No.12662 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【リバーサイド】 2010/05/20(Thu) 18:40

はじめまして。
このたび,S-PLUSの購入を考えております。
そこで「R」と比べて優れている点をご教授願いたく投稿いたしました。

「R」は日々新しいパッケージが追加されており,容易に拡張することができるわけで,調べれば調べるほど「わざわざS-PLUSを購入することもないか」とも思っております(販社に怒られそうですが)。

皆様のご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

No.12663 Re: 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【波音】 2010/05/20(Thu) 23:03

例えばS-PLUSではグラフを作成する際に細かい設定(軸のスケールを変えたり,データポイントの色や形を変え たりなど)はGUIで操作できるので便利ですね。あるいはRでは誰もサポートしてくれないのに対して,S-PLUSならば数理システムの担当者に聞けばサ ポートが受けられる(かもしれない)というのも1つの利点としてあげられるかもしれません。

しかしそうはいっても,

> わざわざS-PLUSを購入することもないか

といわれると首を縦に振らざるおえませんが・・・

R とS-PLUSの両方を使える環境にある私が精一杯考えた末,結局は上述した2つのメリットしか搾り出せませんでした(^_^;) しかしそれでもS- PLUSが1つのプロダクトとして成り立っているということは,それだけGUIでの操作がユーザーに"うける"ということなのかもしれません。

No.12664 Re: 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【MaskedStat】 2010/05/21(Fri) 01:48

私はSAS:R:S-PLUSを5:3:2くらいの割合で用いています。
S-PLUSとRの比較ということですが,Rは日々すごい速度でアップデートがなされていて先駆的な解析やある専門領域に特化した解析についてもパッケージが存在することが大きな魅力です。
R の魅力はグラフがデフォルト設定でもかなりきれいであるところもあります。SASのグラフは作りこまないとExcelのレベルにも到達せず, annotate機能という高度な使い方をしないとR並みにはならず,美しさでは一線を画しています。しかしこの部分はS-PLUSにおいても同じです。 さらに波音さんが記載されているように,GUIでの描画ができることは非常なメリットです。
S-PLUSは統計解析においてもメニューからGUI で実行できます。これはRのように統計解析関数の引数をHELPや成書で調べてから実行するのと異なり,指定可能なオプションを視覚的にかつ網羅できる形 で確認してチェックボックスやプルダウンで指示するだけでよいという点も大きなメリットです。
また,エクスプローラーのような機能で今認識しているサーチパスや作成しているオブジェクトを確認できることも便利でしょう。
さらに商用ソフトとして一定の品質保証がされているとみなせるという点は,企業内で業務に用いるには重要なことです。業種によってはフリーソフトはそのソフトについての瑕疵の責任を負う主体が明確でないため,決定的な解析には用いることが難しかったりします。
ということで,S-PLUSのメリットは1)グラフ・統計解析についてのGUI機能など解析環境,2)有償ソフトとしての品質,にあると思います。
R を使い込むとS-PLUSとの1)の部分の差はどんどん縮まり,1)のメリットも少なくなると思います。しかし初心者を含めた導入の容易さや2)のような 品質面を考えると,R言語に慣れている場合はS-PLUSを購入しても十二分に使いこなせるでしょうから,S-PLUSの持つ商用ソフトとしての価値があ ると考えます。

No.12668 Re: 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【リバーサイド】 2010/05/21(Fri) 10:06

波音さん,MaskedStatさん,早速のコメント有難うございます。
実際に両ソフトを使用されておられる方のご意見大変参考になりました。
やはりGUIでの操作が可能なことが大きいようですね。

現在,学術分野でのRのシェア拡大はすさまじく,多変量解析の演習を有価ソフトからRに移行している大学があることや,ソースコードが完全に公開されていると言う透明性などから,Rの信頼性は非常に高いものであると認識しておりました。私自身の甘い認識かも知れません。

ちなみに民間(シンクタンクやコンサルなどの)業務におけるRの認知・使用状況はどのような感じなのでしょうか。やはり品質保証がネックとなっているのでしょうか。

度々申し訳ありませんが,引き続きご教授願えれば幸いです。

No.12679 Re: 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【MaskedStat】 2010/05/22(Sat) 01:20

リバーサイドさん

>現在,学術分野でのRのシェア拡大はすさまじく,多変量解析の演習を有価ソフトからRに移行している大学があることや,ソースコードが完全に公開されていると言う透明性などから,Rの信頼性は非常に高いものであると認識しておりました。私自身の甘い認識かも知れません。
甘い認識であるとは全く思いません。リバーサイドさんの言及されている信頼性は,学術的信頼性です。Rの現状を考える限り,多くの統計学者の参画とさらに多くのユーザーから評価を受けることは,Rの信頼性を高めているといえます。
私 が言及した信頼性とは,そのプログラムの中に仮に欠陥があったとしたときに社会的に責任をとれるような組織があるかどうかという点が,許認可がからむ業界 の解析では重視されるということです。よって社外に開示する公的な解析にはフリーソフトを用いることは困難であることが多いです。この考え方は私は好きで はありませんが,厳然と存在します。
なお,社外に公開することのない探索的な解析については遠慮なくRを用いています。

>ちなみに民間(シンクタンクやコンサルなどの)業務におけるRの認知・使用状況はどのような感じなのでしょうか。やはり品質保証がネックとなっているのでしょうか
わかりません。個人的にはこういう業務の場合,Rにしか実装されてない解析手法でより情報が得られると期待されるならば遠慮なく用いるべきと思います。おそらく,医薬品開発における統計解析よりは,ネックとみなされないのではと思います。

No.12682 Re: 統計ソフト:S-PLUSとRの比較  【リバーサイド】 2010/05/22(Sat) 14:39

MaskedStatさん
丁寧なコメント有難うございます。
MaskedStatさんの一口に民間といっても分野によってフリーソフトへの考え方が違うとのご指摘で,モヤモヤしていた点がクリアになりました。

お二方のご意見をうかがう中で,これまで「R」を使用してきた私にとって,S言語を用いていおり,かつ対外的な信頼性を担保できることは非常に大きなメリットであると感じました。

どうも有難うございました。

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