No.12090 複数群の経時的比較  【ねこ】 2010/02/17(Wed) 11:34

はじめまして,統計は全くの初心者です。
今回,今までやっていた実験報告をしなければならなくなり,かなり困っています。

コントロール群といくつかの試薬の群との薬物治療効果について,薬効の有意差を判定したいのです。

同条件下で発症したマウスを無作為に群分けし,1週間ごとに病巣の大きさを測定。
経時的に記録してグラフ化し報告しています。

スタート時の腫瘍経にばらつきがあるため,各群について平均値をとり,伸び率を比較するように指示されているのですが,それでは,統計学判定にならないと思うのです。

上からはJMP8.0を使うように指示されたものの,統計の基礎を学んだことがない私には,いきなり渡されてもさっぱりわかりません。
このような判定はどうすればよいのか,悩みに悩み,立ち往生してしまいました。

似たような文献を探ってみても,コントロール群と各群を1対1でt検定しているものがほとんどで,参考になりません。

このような場合,各群の平均値を表にして,各測定点に対しDunnettの検定をすればよいのでしょうか?
コントロール群との比較だけでなく,出来れば各群(濃度の違いなど)の同時判定,更には経時的な総合的な薬効を判定したいのです。

すみませんが,ご指導のほどお願い致します。

No.12092 Re: 複数群の経時的比較  【TY】 2010/02/17(Wed) 12:23

> スタート時の腫瘍経にばらつきがあるため,各群について平均値をとり,伸び率を比較するように指示されているのですが,それでは,統計学判定にならないと思うのです。

これがまず分かりません。伸び率の平均の群間比較は統計的な方法だと思いますが。

> 上からはJMP8.0を使うように指示されたものの,統計の基礎を学んだことがない私には,いきなり渡されてもさっぱりわかりません。
> このような判定はどうすればよいのか,悩みに悩み,立ち往生してしまいました。

使い方の指導もなしにソフトを渡すと言うのも信じられません。

> 似たような文献を探ってみても,コントロール群と各群を1対1でt検定しているものがほとんどで,参考になりません。

なぜ参考にならないと思うのでしょうか。まずは,既存の査読を受けて公表された論文の方法を適用しようと考えるのが普通ではないでしょうか。

もう一度参考にした文献に戻ることをお勧めします。「ほとんど」が輪切りのt検定ならば,ほとんどでない一部の文献はどのように解析していたのでしょうか。

なお,いきなり「多重比較」だの「混合効果モデル」だのを理解もしないで使用することは勧められませんが,日本語の本も出ているので,勉強してみてはいかがでしょうか。

永田・吉田「統計的多重比較法の基礎」サイエンティスト社
Verbeke, Molenberghs編/松山・山口 訳「医学統計のための線型混合モデル―SASによるアプローチ」サイエンティスト社
など。前者は買う価値ありです。
後者はSASの本ですが,数式も書かれているので,ある程度理論が分かると思います。SASユーザーでなければ買う必要はないですが,学校なり会社なりの図書室にあれば参考に読むといいと思います。

No.12093 Re: 複数群の経時的比較  【ねこ】 2010/02/17(Wed) 12:40

TYさん

ご指摘,ありがとうございます。

調べた文献においては,「各群についてt検定を施行し,有意差を得た」等の記述と経時的にプロットした棒グラフ(偏差つき)と,「Dunnnettの検定を施行した」という記述のみのものでした。

