No.13120 分散分析と多重比較  【yoshi】 2010/07/22(Thu) 12:21

被験者7名が,A,B,C,Dという4条件で30分間の運動をし,採血を5分ごと計7回行ったとき,ある血液成分Pの濃度 に条件間で有意差があるかどうか,を見たいとします。条件が4水準で繰り返しあり,時間が7水準で繰り返しあり,という2-way ANOVAになると思います。さて,ここで,ANOVAをかけたところ,条件間には有意差がなく(P=0.2),時間には有意差があり(P< 0.0001),さらに交互作用にも有意差がありました(P<0.0001)。条件間の差を見たいので(グラフを見ると,Aが他の3条件に比べて明 らかに低値であるように見えるのです),やはりこの場合でも多重比較をしたいのですが,どのように多重比較をしたらいいのでしょうか? ANOVAでは条 件間に有意差が出ておりませんが,28水準の1-way ANOVAをかけ,有意差を確認してから,これでポストホックもかけ,条件間の比較を各時間ごとに行ってもいいのでしょうか? ご回答いただけると幸いで す。

No.13129 Re: 分散分析と多重比較  【波音】 2010/07/23(Fri) 08:33

あくまで個人的な意見の1つとしてですが,Bestな方法がなく,かつその分野で慣習的な方法が曖昧(断定されていない)ならば,最も手っ取り早く分かりやすい(それでいて特に文句がいわれなそうな)ボンフェローニ法を採用するのが良いのではないでしょうか。

例えば古典的な教科書である

森・吉田「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」北大路書房(2006) ←初版1990年のまま改訂なし

などには,交互作用が有意である場合に単純主効果の検定(と多重比較)を行うための手順が詳細に書かれていますが,この方法が現在でも"適切なもの"として受け入れられるべき方法なのか分かりませんし。。。

No.13130 Re: 分散分析と多重比較  【yoshi】 2010/07/23(Fri) 09:59

波音様,ご回答いただきありがとうございます。
ボンフェローには,28水準で行うのでしょうか?,それとも,各時間(7水準)ごとに4条件の多重比較を行う,ということでしょうか?

ご紹介いただいた本は探してみます。
ありがとうございました。

No.13136 Re: 分散分析と多重比較  【波音】 2010/07/23(Fri) 14:49

時間という要因に関心があるのであれば,例えば経過5分後vs経過10分後,経過5分後vs経過15分後という組み合わせについて関心があるのなら,時間と条件における水準の全ての組み合わせについて多重比較する必要はないかと思われます。

検定する帰無仮説の数が28個もあれば,ボンフェローニの補正をした場合に保守的とはもはやいえないほど"有意になりにくい"ということにもなりますし(^_^;)

No.13147 Re: 分散分析と多重比較  【yoshi】 2010/07/24(Sat) 11:17

波音様 ご回答いただきありがとうございました。そうしますと,どのようにボンフェローニをかけるかは,何を明ら かにしたいのかによる,すなわちある程度は解析者の自由にゆだねられる,と理解してもいいのでしょうか? ご紹介いただいた本もしっかり読んでみたいと思 います。ありがとうございました。

No.13152 Re: 分散分析と多重比較  【波音】 2010/07/24(Sat) 22:01

> ・・・と理解してもいいのでしょうか?

そうであると私は主張します。ただ,いかなる時でも全ての組み合わせについて(形式的・作業的に)対比較しないと納得しない(?)方もいらっしゃるかもしれません(^_^;)

No.13155 Re: 分散分析と多重比較  【yoshi】 2010/07/25(Sun) 14:03

波音様 ご回答いただきましてありがとうございました。ご紹介いただいた本も購入でき今読み進めているところで す。分散分析の下位検定の説明で,2要因間の1次交互作用が有意である場合は「単純主効果」の検定を行え,という記述があり,波音さんが言われているよう なことと一致する記載がありました。ありがとうございました。

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