No.11733 ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/01/18(Mon) 10:23

ロジスティック回帰分析の方法で確認です
いつもお世話になっております。
医療専門職の離職意向(1:離職希望はない,2:その専門職はやめたくないが現職場を辞めたい,3:その専門職自体を辞めたい,)の3水準のデータがあります。この離職意向を従属変数とし,離職意向の要因を分析したいのです。
独立変数は6項目で上長との関係や業務上のストレスなどを考えています。
独立変数は同じ項目で,従属変数を,1と2の有無(転職場を希望)でまず分析し,それとは別に2と3の有無(その専門職業自体からの離職希望)で分析しすることは問題ないでしょうか。
StatView を使用しており,マニュアルには,従属変数が3水準でも分析が可能とあり,(1:離職希望はない,2:その専門職はやめたくないが現職場を辞めたい,3: その専門職自体を辞めたい,)の3水準を従属変数とし,1と2,2と3の事象の有無について要因を論じたほうがいいのでしょうか。
ご教示お願いいたします。

No.11734 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/01/18(Mon) 10:26

従属変数3水準で分析した方がよいと思います

No.11759 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/01/20(Wed) 12:27

いつもご教示ありがとうございます。
従属変数を3水準で行いました。
例数60,欠測定値6,R二乗0.296でした。
モデル全体の当てはめ表で,
     自由度  カイ2乗  p値
Pearson  104   93.988   0.7490
Deviance  104   70.931   0.9946
尤度比   14   29.886   0.0079

となりました。
この結果から,モデルの適合度は良好と考えよろしかったでしょうか。

独立変数は,全部で7(以下独立変数1〜7)種類を用いました。
従属変数1と2の有無を転職場意向と定義し,2と3の有無を転職意向と定義し,各意向に影響している独立変数は何々という論理展開を考えています。

独立変数が有意(係数のp値から)か否かにより,転職意向に影響する独立変数は何々,転職場意向に影響する独立変数は何々という結論考察を考えております。

転職場意向では,唯一独立変数1の係数のp値が0.079で,転職意向にはそのような独立変数はありませんでした。

ロジスティック尤度比検定表から,独立変数2が,自由度2 カイ二乗6.154,p値0.0461でした。

この結果から,転職場意向には,独立変数1が影響している。独立変数2は,モデル全体:転職場意向と転職意向(両方に?)影響しているという結論は問題ないでしょうか。

従属変数が3水準のですので,水準1と2,水準2と3の事象発生に対する,上記独立変数1〜2が持つ意味をどのように解釈すればいいのでしょうか。

ま た,私の仮説では,この独立変数は外せないと考えている独立変数の係数のp値が大きく,このような独立変数を除いてみると,モデルの適合度は良好なまま, 独立変数の係数のp値が有意な複数の独立変数(投入した独立変数がすべて有意ではないですが)の結果が出るのですが,このような探索的操作は特に問題ない のでしょうか。
質問の内容が回りくどい表現で恐縮です。
ご教示くださいますと幸いです。

No.11768 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【surg】 2010/01/21(Thu) 13:01

>この結果から,モデルの適合度は良好と考えよろしかったでしょうか。

厳密に言えば「 No 」です.これで言えるのは,「モデルの適合度が悪い」という仮説が棄却されたというだけです.デビアンスや Pearson 残差自体が自由度にほぼ等しければ,より積極的に適合度がほぼ良いと言ってもいいと考えられます.このあたりのことは,「丹後,山岡,高木:ロジスティッ ク回帰分析(朝倉書店)」の188ページあたりをご覧になるとよろしいかと.

それ以下に書かれていることは,良く理解できませんでした.普通に AIC を使ったモデル選択をしたあとに,それぞれの変数の解釈をしてはいかがでしょうか.

No.11796 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/01/23(Sat) 16:51

surg さんresありがとうございます,
当方の使用しているソフトにはAICに関する設定がないのです.「丹後ら:ロジスティック回帰分析」のモデルの適合度の部分を読んでみます.
なお,やはり従属変数の3水準のデータについて,水準1と2,水準2と3を別々にロジスティック回帰分析を行うのはよろしくないのでしょうか.この方法だと,モデルの適合度とモデル(変数)の有意性でよい結果が得られるのですが,

No.11797 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【surg】 2010/01/23(Sat) 17:22

>当方の使用しているソフトにはAICに関する設定がないのです.

