No.13026 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 17:58

よろしくお願いいたします。

重回帰分析をAMOSで行いました。3つの説明変数と1つの従属変数です。

p値>0.05, GFI>0.95, CFI>0.95, RMSEA<0.05

ととても良いモデルです。

しかしすべての説明変数から従属変数へのパス係数が非有意となりました。

こういったことはあるのでしょうか(AMOSでそう出ているわけですから,あるのでしょうが....)?

多重共線性の問題もありませんでした。

よろしくお願いいたします。

No.13027 Re: 適合度とパス係数  【青木繁伸】 2010/07/10(Sat) 21:46

全体の適合度と,個々の変数の有意性,食い違ってもなんの不思議もないことです。
適合度ではないですが, 以下のような独立変数3つと従属変数の間の相関係数が全部 0.2 である,100 ケースからなるデータを重回帰分析して,全体としての回帰の分散分析(重相関係数の検定)では有意であっても,個々の独立変数の偏回帰係数の検定は全部有 意ではないなんてことは,ようするに「ざらにある」ことで,珍しいことではありません。そもそも,このデータにおいては,決定係数は 0.08571 に過ぎないのに,検定結果は p = 0.03437 になっているところが,そもそもおかしいのです。「一本の矢は折れても,三本の矢は折れない」ということか。。。
相関係数
y x1 x2 x3
y 1.0 0.2 0.2 0.2
x1 0.2 1.0 0.2 0.2
x2 0.2 0.2 1.0 0.2
x3 0.2 0.2 0.2 1.0

重回帰分析の結果
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) -1.269e-17 9.759e-02 -1.3e-16 1.000
x1 1.429e-01 1.010e-01 1.414 0.161
x2 1.429e-01 1.010e-01 1.414 0.161
x3 1.429e-01 1.010e-01 1.414 0.161

Residual standard error: 0.9759 on 96 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.08571, Adjusted R-squared: 0.05714
F-statistic: 3 on 3 and 96 DF, p-value: 0.03437

No.13028 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 22:04

青木先生

お返事いただき,ありがとうございます。

結局,私が得たモデルは,使い物にならないと言う解釈になるのでしょうか?

被験者数は29名,説明率は35%程度でした。適合度指標は上述の通りです。

ご指導のほどよろしくお願い致します。

No.13029 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 22:06

こういう質問はナンセンスかも知れないのですが,どうしても3説明変数のどれが影響を与えているかを知りたいのですが,なにか対処法はございますでしょうか?

よろしくお願い致します。

No.13030 Re: 適合度とパス係数  【青木繁伸】 2010/07/10(Sat) 22:08

> 説明率は35%程度

重回帰分析を AMOS で行うと言うことをやったことがないのですが,説明率 35% というのは,決定係数が 0.35 ということでしょうか?決定係数の評価はそれぞれの分野での判断にしたがうべきでしょうが,一般的には不十分なものでしょう。予測値と実測値の散布図を描 いてみると,どの程度使い物になるかが実感できると思います。

> どうしても3説明変数のどれが影響を与えているかを知りたいのですが

い ずれの説明変数についても偏回帰係数が 0 であるという帰無仮説は棄却できなかったのでしょうが,どれが従属変数に一番影響を与えているかは,標準化偏回帰係数の絶対値の大きさで評価できるでしょ う(まあ,偏回帰係数が 0 であるという帰無仮説が棄却できなかったので,そのような評価にどの程度の意味があるかは推して知るべしかも)。

No.13031 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 22:21

パス図を見ますと0.32となっております。数値が間違っていましたこと失礼致しました。

>どれが従属変数に一番影響を与えているかは,標準化偏回帰係数の絶対値の大きさで評価できるでしょう(まあ,偏回帰係数が 0 であるという帰無仮説が棄却できなかったので,そのような評価にどの程度の意味があるかは推して知るべしかも)。

3つのうち,研究で一番影響があって欲しいパス(標準偏回帰係数)が0.44でした。もちろん非有意です。

論文に書く場合は,偏回帰係数が0であることの帰無仮説を棄却できなかったが,標準偏回帰係数の値は0.44となり影響がありそうだ(あるかもしれない)....といったことを言っても差し支えないのでしょうか?

もうしわけありません,物わかりが悪くて....。

それから決定係数は一般的にはどの程度あれば納得してもらえるものでしょうか?もちろん分野によると言うのは理解していますが,専門家の方が,どのくらいの数値を基本にされているのかというお考えを知りたいのです。

申し訳ございません。よろしくお願い致します。

No.13032 Re: 適合度とパス係数  【青木繁伸】 2010/07/10(Sat) 22:26

> 3つのうち,研究で一番影響があって欲しいパス(標準偏回帰係数)が0.44でした。もちろん非有意です。

> 論文に書く場合は,偏回帰係数が0であることの帰無仮説を棄却できなかったが,標準偏回帰係数の値は0.44となり影響がありそうだ(あるかもしれない)....といったことを言っても差し支えないのでしょうか?

0.44 がどれくらい意味があることなのか,その分野,変数について実質を評価すべきでしょう。私には評価できません。

> それから決定係数は一般的にはどの程度あれば納得してもらえるものでしょうか?もちろん分野によると言うのは理解していますが,専門家の方が,どのくらいの数値を基本にされているのかというお考えを知りたいのです。

その分野の,そのテーマについての「専門家」でないとわかりません。私にはわかりません。

No.13033 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 22:32

お返事ありがとうございます。

実質科学に基づいて,係数の解釈をしたいと思います。

お忙しい中,お返事ありがとうございます。

No.13034 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 22:53

青木先生

申し訳ございません,大事なことをお伺いすることを忘れておりました。

Excel 統計でも重回帰分析をやってみました。3説明変数のままですと,これまで書かせていただいたような結果なのですが,変数増加法で行いますと,1つの変数だ けを入れたモデルだけが認められました。統計的にも有意でした。ただ,決定係数は0.21と低くなってしまいました。

単純な発想なのですが,こちらの結果を出すことに問題はありますでしょうか?つまり,3変数をすべて入れたモデルはよくなかったが,増加法で行ったら1変数しか組み込まれず,その変数が,目的変数に影響を与えていることが統計的にもわかった...といった具合です。

いかがでしょうか?

No.13035 Re: 適合度とパス係数  【青木繁伸】 2010/07/10(Sat) 23:07

> 変数増加法で行いますと,1つの変数だけを入れたモデルだけが認められました。統計的にも有意でした。ただ,決定係数は0.21と低くなってしまいました。

要するに,残った一つの独立変数だけが有意だったと言うことで,それでもなおかつ,決定係数は低かったと。

> その変数が,目的変数に影響を与えていることが統計的にもわかった

統計学の範囲では,正しいでしょう。

No.13036 Re: 適合度とパス係数  【ぽち】 2010/07/10(Sat) 23:10

青木先生

本当にありがとうございました。

すっきりと致しました。

いつもありがとうございます。

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