しかし,調べていけばいくほど「臨床家の人はt検定を使うが」と間違いを指摘するような表現を目にする機会が多かったので不安になった次第です。

一応,臨床解析の文献など購入して,調べてはみたのですが似たような例がなく,ではこの場合は何を使ったらよいのか?迷ってしまったんですね。

結果を早く報告しろとせかしてくる先生がいて,焦ってしまってました。
教えて頂いた参考書,今一度参考にして勉強してみます。

No.12101 Re: 複数群の経時的比較  【青木繁伸】 2010/02/17(Wed) 23:04

本来のスレッドの流れとは関係ありませんが JMP って,「筋が悪い」と思います。

因子分析で 共通性の反復推定をしない(もちろん,最尤法でもないわけで)とか,プロマックス回転をサポートしないとか(共通性の反復推定をしないと言うだけで,プロ マックス回転だけをサポートしてもらっても意味ないけど)。因子分析という項目がなくて主成分分析の中に含まれている(もっとも,共通性をSMCで推定し て,共通性の反復をしない主成分分析が因子分析だとしている段階で逝っているけど)。
ロジスティック回帰でのオッズ比の計算方法が特殊(というか,ひとりよがりというか)とか。
また,諸々の指定の仕方が独特で,直感的でない(慣れていないだけだろうと言われるかもしれないけど,一般の慣例に従っていないところが多い)。
よく分からない人(失礼)が使って結果だけが一人歩きすると怖いなあと思うのですけど?

No.12103 Re: 複数群の経時的比較  【taipapa】 2010/02/17(Wed) 23:35

横からすみません.
私も青木先生と同じ意見です.私の場合は,複雑な解析をやったわけではなく,たまたま 手に入ったJMPを少しいじっただけですが,あまりにユニーク(?)なユーザーインターフェースに,たかが,2群検定すらどうやったらよいか分からず,そ の時点で挫折しました.これだったら,Rの方がよっぽどわかりやすかったです.単なる個人的な感想です.JMP派の方の反論を期待します.

No.12107 Re: 複数群の経時的比較  【ねこ】 2010/02/18(Thu) 10:21

青木先生

ご指摘,ありがとうございます。

私も指導教官の先生が,これ買ったから使ってと言ってくれたものの,使いこなせずに困ってました。ライセンス取得しても,マニュアルは皆無し等しく,ヘルプを見ながら試行錯誤の状態の毎日。

しかしながら,あてがわれたものを無視するわけにもいかず,先生が(独断ではあるものの)わざわざ買ってくれたものですし,なんとか使えるようにならなければと焦っておりました。

基礎の本をみても,このような場合はどれを使ったらいいのか?でつまずいてしまって,すがる思いでご相談したのですが,もっと初歩的な部分に問題があったと反省しています。

No.12108 Re: 複数群の経時的比較  【ねこ】 2010/02/18(Thu) 10:30

taipapaさん

貴重な体験談,ありがとうございました。

やはりJMPは大変なんですね。わたしのような初心者には,かなりハードルが高いと認識致しました。

ここはあせらず,指導教官のせかしをかわしつつ,初歩的なものから勉強していきたいと思います。

No.12114 Re: 複数群の経時的比較  【青木繁伸】 2010/02/18(Thu) 15:00

> ライセンス取得しても,マニュアルは皆無し等しく
> ヘルプを見ながら試行錯誤の状態の毎日。

どのヘルプを見ているのですか?

「ヘ ルプ」-->「ドキュメンテーション」-->「JMPユーザーズガイド」で表示されるマニュアルは,538ページもある立派なマニュアルです よ。そのほかにも,「統計およびグラフ機能ガイド」は1225ページ,「実験計画法(DOE)ガイド」は273ページ,「スクリプト言語(JSL)リファ レンス」は711ページもありますよ。すべて PDF ファイルだからよいものの,こんなのが付いてきても,とても読み切れません。印刷する気も起きませんけど。

私は Mac 版ですけど,Windows 版だって,同じようなものでしょう。フォルダに入っているので,JMP からでなくても読んだり印刷したりできますよ。
「マニュアルは皆無に等しく」なんて言ったら,SAS からクレームが付きますよ。

No.12144 Re: 複数群の経時的比較  【ねこ】 2010/02/22(Mon) 08:49

青木先生

ヘルプフォルダの件,教えて頂きありがとうございます。

お恥ずかしい話ですが,そこにマニュアルがあるとは
まったく気がついておりませんでした。

先を焦りすぎていたようです。
原点に戻って頑張ります。

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