No.12562 相関について  【MoMo】 2010/05/04(Tue) 15:13

対象をα,βの2群にわけてAという検査値とBという検査値の相関を検討しています(Pearson's correlation)。その結果,α群でのみ相関を認めました。A,Bともに2群間で有意な差はありませんが,A値はα群においてβ群よりも標準偏差 が大きいという結果が得られました。
このことはα群でのみAとBが相関したことの説明として合理的である可能性があるでしょうか?
よろしくご教授くださいませ。

No.12563 Re: 相関について  【青木繁伸】 2010/05/04(Tue) 20:54

サンプルサイズも関係すると思いますし,二群別の二変数の散布図を描いてみましたか?

> A,Bともに2群間で有意な差はありませんが

これは,平均値に有意な差はなかったということですね

> A値はα群においてβ群よりも標準偏差が大きいという結果が得られました

これは,有意に大きかったということですか?それとも大きかったという事実だけですか?

> α群でのみ相関を認めました
> α群でのみAとBが相関した

というのも,「有意な相関」というだけで,相関があったなかったという話ではないでしょうし。

> このことはα群でのみAとBが相関したことの説明として合理的である可能性があるでしょうか?

群 ごとに相関係数を計算するとき,それぞれの群のデータでは平均値も分散(標準偏差)も正規化されるので,ある群の平均値や標準偏差が大きかったり小さかっ たりしても相関係数の大小には無関係です。つまり,ある群の相関係数が有意だとか有意ではないというのは,各群の各変数の平均値や標準偏差には影響されま せん。相関の程度が違うということに尽きるでしょう。
> set.seed(11111)
> α <- t(t(gendat2(10, 0.5))*c(10, 20)+c(50, 80)) # 平均値と標準偏差が(50, 10), (80, 20) という二変数
> colMeans(α); sd(α); cor(α)
[1] 50 80 # 平均値ベクトル
[1] 10 20 # 標準偏差ベクトル
[,1] [,2]
[1,] 1.0 0.5 # 相関係数は 0.5
[2,] 0.5 1.0
> set.seed(11111)
> β <- t(t(gendat2(10, 0.5))*c(1, 2)+c(5, 8)) # 平均値と標準偏差が(5, 1), (8, 2) という二変数
> colMeans(β); sd(β); cor(β)
[1] 5 8 # 平均値ベクトル
[1] 1 2 # 標準偏差ベクトル
[,1] [,2]
[1,] 1.0 0.5 # 平均値も標準偏差も違うけど,相関係数は,同じく 0.5
[2,] 0.5 1.0
gendat2 は http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/index.html にある関数です。

No.12567 Re: 相関について  【MoMo】 2010/05/04(Tue) 23:18

青木先生ありがとうございます。GW中にもかかわらず迅速なご指導をいただいて恐れ入ります。

まず言葉足らずをお赦し下さい。
2群間で差がない,とは仰るとおり平均値の差です。
標準偏差がB群で大きかった,というのはただ大きかったということで有意かどうかは検定していません。

ご説明いただいたことはよくわかりました。私の解釈(推測?)は間違っていました。
私の示した結果を考察することは難しく,”相関の程度が違うに尽きる”ということなんですね。
どうもありがとうございました。

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