No.11839 Re: 重回帰分析結果の解釈 【青木繁伸】 2010/01/26(Tue) 13:45
> Aに対する移流の影響がおよそ6割,地元の影響が4割といった解釈が成り立つか
なりたちません。
標準偏回帰係数の定義(説明)は,「他の変数が一定であるとき,その変数が 1 標準偏差増加したときに従属変数が何標準偏差分増加するかということ」ですから,
> BおよびCの標準偏回帰係数はそれぞれ0.57,0.41となり,ここからAに対する移流の影響がおよそ6割,地元の影響が4割
ということは意味していません,
なお,決定係数がどの程度でなければ満足できるモデルかどうかは,分野によって異なるので,一概に基準を設定することはできません。
No.11841 Re: 重回帰分析結果の解釈 【めむ】 2010/01/26(Tue) 14:25
早速のご返答ありがとうございます。
やはり標準偏回帰係数からその影響を定量的に判断することは無理でしたか。
先生のHPや統計の本によると,標準偏回帰係数は目的変数と説明変数の関係の強さ,あるいは説明変数が目的変数にどの程度寄与しているかを示すとあります。これは,あくまで定性的なもの,という解釈でよろしいでしょうか。
そうしますと,逆に定性的な判断ならば可能と考えて,BとCの標準偏回帰係数はBが大きいので,Aに関してはBの影響が大きいようだ。この程度の考察をすることは間違いにはなりませんでしょうか?
No.11842 Re: 重回帰分析結果の解釈 【青木繁伸】 2010/01/26(Tue) 14:36
「あくまで定性的なもの」とまではいわなくてもよいでしょう。どちらの影響が強いかは単相関係数を比較するだけで いえますが,他の変数の影響を差し引いて偏回帰係数で考えた場合に単相関係数からの知見とは一致しないこともあるでしょう。また,標準偏回帰係数でもどち らが強いかはいえますが,それはあくまで「他の変数が一定であるとき」という条件がつくのでこの場合もモデルにどのような変数が組み込まれるかによって変 わることもあるでしょう。
参考までに,以下を補足しておきます(解ではありません)。
決定係数は,複数の独立変数をまとめて従属 変数を説明する割合です。では,A だけからなる重回帰モデルの決定係数と,A に B を加えた重回帰モデルの決定係数を比較すれば,その増分は B が新たに従属変数を説明する割合になるでしょう。しかし,これは最終的な解にはならないのです。A, B の順に加えるときと B, A の順に加えるときの決定係数およびその増分を比較すると,一致しないことがわかります。最初に加えた独立変数の説明率の方が常に大きくなるのです。
No.11844 Re: 重回帰分析結果の解釈 【めむ】 2010/01/26(Tue) 15:28
たびたびありがとうございました。
論文の最も重要な結論を構成する部分の解析であったので,定量 的なところまで述べたら書き過ぎになるところでした。質問して良かったです。それでも,どうやら移流の影響の方が大きそうだということは言えそうなので, 大幅な修正(場合によっては投稿中止)はしなくてすみそうです。
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