No.13328 κ係数の判断について  【おみじょ】 2010/08/27(Fri) 20:35

はじめまして。統計初心者です。

κ係数にはCohenとFleissの2種類あるということを先日初めて知りました。
そこで5人の対象者に10人の検査者で評価(2値型)を行ったときに,今まで用いてしまっていましたCohenではなく,Fleissの方法を用いました。
すると結果がCohenと大幅に異なり,Cohenで0.8〜0.9のものがFleissでは0(マイナスも含む)となりました。
Cohenは2×2に対応していて,Fleissはその拡大版だということなのですが,その場合,結果の解釈はCohenの方法と同じように
κ>0.61でSubstancial agreement,κ>0.81でAlmost perfectとなるのでしょうか。
Wikipediaからの引用になってしまうのですが,この判断基準が一定していないということも存じています。
そのため結果の解釈に困っております。ご指導いただけましたら幸いです。
宜しくお願いします。

No.13329 Re: κ係数の判断について  【青木繁伸】 2010/08/27(Fri) 23:40

「Cohenは2×2に対応していて」というのはちょっとおかしくて,「2人の評価者の一致性を見る」ということで,対応表はk×k(k≧2)ということでしょう。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kappa/kappa.html
また,Fleiss のもととなる論文は 1971 年のもののようですが,そのあと,Siegel らがさらなる吟味を加えたようで(わたしは原論文は見ていない)R のオンラインヘルプには,
Siegel, S. & Castellan, N.J.Jr. (1988) Nonparametric statistics for the behavioral sciences. Boston, MA: McGraw-Hill.
が 引用されている。そして,Fleiss のκとは呼ばず,Siegel のκと呼んでいる。Wikipedia の記述では,有意性検定については「ない」としているが,R では有意性検定結果も示される。また,Cohen のκは前述のように2人の評価者についての一致性を計算するとされているが,R では複数評価者の一致性の計算もできる。つまり,Cohen と Fleiss ともう一つ(計3種のκ)が計算されている。
以下のページも参照。
http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/~pteiki/research/stat/S/kappa/
現在出力形式がちょっとかわって,以下のようになっている。
Kappa test for nominally classified data
3 categories - 5 methods
kappa (Cohen) = 0.615991 , Z = 7.00802 , p = 1.20848e-12
kappa (Siegel) = 0.417892 , Z = 5.45333 , p = 2.4718e-08
kappa (2*PA-1) = 0.24
Wikipedia には,Fleiss のκの評価基準は,「助けになるどころか有害だ」とも書かれていますね。

No.13369 Re: κ係数の判断について  【おみじょ】 2010/09/05(Sun) 09:21

ありがとうございます。大変参考になりました。

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