No.12618 生存期間のばらつき  【もり】 2010/05/13(Thu) 22:59

教えてください。
たとえば,胃がんと大腸がんのStage4の患者さんで,生存期間がよりばらついているのはどちらか?といったことを調べる際に,適切な統計処理はあるのでしょうか?
どの報告を見ても,比較的同じような生存期間の成績が報告されている癌腫と,結構ばらばらなものがあります。バイアスももちろん重要ですが,生物学的性質や治療への反応が比較的均一なものから非常にヘテロなものまであるように思います。
そこら辺を生存期間のばらつきを調べることで表現できないか?と考えています。

通常の数値の場合,分散などを求めるのでしょうが,生存の場合,打ち切り例がどう扱ってよいのか,わかりません。

非打ち切り例のみを拾い上げて,その数値から分散を求めて,分散の値の大きなほうが,ばらつきが大きいみたいに結論していいものなのでしょうか?

No.12620 Re: 生存期間のばらつき  【surg】 2010/05/14(Fri) 14:46

>非打ち切り例のみを拾い上げて,その数値から分散を求めて,分散の値の大きなほうが,ばらつきが大きいみたいに結論していいものなのでしょうか?

これは絶対にやってはいけません.打ち切り例のある場合は,必ず生存分析を行うべきです.

生 存分析には,パラメトリックな方法とセミパラメトリックな方法(Cox回帰)があります.よく使われているCox回帰では生存期間に特定の分布を仮定しな いため,観察期間を超えて生存期間の分布を推定することができません.したがって,全生存期間のばらつきは推定できないということになります.

生存期間のばらつきを求めるのが目的であれば,生存期間の分布に何らかの分布関数を仮定したパラメトリックな生存分析を行うべきでしょう.

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