No.13281 Re: 統計,よくわからなくって 【波音】 2010/08/18(Wed) 16:30
単一事例法(シングルケースデザイン)でいうところのA-B-Aデザインのようなものでしょうか・・・ この手の データを統計学的に解析して何かを議論しようとするのは難しいかと思われます。簡単にいってしまえば「たった4人から得たデータから何を推定できようか」 というようなことです(^_^;)
> 最初の3日はコントロール群,その後は実施群,無実施群としてみました。この考え方でもありでしょうか。
私の理解が及ばないところで恐縮ですが,4人の被験者それぞれに対して「何もしない(3日間)」->「援助(3日間)」->「何もしない(3日間)」という条件下で経時的にデータを取ったのではないのですか?
[ベースライン期]->[介入期]->[フォローアップ期]ということなのではないかと思ったのですが・・・
> データ数は36とりましたが,これを統計分析するとすれば,方法としては同じ人に行った援助なので対応ありの3群の検定となるのでしょうか。
理屈としては確かに対応ありの場合の平均値の差の検定を行えばよいことになりますが,結局サンプルサイズとしては4(人)だけなのですから,t検定や分散分析を適用するのには無理があるでしょう。
先にも述べましたが,この手のデータについては折れ線グラフを描いて,その様子から何かを読み取る(解釈)するしかないように思えます。
No.13330 Re: 統計,よくわからなくって 【かたおか】 2010/08/30(Mon) 05:46
波音さん,返事が遅れて申し訳ありませんでした。
丁寧な回答をありがとうございます。ちなみに,同様の事を実施して,ケースを20〜30位に増やしてみた場合には,また違ってくるもののなのでしょうか。その際の検定方法を教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
No.13331 Re: 統計,よくわからなくって 【波音】 2010/08/30(Mon) 16:09
> 同様の事を実施して,ケースを20〜30位に増やしてみた場合には,また違ってくるもののなのでしょうか。
n=20〜30くらいなら心理学の分野でも普通に2群の平均値の差の検定(t検定)や分散分析を用いているでしょう。もっとも「適切なサンプルサイズは?」ということになると,パワーアナリシスを行うという方向へ話がいきますけども。。。
> その際の検定方法を教えていただければ幸いです。
一般的(?)には線形混合効果モデルを用いればよいでしょうが,もし私が推察しているようなA-B-Aデザインとなると,いくらケース数を増やしたところで線形混合モデルを上手く使えるとは思えません(^_^;)
安易に発言すべきことではありませんが,A-B-Aデザイン(ベースライン期・介入期・フォローアップ期)のそれぞれの期において,1人の被験者(実験協力者)から複数回データをとるという実験デザイン自体が統計学に当てはまりにくいものだと思うわけです。
No.13337 Re: 統計,よくわからなくって 【かたおか】 2010/08/30(Mon) 23:30
波音さん,ありがとうございました。それぞれの期で同一被験者から何度もデータをとるといった方法がいけない事,つまりは実験デザインそのものが良くなかったということなんでしょうね…。いろいろ,ためになりました。今後も色々教えてください。
No.13344 Re: 統計,よくわからなくって 【波音】 2010/08/31(Tue) 11:35
補足です。
> それぞれの期で同一被験者から何度もデータをとるといった方法がいけない・・・
一概に"いけない"ということではありません。それに今回のような実験デザインが好ましくないと断言することもできず,現に行動分析学研究(行動分析学会の刊行する雑誌)ではそういう実験デザインでデータがとられています。
ただ「これを統計学的に扱うとなると,どうしましょうか?」ということで,こればっかりは実際に得られたデータを(プロットするなりして)概観して,研究主体にあった分析をするしかないと思われるわけです。
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 043 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る