No.12322 単変量解析における連続変数の取り扱い2 【JJK】 2010/03/26(Fri) 08:00
上記メールわかりにくかったと思い,再度考えてみました。
ご指導をいただければ幸いです。
私がわからないのは,以下の2点です。
1. ロジスティック回帰分析では,独立変数に連続変数も名義変数も扱えるが,有意になった変数は,連続変数であっても,以下のような表記をしていいのかどうか ということです。性別や遺伝子の有無といった名義変数で有意なものなら当然調整済みオッズ比を示すべきと思うのですが,年齢やBMIといった連続変数の オッズ比を示している論文はかなり少数である(しかしなくはない)感じがするものですから不安になっています。変数 回帰係数 f. P 調整済みオッズ比(95%CI)2.上記のような連続変数の場合,調整済みオッズ比は出てくるとしても,それらの粗オッズ比(単変量解析)はどのようにして算出するのかも理解できません。
Age 0.123 1 0.002 1.131(1.046-1.223)
BMI -0.160 1 0.021 0.852(0.744-0.977)
どうかよろしくお願い申し上げます。
No.12323 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【surg】 2010/03/26(Fri) 08:32
丸付き数字はNGです.
1. 連続変数Ageのオッズ比が1.131というのは,Ageが1増加するごとにオッズ比が1.131倍になる(Ageが1増加するごとに対数オッズ比が 0.123増加する)ということです(exp(0.123) = 1.131).つまりこのように連続変数をロジスティックモデルに組み込むということは,前提としてその変数と対数オッズ比が線形関係にあることを仮定し ているのです.年齢と死亡リスクのようにそのような関係が認められている場合はいいのですが,そのような関係が仮定できない場合には(情報量が失われるの を覚悟の上で)カテゴリー変数化するのが一般的です.
# 個人的には,連続変数のまま一般化加法モデル等を適用する方が望ましいと考えます.
2. 質問の意図がわかりません.多変量のロジスティック回帰の算出は理解できるが,単変量は理解できないということですか?
No.12324 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【JJK】 2010/03/26(Fri) 09:17
surgさん,いつもありがとうございます。
大変勉強になります。
丸付数字,気をつけます。
1.よくわかりました。
2.従属変数が,疾患あり,なしの名義変数であり,独立変数は連続変数である場合の,粗オッズ比を出すことは可能なのか,という質問内容でした。教えていただけると幸いです。
No.12325 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【surg】 2010/03/26(Fri) 10:16
もちろん可能です.前記した年齢と死亡リスクの関係が,まさにその場合です.
No.12326 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【JJK】 2010/03/26(Fri) 13:09
ありがとうございます。
初心者でまったく見当違いの質問かもしれませんが,ロジスティック回帰分析を単変量解析に用いてもよいのですか。
独立変数と対数オッズ比が線形関係にあるならば,独立変数(連続変数)を一つだけ入れて,ロジスティック回帰分析を用いる,そしてその結果でてきたオッズ比を「粗オッズ比」と呼ぶことが可能なのでしょうか。
No.12327 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【surg】 2010/03/26(Fri) 13:23
かまいません.
ちなみに疫学調査で使われることの多い Mantel-Haenszel検定は,ロジスティック回帰のスコア検定と同じものです.
No.12328 Re: 単変量解析における連続変数の取り扱い 【JJK】 2010/03/26(Fri) 18:01
surgさん,感謝申し上げます。
この1カ月悩んでいたことが,すっきりと解決できました。
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