No.12235 SPSSでの共分散分析の結果について  【さっこ】 2010/03/08(Mon) 20:35

SPSSでの共分散分析(反復測定)の結果の見方が分かりません。

因子Aの効果をみるための反復測定分散分析を行う際に,共変量Bを選択して共分散分析を行いました。
この場合,共変量の効果は「被験者内効果の検定」の表を見ればいいのでしょうか?
表内には因子A, 共変量B, 因子A*共変量Bの3項目がありますがどの有意確率が有意であれば共変量Bの効果が有意であると言えるのでしょうか?

「SPSSによる分散分析」という本を読んでみたのですが,反復測定の場合が載っていなくてよく分かりませんでした。

基本的な質問かもしれませんが大変困っています。
情報が不足していれば追加しますので,何卒よろしくお願いいたします。

No.12242 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【波音】 2010/03/09(Tue) 23:00

SPSSの出力については把握していませんが,まず第一に見るべきは交互作用項が有意であるかどうかです。交互作 用項が有意であるということは,カテゴリカル型の変数である因子Aの水準に依存して(水準それぞれによって)当てはめられる直線の傾きがことなるというこ とです。グラフでいえば,因子Aの水準の数の分だけ異なる切片と傾きをもった回帰直線が当てはめられていることになる。

因子Aと共変量Bが有意であるならば,因子Aの水準によって傾きは同じで切片のみが異なる直線が当てはめられる形(グラフ)になります。

因子Aのみ有意ならば,分散分析と同じ。共変量Bのみなら単回帰分析と同じ。

つまり,

> どの有意確率が有意であれば共変量Bの効果が有意であると言えるのでしょうか?

というのは,交互作用モデル,加法モデル,単回帰モデルのいずれかである場合にこのようにいえるでしょう。

Y = A + B + A:B (交互作用モデル)
Y = A + B (加法モデル)
Y = A (1要因の分散分析モデル)
Y = B (単回帰分析モデル)

No.12244 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【さっこ】 2010/03/11(Thu) 21:45

波音様
返信ありがとうございます。

当方,医学系の研究をしております。ある血中分子の時間経過(因子A)による有意な濃度変化はBMI(共変量B)の個人差による影響ではないことを確かめるために共分散分析を行いました。
以下の様な結果の解釈の仕方でよいのでしょうか。よろしければアドバイスお願いします。

「反 復測定分散分析で因子Aの主効果が有意であった。この効果が共変量Bの影響によるものではないことを確かめるために共変量Bの影響を取り除くため共分散分 析を行った。その結果,被験者内因子の因子Aの主効果が有意ではなくなった。よって,反復測定分散分析の有意差は因子AではなくBMIの個人差が影響して 出たものであったと考えられる。」

>交互作用モデル,加法モデル,単回帰モデルのいずれかである場合
上記の結果はこの3つのモデルのうちのいずれかにあてはまるということでしょうか。
因子A*共変量Bは有意ではなく,共変量Bも有意ではありませんでした。

No.12245 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【波音】 2010/03/11(Thu) 23:08

好ましい表現というのは慣例的にそれぞれの分野で決まっているでしょうが,結果の記述としては「Yを応答変数(従属変数,目的変数)とし,AとBを説明変数として共分散分析を行った結果,Aのみが有意であった。」と書けばシンプルで分かりやすいと思います。一般に

> よって,反復測定分散分析の有意差は因子AではなくBMIの個人差が影響して出たものであったと考えられる。

は結果の章ではなく,考察の章で述べるべき事項というこだわりが個人的にはあります(^_^;) それも投稿する先(査読者)の好みに左右されるので何ともいえませんが,,,(あくまでも個人的なこだわりです)

> 上記の結果はこの3つのモデルのうちのいずれかにあてはまるということでしょうか。

要するにAだけが有意であったということですよね。ということは,Aはカテゴリカル型の変数なわけですから Y = A という分散分析モデルが採択されたということです。つまり結論としては「Aの水準によって応答変数Yの平均値が異なる」ということを示しているのです。

時間経過(のある時点)で濃度の平均値が異なる,ということでしょう。

No.12249 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【さっこ】 2010/03/12(Fri) 14:08

波音様

ご返信ありがとうございます。

> 結果の記述としては「Yを応答変数(従属変数,目的変数)とし,AとBを説明変数とし
> て共分散分析を行った結果,Aのみが有意であった。」と書けばシンプルで分かりやす
> いと思います。

なるほど,Aのみが有意であったという解釈なのですね。
勘違いしていたようです。
共分散分析を行うと,Bの作用が有意であればBの影響でAの効果が有意ではなくなる,と思っていました。

頭がごちゃごちゃになっていましたがすっきりしました。
本当にありがとうございました。

No.12255 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【波音】 2010/03/12(Fri) 19:42

余談ですが

   http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4320056396.html

を読むと共分散分析(一般線形モデルでいうところの共分散分析モデル)についてより詳細な知識が得られますよ。安くはないですし,本の良し悪しには好みがありますから絶対におススメできるというわけではりませんが,とてもよい本です。

No.12278 Re: SPSSでの共分散分析の結果について  【さっこ】 2010/03/17(Wed) 18:29

波音様

レスしていただいているとは思っておらず,遅くなりましたが,本をご紹介いただきありがとうございました。
一般線形モデルについての本は,本屋さんではなかなか見かけなかったので,購入を検討したいと思います(安くはないですね。。)。

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