No.12077 underdispersion (過小分散?)  【taipapa】 2010/02/16(Tue) 00:11

いつもお世話になります.
152例の患者集団の治療結果についてlogisitic regressionで解析しています.Rのglmを用いているのですが,stepを用いたり,likelihood ratio testの結果をみながらマニュアルで変数を減らしたりして,最終モデルとして以下のような結果が得られました.
Deviance Residuals: 
Min 1Q Median 3Q Max
-2.0137 -0.5208 -0.3178 0.2005 2.5392

Coefficients:
Estimate Std. Error z value Pr(>|z|)
(Intercept) 4.2453 1.3114 3.237 0.00121 **
Contusionyes 1.2539 0.5685 2.206 0.02742 *
ASDHyes 1.3657 0.5462 2.500 0.01240 *
ICHyes 1.8784 0.7066 2.658 0.00786 **
IVHyes 2.6896 1.3469 1.997 0.04583 *
Anticoagulantyes 2.4268 0.9237 2.627 0.00861 **
GCS -0.5714 0.1097 -5.208 1.91e-07 ***
---
Signif. codes: 0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1

(Dispersion parameter for binomial family taken to be 1)

Null deviance: 196.58 on 151 degrees of freedom
Residual deviance: 101.13 on 145 degrees of freedom
AIC: 115.13
最後をみると,
residual deviance (残差逸脱度)/自由度 = 101.13/145 = 0.697
となっております.
overdispersionはよく聞くのですが,これはunderdispersionなんでしょうか?
それともこの程度ならよし,として良いのでしょうか?
また,もし,良くなければ,overdispersionの時のように,family=quasibinomialを試してみるべきなのでしょうか?

ご教示いただければ幸いです.

No.12078 Re: underdispersion (過小分散?)  【surg】 2010/02/16(Tue) 10:54

> overdispersionはよく聞くのですが,これはunderdispersionなんでしょうか?

そうです.

> それともこの程度ならよし,として良いのでしょうか?

underdispersionに配慮している研究は,少なくとも臨床の分野ではあまり見たことがありません.
# だからと言って,よしとしていいとは断言できませんが・・・

理想的には,一般化線形混合モデル等をあてはめるべきなんでしょうね.

> また,もし,良くなければ,overdispersionの時のように,family=quasibinomialを試してみるべきなのでしょうか?

quasi-モデルに関しては,以下のリンクのように「使うべきではない」という意見があることも一応理解しておいた方がいいでしょう.
# と言いつつ,便利なので私も時々使っていますが・・・ (^ ^;

http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/log/2005/kubolog20050722.html

No.12082 Re: underdispersion (過小分散?)  【taipapa】 2010/02/16(Tue) 22:23

surgさん,有り難う御座います.
やはり,underdispersionですよね.最近,何回か遭遇して気になっているのですが,どうしたものかと...
上記の久保先生のサイトには,
「観測データが overdispersion してるんなら混合モデルとか使いましょう. underdispersion なら …… うーむ, 何か複合確率分布を使ったモデル (つまりやはり 混合モデルのたぐい) を考えてみませう.」
とありましたが,これはもはや私の能力を遙かに超えています...(^^;;;
underdispersionに関しては,Farawayを見ても,あんまり書いてないんですよね.
とりあえず,quasibinomialも試してみて,考えてみます.って,それは安易な逃げ道だろ,と言うつっこみはご勘弁を...m(_0_)m

No.12086 Re: underdispersion (過小分散?)  【surg】 2010/02/17(Wed) 08:34

quasi-の定義からも明らかなように,最尤推定量自体はbinomialでもquasibinomialでも 変わりません.この場合はunderdispersionなので,quasibinomialモデルの方が信頼区間が狭くなるだけです.ですので,解析結 果にはほとんど影響しないと思います.

No.12098 Re: underdispersion (過小分散?)  【taipapa】 2010/02/17(Wed) 22:43

surgさん,何度も有り難う御座います.
仰るとおりです.
> confint(binomial使ったモデル)

2.5 % 97.5 %
(Intercept) 1.9472957 7.1695209
Contusionyes 0.1747491 2.4334926
ASDHyes 0.3323342 2.4976070
ICHyes 0.5159948 3.3148232
IVHyes 0.3106605 5.9509219
Anticoagulantyes 0.6788262 4.3916546
GCS -0.8186775 -0.3826689
> confint(quasibinomial使ったモデル)

2.5 % 97.5 %
(Intercept) 2.0407376 7.0217022
Contusionyes 0.2222896 2.3770073
ASDHyes 0.3776301 2.4435898
ICHyes 0.5768310 3.2475200
IVHyes 0.4120430 5.7649493
Anticoagulantyes 0.7564977 4.2947983
GCS -0.8060638 -0.3901516
少し,信頼区間が狭くなってます.
また,
Null deviance: 196.58  on 151  degrees of freedom
Residual deviance: 101.13 on 145 degrees of freedom
となって,
residual deviance (残差逸脱度)/自由度 = 101.13/145 = 0.697
で全く同じunderdispersionとなりました...(^^;;;

No.12100 Re: underdispersion (過小分散?)  【青木繁伸】 2010/02/17(Wed) 22:55

見やすい投稿をするために,<pre>〜</pre>タグは利用可能にしています。

No.12102 Re: underdispersion (過小分散?)  【taipapa】 2010/02/17(Wed) 23:06

青木先生,ご指摘有り難う御座います.
見苦しかったので,何とか修正しようと苦闘してました.
少しはましになりましたでしょうか?

No.12105 Re: underdispersion (過小分散?)  【surg】 2010/02/18(Thu) 05:01

> で全く同じunderdispersionとなりました...(^^;;;

quasi-モデルにしたからといって,devianceや自由度が変わるわけではありません。quasi-モデルの目的はβの信頼区間の推定やβ=0の検定を改善することであり,それ以上の効果はありません。

No.12118 Re: underdispersion (過小分散?)  【taipapa】 2010/02/18(Thu) 18:15

surgさん,仰る通りで,その改善も,大幅なものではありません.(そりゃそうなんでしょうが).御陰さまで,不勉強な私でも,「くうぇーざい」に関する理解が多少深まりました.有り難うございました.

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