No.12361 研究デザインと指標(相対危険度、オッズ比)  【のの】 2010/04/02(Fri) 10:25

典型的なコホート研究,ケースコントロールスタディについては理解しているつもりです。そしてコホートの場合は相対危険度,症例対照研究の場合にはオッズ比を計算することも理解しています。その前提での質問です。

電子カルテを使っていて患者さんのデータが蓄積されています。
あるとき,このデータから後ろ向き研究をしようと考えました。

リサーチクエスチョンは禁煙指導は体重増加の危険因子かどうか?です。

対象は,初診時に喫煙をしていて,外来を初診から一年以上受診している患者さん全例です。禁煙指導は必ず初診時に行っています。初診時に禁煙指導をしなかった患者さんは,
外来の途中で禁煙指導をすることはありません。
この場合,禁煙指導を暴露と考えて,初診時の体重と初診から一年後の体重が増えた場合をケースと考えます。またほとんどの患者さんが初診から1年以上経過観察できています。

さて,この研究デザインは何と呼んだら良いのでしょうか?
症例対照研究と考えてオッズ比を使うのが良いのか,
コホート研究のように相対危険度を計算して良いのかお教え下さい。

No.12362 Re: 研究デザインと指標(相対危険度,オッズ比)  【surg】 2010/04/02(Fri) 11:24

>さて,この研究デザインは何と呼んだら良いのでしょうか?

この場合のデザインとして適切かどうかは置いといて,一般的には
・体重増加の有無で分けてオッズ比を計算するのであれば,症例対照研究
・禁煙指導の有無で分けて分析するのであれば,後ろ向きコホート研究
ということになります.

No.12363 Re: 研究デザインと指標(相対危険度,オッズ比)  【のの】 2010/04/02(Fri) 12:44

成程,よく分かりました。
症例のドロップアウトが少なければ,後ろ向きコホートとして相対危険度を見た方が一般的に言う研究のエビデンスレベルが高いということになりますか?
まぁ同じデータをどう扱うかということなのでエビデンスレベルは関係ないのかもしれませんが。
http://www.jmcnet.co.jp/ebms/ebm2.html

No.12364 Re: 研究デザインと指標(相対危険度,オッズ比)  【surg】 2010/04/02(Fri) 13:02

>症例のドロップアウトが少なければ,後ろ向きコホートとして相対危険度を見た方が一般的に言う研究のエビデンスレベルが高いということになりますか?

そう言ってもいいと思いますが,本質的な違いはもっと違うところにあると考えます.
症例対照研究では,禁煙指導のオッズ比程度しか得られないように思います.対して後ろ向きコホートであれば他の視点からの分析,たとえば禁煙指導開始時の体重の絶対値・喫煙量・年齢等の要因が体重減少量に与える影響などの分析も行うことが可能です.

No.12373 Re: 研究デザインと指標(相対危険度,オッズ比)  【のの】 2010/04/02(Fri) 18:49

surg様
何度もありがとうございました。
勉強になりました。

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