No.13325 Re: 多母集団におけるパス係数の差の検定 【青木繁伸】 2010/08/26(Thu) 11:31
一般的に,ある統計量(a1, a2)とその標準誤差(s1, s2)のセットが2つあるとき,統計量の差を検定するのは abs(a1-a2) / sqrt(s1^2+s2^2) が漸近的に正規分布に従うことを用います。
常識的なもので(?)特にどの教科書に書いてあるというものでもないように思いません。
AMOS がそのように計算しているかどうかについて直接の確証はありませんが,AMOS の出力に基づいて計算してみると丸めの範囲内で一致していることが確かめられるでしょう。例えば,http://psy.isc.chubu.ac.jp/~oshiolab/teaching_folder/data_b/06/04.html の 2/3 位の位置にある「結果」の「係数」および「共分散」とその下にある「パラメータの一対比較」の表で計算してみればよいと思います。AMOS の検定統計量の符号の決め方がちょっと特殊だが,符号はどうでもよいので。> test <- function(a1, s1, a2, s2)
+ {
+ return(abs(a1-a2)/sqrt(s1^2+s2^2))
+ }
> # 係数 男と女の比較
> test(0.636, 0.125, 0.624, 0.143) # mp1, fp1
[1] 0.06318065
> test(0.334, 0.142, 0.173, 0.133) # mp2, fp2
[1] 0.8275147
> test(-0.352, 0.112, -0.059, 0.093) # mp3, fp3
[1] 2.012665
> # 共分散 男と女の比較
> test(0.259, 0.096, 0.213, 0.065) # mc1, fc1
[1] 0.3967729
> test(-0.003, 0.094, 0.223, 0.093) # mc2, fc2
[1] 1.709132
> test(-0.069, 0.108, 0.023, 0.080) # mc3, fc3
[1] 0.6845117
No.13326 Re: 多母集団におけるパス係数の差の検定 【Power】 2010/08/26(Thu) 13:10
青木先生,的確で迅速にご回答をいただき本当にありがとうございました。
実際に自分で検算してみてもAMOSの結果に一致しました。
//一般的に,ある統計量(a1, a2)とその標準誤差(s1, s2)のセットが2つあるとき,統計量の差を検定するのは abs(a1-a2) / sqrt(s1^2+s2^2) が漸近的に正規分布に従う//
という常識的な知識が欠落していたのですね。不勉強を反省したいと思います。そうすると検定統計量はやはりzとなりますね。
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