No.11801 標本サイズと過誤  【白方】 2010/01/24(Sun) 08:30

久しぶりの書き込みになります。
現在ある一症例の知能検査IQを1期(介入なし),2期(介入あり),3期(介入 中断)に分けて観測し,介入の有無でIQが向上したかを検証しています。標本サイズは1期が4,2期が6,3期が5です。Steel-Dwass法を用い 差の検定をおこない,結果は期待していた2期と1期,3期の間で有意差を認めました。つまり介入の効果があったといいたいところなのですが,ここで気に なったのが,標本サイズの小ささです。標本サイズが小さいことによって第2種の過誤が生じうることは聞いたことがあるのですが,第1種の過誤が生じる可能 性はあるのでしょうか。ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いします。

No.11802 Re: 標本サイズと過誤  【青木繁伸】 2010/01/24(Sun) 09:37

「一例」の繰り返し測定ですね。このようなデータは検定の対象にならないと思います。なにかが言えても,その一例だけのことですし。

No.11803 Re: 標本サイズと過誤  【白方】 2010/01/24(Sun) 10:30

 早速ご回答いただきありがとうございました。「検定の対象にならない」とは一例では標準化できないということでしょうか?こういった一例の繰り返し測定で得られた効果を,一般化できないことを前提に検定にかけることはできないのですね。勉強になりました。
 では,たとえば介入A群5例,介入B群6例,介入C群5例の差の検定ついて,差があったとしても各標本座サイズの少なさによって第1種の過誤が生じる可能ではありますでしょうか?教示お願いします。

No.11805 Re: 標本サイズと過誤  【青木繁伸】 2010/01/24(Sun) 11:39

> 差があったとしても各標本座サイズの少なさによって第1種の過誤が生じる

定義から考えて,そのようなことはないでしょう。第一種の過誤とは,「帰無仮説が正しい(例えば差がない)のに,帰無仮説を棄却する(差があるとする)誤り」ですから。「差があったとしても」という段階で,論理展開に誤りがあります。

No.11818 Re: 標本サイズと過誤  【白方】 2010/01/25(Mon) 08:08

それでは,前問の場合(A群5例,B群6例,C群5例の差の検定)kruskal wallis検定もしくは一元配置分散分析で帰無仮説が棄却され,その後の多重比較検定で差を認めた群間には有意差があった解釈してもよろしいのでしょう か?また,比較する多標本の内ひとつでも標本サイズが極端に小さい場合,どの程度の標本サイズまでなら検定の使用が許容できるのでしょうか?

No.11819 Re: 標本サイズと過誤  【青木繁伸】 2010/01/25(Mon) 09:09

> 前問の場合...帰無仮説が棄却され,その後の多重比較検定で差を認めた群間には有意差があった解釈してもよろしいのでしょうか

そのデータは検定にはふさわしくないと申し上げております。

> どの程度の標本サイズまでなら検定の使用が許容できるのでしょうか

計算上問題がないなら,どんなにサンプルサイズが小さくても,検定は出来ます。
「検定の使用が許容できる」ということを判断する一般的な基準というのはないと思います。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 043 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る