No.12300 unmatchedの意味について  【Hara_da】 2010/03/21(Sun) 21:38

さるテキストで勉強していて,ケースコントロール研究を扱った節で,次のような一文があり,その解釈に困っています。
"Where similarity in the characteristics of the groups is the main concern the study is described as unmatched."

普通,ケースコントロール研究でunmatchedという場合には症例・対照間で関連変数(特性)を一致させるような操作を「行っていない」ということだ と理解しているのですが。そうなると上記の文は意味不明なように思われます。unmatchedとい用語には何か他にも定義があるのでしょうか。文の解釈 も含め,参考になることであれば何でも教えていただければ助かります。
宜しくお願いします。

No.12308 Re: unmatchedの意味について  【TY】 2010/03/23(Tue) 11:49

マッチしている時は背景因子 (characteristics) が似ていることは自明です。マッチしていないときに,原因だと思っている要因 (喫煙とか) 以外の背景因子が似ていないと,何が原因でケースになっているかはっきりしなくなるということではないでしょうか。すなわち,背景因子の違い (体重が多いとか) が着目している病気の原因かもしれない,ということになります。

No.12310 Re: unmatchedの意味について  【IO】 2010/03/23(Tue) 18:27

前後の文章も教えていただければ,もう少し意味がはっきりするかもしれませんね!

No.12313 Re: unmatchedの意味について  【Hara_da 】 2010/03/23(Tue) 21:28

TYさん 回答いただきありがとうございます。

>> 背景因子の違い (体重が多いとか) が着目している病気の原因かもしれない<<

つまり,マッチングされていない群間を比較し,共通部分を調べ,違っている特性値が見つかれば,それが疾病に強い関連性がありそうだ,という検索ですね(例えば,マッチングさせるべき変数がはっきりしない時など)。

IOさんもレスありがとうございます。
上記文の直前はケースコントロール研究の説明で,この文章の後はマッチングの説明で(どちらも長文過ぎて,抜き出しにくいもので),この文章は若干唐突な感じで記述されています。

この場を借りて,もう一つ教えていただきたいことがあります。

ケースコントロール研究でケース1人に対し,複数のコントロールを選定することがありますが,これには標本数(sample size)を増やすという効用もあるのでしょうか。
これについても,コメントいただければ幸いです。
よろしくお願いします。

No.12315 Re: unmatchedの意味について  【IO】 2010/03/24(Wed) 02:43

J M Bland, D G Altman
Statistics notes Matching
BMJ 1994 309 1128 (29 October)
に,

Some authors use matched to mean that the two groups are similar in the distribution of the matching variables, but not that there is individual matching of each case to his or her own control. Such studies should not be described as matched.
という記載がありました。

サンプリングあるいは割り付けのときに, マッチングという方法を利用するかしないかについて,マッチ,アンマッチという言葉を使うのが本来の意味。しかし,単に,2群間で背景因子が似ている,似 ていないということを記述するのに,マッチ,アンマッチという言葉を使われることがときどきあるがこれは不適切。
ということを言っているのだと思います(すごーく意訳しています。訳に納得できなければ,ぜひ,原文をお読み下さい〜。無料でダウンロード出来ます,短い解説記事の最後の部分です)。

もしこの意見に従うと,

Where similarity in the characteristics of the groups is the main concern the study is described as unmatched.
は,不適切な記載であるということではないでしょうか。(?)

つ まり,さるテキストでは,背景因子が似ていない(背景因子の類似性が問題になっている)場合,そのような研究はアンマッチであると記述されると書いていま すが,マッチングという手法を使っていないのに,背景因子の類似,相異を記載するのにマッチ,アンマッチという言葉を使うのは,不適切な用語の使い方であ るという意味です。

抜き出しにくければ,さるテキストのタイトルと該当ページをぜひ教えてください〜(興味あり。ぜひ,読んでみたいです)。

No.12318 Re: unmatchedの意味について  【Hara_da】 2010/03/25(Thu) 03:54

IOさん
文献を紹介していただき,ありがとうございました。
この文章から判断すると,非ペアマッチングとか言われている方法に対してはmatchedという用語は不適切なのでしょうか。
いずれにしても,大変参考になりました。

>>さるテキストのタイトルと該当ページをぜひ教えてください

教えて差し上げたいのは山々なのですが,何かの本からのコピーでして(〜 ですから,さるテキストなわけで),書名が不明なのです。機会があれば,コピーをくれた人に確認したいと思います。

ところで,できれば,標本数のことについても教えていただければ助かります。
比率の比較をする場合の症例数の計算式を見ると,対照/症例比を上げると,症例数が少なくてすみそうな印象なので,やはり標本数を増やすのに似た効果を持つのかなと思うのですが???

No.12319 Re: unmatchedの意味について  【青木繁伸】 2010/03/25(Thu) 10:54

> 症例数の計算式を見ると,対照/症例比を上げると,症例数が少なくてすみそうな印象なので,やはり標本数を増やすのに似た効果を持つのかなと思う

標本数ではなく,標本の大きさ(サンプルサイズ)ですね。
「似た効果」ではなく,「そのもの」でしょう。

ただし,対照例数を水増しするのではなく,症例数を増やすのが本筋。(症例数が限られているならしようがないが。それでも,有意になるまで対照数を増やすなんてことがまともな対処法でないのは明らかで,だとすると何倍まで許されるかとかグレーゾーンですね)

No.12320 Re: unmatchedの意味について  【Hara_da】 2010/03/26(Fri) 03:30

青木繁伸 先生
回答くださり,ありがとうございます。
なるほど,大変参考になりました。

ところで,サンプルサイズと標本数とうのは異なる概念なのですね。
以前,そのことが気になり,ネットでどのように使われているか確認したことがあったのですが,明らかにサンプルサイズのことを標本数としている例も見られたので,同じことを言っているものだと思って,納得しておりました。

恐れ入りますが,その点に関し,もう少し教えていただけないでしょうか。
お忙しいとは思いますが,宜しくお願いいたします。

No.12321 Re: unmatchedの意味について  【IO】 2010/03/26(Fri) 04:10

サンプル数とは何か?
http://www.jil.go.jp/column/bn/colum005.html

というサイトがなかなか参考になります。

No.12331 Re: unmatchedの意味について  【Hara_da】 2010/03/26(Fri) 23:57

IOさん,情報ありがとうございました。大変参考になりました。

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