No.13309 Re: カイ二乗検定におけるボンフェローニ補正 【青木繁伸】 2010/08/24(Tue) 13:44
「ボンフェローニ補正の意義」
実際に行う検定が相互に意味的に関連があって,検定結果を 「○○,□□,▲▲は有意で,それ以外は有意ではなかった」というように述べる(一つの文章で述べるかどうかという形式上の問題ではなく)ときには,「検 定結果全体として誤っている(どれか一つでも誤っている)危険率をα(有意水準 α)とすると,行う検定の回数を k としたとき,それぞれの検定の有意水準を α/k で行う」ということです。
「画像異常のある群が有意に治療効果があり (P=0.02),しかし再発もしやすい(p=0.01)という結果」が,全体として危険率 αで正しいためには,検定の回数が2なので,それぞれの検定は有意水準 0.05/2=0.025 で判定するということです。結論としては,「ボンフェローニ法により,画像異常のある群が有意に治療効果があり,しかし再発もしやすいといえる」というこ とになるでしょう。
> ある疾病をある特徴に基づいて3群に分け,重症度(重症軽症)や治療効果のあるなしを比較した検定(3×2のクロス表)
の 場合には,三群のあらゆる二群の組合せは3通りあるので,それぞれ α/3 で検定することになりますが,重症度と治療効果について(また,それ以外についても)検定しているので,ここでも検定の多重性がありますが,重症度と治療 効果について別々に論述するというなら α/3 でよいでしょうけど,併せて論述するなら α/3/2 で検定しないといけないかも知れませんね。
検定の多重性は,どの範囲を検定対象にするかに依存するのです。
No.13310 Re: カイ二乗検定におけるボンフェローニ補正 【かと】 2010/08/24(Tue) 14:35
青木先生,早速有難うございました。
自分の理解はまったく方向性が違ったということが分かりました。
「検定の多重性」についての考え方がよくわかりました。
とてもすっきりしました。有難うございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
No.13311 Re: カイ二乗検定におけるボンフェローニ補正 【ひの】 2010/08/24(Tue) 14:52
>ある症候群Aについて,画像上のある異常がある群とない群において,治療効果ありなしおよび再発ありなしについて調査しました。
これは2×2×2の3次元分割表のデータになりますから,個別の検定の前に全体の検定をしたほうがよいと思います。例数が少ないということですから3次元に分割すると苦しいかな。
対数線形モデルという選択肢もありますね。
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