モデルに対する最大対数尤度は出力されていませんか?
モデルの最大対数尤度と自由度がわかっていれば,AICは簡単に計算できます.

>なお,やはり従属変数の3水準のデータについて,水準1と2,水準2と3を別々にロジスティック回帰分析を行うのはよろしくないのでしょうか.

よろしくありません.そのような論文を投稿しても,統計学的にまともな査読を行っている学術誌であれば,rejectされるでしょう.

No.11799 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/01/23(Sat) 19:42

> やはり従属変数の3水準のデータについて,水準1と2,水準2と3を別々にロジスティック回帰分析を行うのはよろしくないのでしょうか.

解 明しようとしているのが,「離職意向を従属変数とし,離職意向の要因を分析したい」ということなのですから,それを分解して「水準1と2,水準2と3を別 々にロジスティック回帰分析を行う」のは,その意図に反していると言うことですよ。たとえ,最初から「水準1と2,水準2と3を別々に分析したい」という ことであったとしても,「なぜ別々に分析するのですか」というクレームがでるでしょう。

No.11808 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/01/24(Sun) 16:07

resいただいた皆様ありがとうございます.何度も恐縮です.マニュアルに,従属変数が3水準以上の場合,このソ フトでは順序性の情報は利用できないとありました.自分の中でも整理できていなかったと思うのですが,質問紙作成の際,離職意向の3水準に無意識に順序性 (抱える問題の多さ)を求めていたのではないかと考えてみました.水準1は離職意向がなく,対患者さんや職場の上長・同僚との関係も良好な群,水準2は職 場を代わりたいがその専門職は続けたいと考えており対患者さんとの関係は良好だが上長・同僚との関係に問題を抱えている群,水準3はその専門職自体を辞め たい意向で対象患者さんや職場の上長・同僚との関係にも問題を抱えている群という仮説です.この場合,多重(複数の独立変数)-多項(3水準以上の従属変 数)ロジスティック回帰分析でよろしいのでしょうか.マニュアルを読みながら独立変数1つと3水準の従属変数のモデルで,独立変数を替えながら分析をして いますが,この方法で結果を論じるのは問題ありますでしょうか.ご教示くださいますと幸いです.

No.11809 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/01/24(Sun) 18:52

従属変数の3つのカテゴリーの順序は仮定するのが難しいと思いますので,多項ロジスティック分析でよいのではないかと思います。

No.12044 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/02/13(Sat) 10:48

何度も恐縮です.離職意向の三水準を従属変数として多項ロジスティック回帰分析を行いました.独立変数を四つ(a,b,c,d)投入した結果が以下のとおりです.
ロジスティック回帰概要
例数 61
欠測値 5
応答水準 3
あてはめたパラメータ数 10
対数尤度 -39.219
対数尤度(切片を含む)-50.219
R二乗 0.228

モデルの係数表
      係数  標準誤差 係数/標準誤差 カイ二乗  p値    R    Exp(係数) 95%下限 95%上限
群2:定数  1.828  2.457  0.744     0.554  0.4568  0.000  6.223    0.050  768.133
独立変数a  0.338  0.201  1.683     2.833  0.0923  0.091  1.402   0.946  2.079
独立変数b -0.168  0.186  -0.900    0.811  0.3679   0.000   0.846    0.587  1.218 
独立変数c -0.511  0.265  -1.925    3.705  0.0524  -0.130  0.600   0.357 1.009
独立変数d -5.523  0.317  -1.651    2.726  0.0988  -0.085  0.593   0.318 1.103

群3:定数 -2.708  2.080  -1.302     1.696  0.1928  0.000  0.067   0.001 3.929  
独立変数a  0.197  0.126  1.570     2.464  0.1165   0.068  1.218   0.952 1.559 
独立変数b  0.048  0.120  0.403     0.162  0.6873   0.000  1.049   0.830 1.327
独立変数c  0.028  0.187  0.151     0.023  0.8804   0.000  1.029   0.712 1.485 
独立変数d -0.370  0.240  -1.544     2.385  0.1225  -0.062  0.690  0.431 1.105
この結果から,独立変数aとcとdは,離職意向のうち群2;転職場意向に影響があるという解釈可能でしょうか

No.12045 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/02/13(Sat) 11:23

> 独立変数aとcとdは,離職意向のうち群2;転職場意向に影響があるという解釈可能でしょうか

P値からみると,いずれも有意水準を5%としたときには,有意なものではないと判断されると思います(有意水準を10%として,有意傾向であるという風に逃げるのはあまり良くないと思います)。

No.12049 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/02/13(Sat) 18:28

ご対応ありがとうございます.次から次に恐縮です.独立変数をa,b,c,dをそれぞれひとずつ分析した結果が以下のとおりです.

