●3△3 △2●2
---------------------------

No.13769 Re: 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/16(Tue) 12:08

すみません,コメント上で作成した散布図がうまく反映できなかったようです。
見た目の判断ですが,問1の選択肢5と問2の選択肢5,,,問1の選択肢1と問2の選択肢1という組み合わせは,近い位置にプロットされており,それらの配置(1から5の分布)はほぼ馬蹄形を描いております。
よろしくお願いいたします。

No.13770 Re: 心理尺度の回答  【青木繁伸】 2010/11/16(Tue) 12:49

> 私の理解では,尺度項目10項目に対して,問1vs問2,問1vs問3。。。のように55通り行い,回答の散布図(バイプロットと呼ぶのでしょうか?)から,「3.どちらとも言えない」が外れた位置にないことを証明する,という手順だと考えております。
このような理解でよろしいのでしょうか。

対応分析は様々な種類の分割表を対象にします。あなたがやったのは二変数ずつ(しかも,片方はいつも同じ変数)ということですが,多重クロス表でやるとよいのではないでしょうか?(数量化III類に一致します)。

> とある文献では,このような散布図が『馬蹄形』であるほうがよりデータが線形であることを意味していると示しています。
馬蹄形様であれば,「1.そう思わない」〜「5.そう思う」までが,ある程度間隔尺度として見なすことも可能である根拠になるのではと考えました。

馬蹄形になるのは解析手法の欠陥で調整すべきと言う意見もあります。

>> 点の散布 形態が馬蹄のような形になるケースが多い。 この問題を馬蹄問題あるいはアーチ(arch) 問題と呼ぶ。DCAは,アーチ効果を除去する 対応分析の方法である。http://www1.doshisha.ac.jp/~mjin/R/0509_26.pdf

ま た,第1次元と第2次元の固有値の大きさを考察してください。#1368 の図でも,横軸は間隔尺度として扱って良いと言えても(4,5 の距離が近そう。また,△では4,5は逆転?),縦軸方向は間隔尺度とは言えませんよね(つまり,馬蹄形になるのは,第2次元は順序尺度でもないというこ とです)。そのような場合でも,第2次元の重要性が大きくなければ,第1次元をもって順序尺度として良いだろうということでしょう。

No.13771 Re: 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/16(Tue) 13:26

青木先生,ありがとうございます。

>対応分析は様々な種類の分割表を対象にします。あなたがやったのは二変数ずつ(しかも,片方はいつも同じ変数)ということですが,多重クロス表でやるとよいのではないでしょうか?(数量化III類に一致します)。

了解いたしました。ありがとうございます。

> また,第1次元と第2次元の固有値の大きさを考察してください。#1368 の図でも,横軸は間隔尺度として扱って良いと言えても(4,5 の距離が近そう。また,△では4,5は逆転?),縦軸方向は間隔尺度とは言えませんよね(つまり,馬蹄形になるのは,第2次元は順序尺度でもないというこ とです)。そのような場合でも,第2次元の重要性が大きくなければ,第1次元をもって順序尺度として良いだろうということでしょう。

問1と問2のみで行った場合の固有値を確認しました(とりあえず,数量化?類ではなく,主成分分析で)。
第1次元の方が,第2次元よりもはるかに大きいことが確認できましたが,この結果から,第1次元の方が重要性が高いと判断し,横軸(第一次元)での考察を行う,,,ということでよろしかったでしょうか。
※散布図に関しては,コメント上でうまく書けず混乱させてしまい申し訳ありません。

No.13772 Re: 心理尺度の回答  【青木繁伸】 2010/11/16(Tue) 13:40

> 問1と問2のみで行った場合の固有値を確認しました(とりあえず,数量化?類ではなく,主成分分析で)。第1次元の方が,第2次元よりもはるかに大きいこ とが確認できましたが,この結果から,第1次元の方が重要性が高いと判断し,横軸(第一次元)での考察を行う,,,ということでよろしかったでしょうか。

良くないと思います。主成分分析って,問1と問2のみでどうやって行ったんですか?意味が違うと思いますけどね。

No.13774 Re: 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/16(Tue) 19:52

内容をよく理解できておりませんでした。
素人の質問で申し訳ないのですが,第1次元,第2次元の固有値を見るというのは,
尺度項目10項目で算出した際の固有値ということになるのでしょうか?
(数量化III類が不勉強のため,主成分分析をイメージして質問させていただいております)
その固有値の値が,第1次元で(第2次元に比べて)大きければ,第1次元の並び方で考察していく,という感じでしょうか?

No.13775 Re: 心理尺度の回答  【青木繁伸】 2010/11/16(Tue) 21:25

50×50の多重集計表を対象にして対応分析をすればよいのです。たぶん,第1次元は各項目の5カテゴリーが順に 並んでいると思います。第1,第2固有値は表示されますので,それを解釈してください。第1次元の固有値の方がかなり大きいと言うことなら,どちらとも言 えないは中央にあると解釈しても無理はないでしょうと言うことです。第2次元はたぶん真ん中のカテゴリーに対する数値が大きく(小さく)両端のカテゴリー に対する数値が小さく(大きく)なっているでしょう。それはそのような意味を持つものと言うことですが,第1固有値より第2固有値がかなり小さければ,そ のような意味はあったとしても重要性は低いと言うことです。

No.13782 Re: 心理尺度の回答  【HM】 2010/11/18(Thu) 17:08

返信が遅れてしまい申し訳ありません。
ご助言どうもありがとうございました。
とにかく,数量化III類での分析を行ってみたいと思います。
ありがとうございました。

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