No.12330 コクラン・アーミテージ検定の解釈について  【YN】 2010/03/26(Fri) 22:43

いつも参考にさせていただき,勉強になっております。
コクラン・アーミテージ検定の解釈について質問いたします。
順序尺度(検査値の四分位による4群)間において,疾病の発症頻度の傾向検定を行うことを意図しました。
具体的には,
Quartile 陽性 例数
1    19  34
2     9  39
3    18  37
4     9  33
なるデータに上記検定を行ったところ,
要因     χ2値  自由度 有意確率
傾き      2.2651  1   0.1323
直線からの乖離 9.3622  2   0.0093*
合計(非一様性) 11.6273 3   0.0088*
との結果を得ました。「傾き」と「直線からの乖離」から考えて,私の教科書的な考えでは「合計」はP>0.05となると予想したのですが,違ってくるのでしょうか。
もしくは,検定手法の選択が間違っているのでしょうか。
また,いくつかの論文では,コクラン・アーミテージ検定の有意差を一つのP値のみで記載しているのですが,これは「合計」の有意確率のみを記載しているのでしょうか。
よろしくご教授願います。

No.12336 Re: コクラン・アーミテージ検定の解釈について  【青木繁伸】 2010/03/29(Mon) 11:42

> 私の教科書的な考えでは「合計」はP>0.05となると予想したのですが,違ってくるのでしょうか。

予想と理論は違うでしょう。
合計の所の P 値は,括弧書きにあるように「一様性の検定」ですよ(一様性の検定で非一様性を見ている)。
> prop.test(c(19,9,18,9), c(34,39,37,33))

4-sample test for equality of proportions without
continuity correction

data: c(19, 9, 18, 9) out of c(34, 39, 37, 33)
X-squared = 11.6273, df = 3, p-value = 0.008775
alternative hypothesis: two.sided
sample estimates:
prop 1 prop 2 prop 3 prop 4
0.5588235 0.2307692 0.4864865 0.2727273

> いくつかの論文では,コクラン・アーミテージ検定の有意差を一つのP値のみで記載しているのですが,これは「合計」の有意確率のみを記載しているのでしょうか。

傾きについての P 値でしょう。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/Cochran-Armitage.html
コクラン・アーミテージ検定を行う
R には prop.trend.test という関数として用意されている。
上に示した結果のうち,傾向検定の結果(Trend の項目)のみが得られる。

注:コクラン・アーミテージ検定のトレンドを表すカイ二乗値(CA)と
Linear-by-Linear 検定(Mantel の傾向検定)のカイ二乗値(M)には,全サンプルサイズを n としたとき,
M = CA*(n-1)/n の関係がある。
> prop.trend.test(c(19,9,18,9), c(34,39,37,33))

Chi-squared Test for Trend in Proportions

data: c(19, 9, 18, 9) out of c(34, 39, 37, 33) ,
using scores: 1 2 3 4
X-squared = 2.2651, df = 1, p-value = 0.1323

No.12337 Re: コクラン・アーミテージ検定の解釈について  【YN】 2010/03/29(Mon) 16:05

合計(非一様性)が,何を検定しているのかを理解いたしました。
すなわち,「傾き」<>0は有意ではなく,一定の増加ないし減少傾向を示すものではない。
しかし,当該サンプルの比率の分布は各群で一様でもない,ということですね。
(「Pearson」のカイ2乗検定と同義でしょうか)

いつも,勉強になっております。青木先生ありがとうございました。

No.12338 Re: コクラン・アーミテージ検定の解釈について  【青木繁伸】 2010/03/29(Mon) 20:56

> Pearson」のカイ2乗検定と同義でしょうか

その通り。質問するより,実際にやってみれば,すぐに結果がわかると思いますけど。
> chisq.test(matrix(c(19, 9, 18, 9, 15, 30, 19, 24), 4))

Pearson's Chi-squared test

data: matrix(c(19, 9, 18, 9, 15, 30, 19, 24), 4)
X-squared = 11.6273, df = 3, p-value = 0.008775

No.12349 Re: コクラン・アーミテージ検定の解釈について  【YN】 2010/03/30(Tue) 00:26

青木先生,重ねてありがとうございます。
いくつか検定してみたら,同じだったので<(「Pearson」のカイ2乗検定と同義
自信がなく疑問形にしてしまい,お手数おかけしました。
しかし,おかげさまで,検定が実際に何を計算しているのか学ぶ良い機会でした。
今後とも,よろしくお願いいたします。

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