ロジスティック回帰概要
例数 63
欠測値 3
応答水準 3
あてはめたパラメータ数 4
対数尤度 -47.827
対数尤度(切片を含む)-51.589
R二乗 0.073

モデルの係数表
      係数  標準誤差 係数/標準誤差 カイ二乗 p値    R    Exp(係数) 95%下限 95%上限
群2:定数 -3.006 1.377  -2.183  4.764  0.0291  -0.164  0.049  0.003  0.736 
独立変数b 0.090  0.109  0.825  0.681  0.4093  0.000  1.094  0.88.  1.356 

群3:定数 -3.578 1.057  -3.386  11.466  0.0007  -0.303  0.028  0.004  0.222 
独立変数b 0.197  0.078  2.521  6.354   0.0117  0.205  1.218  1.045  1.420

と いう結果がえられました.独立変数bは,p値が有意水準5%で離職意向群3:転職意向に影響が認められるという解釈は可能でしょうか.複数の独立変数を投 入して有意な結果がでなかったからといって,単独の独立変数で上記の結果がえられたからといってこのような解釈をするのはよくないでしょうか.
以下,省略しますが,

独立変数cで
モデルの係数表
      係数   p値
群2:定数 1.919  0.2021  
独立変数c -0.512  0.0159  

群3:定数 -0.959 0.4683
独立変数c -0.013 0.9282

独立変数dで
モデルの係数表
      係数  p値 
群2:定数 1.223 0.3576 
独立変数d -0.599 0.0223

群3:定数 0.746 0.4989
独立変数d -0.324 0.0903

といった結果が得られます.
独立変数cは,云々,独立変数dは,云々という考察はやはりおかしいでしょうか.
ご教示くださいますと幸いです.

No.12050 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/02/13(Sat) 18:38

> R二乗 0.073

という段階で,一変数だけを使って何が言えるのかということでしょう。

変数の回帰係数の検定における P 値が 0.05 より小さくても,その意味するところは「偏回帰係数は 0 とはいえない」だけです。その変数がどれだけ従属変数を説明しているかということの方が重要でしょう。

一変数だけ使った結果からその変数の効果を云々するのは他のスレッドでもお勧めしていません。一変数の結果を集積しても,多変量解析の結果にはなりません。多変量で説明すべきモデルなら,単変量では説明できません。そして,現実は,多変量モデルなんです。

No.12069 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/02/14(Sun) 11:04

コメントありがとうございます.深謝いたします,確かに単変量で説明できるような従属変数ではないです.独立変数 を探索的(自分なりの仮説に基づいて)に入れ替えして,回帰係数のp値に注目しながら分析続けてみます,その際留意すべき点として以下の項目をクリアして いれば関連性を独立変数による従属変数への影響力を云々してかまわないのでしょうか,
1.R二乗値がそこそこ大きい(現状の分析では,0.308位までいっています:本件は明確な基準がないという)
2.モデルの適合度が高い
3.独立変数の回帰係数の値が,1を超えておらず,p値<0.05

1〜 3を満たしていれば,その条件を満たした独立変数は従属変数に影響を及ぼしており,各独立変数のオッズレシオから,各独立変数の値の変化に伴う従属変数の 事象の起る確率の変化を云々してよい(例:上司との関係に関する得点が1点上昇すると離職意向を決意する確率が1.x倍になる云々).

また,p値>0.05なら,0.054でも,0.09でも有意性がないことに変わりはないのでしょうか.

No.12070 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【青木繁伸】 2010/02/14(Sun) 11:24

> 1〜3を満たしていれば,その条件を満たした独立変数は従属変数に影響を及ぼしており,各独立変数のオッズレシオから,各独立変数の値の変化に伴う従属変 数の事象の起る確率の変化を云々してよい(例:上司との関係に関する得点が1点上昇すると離職意向を決意する確率が1.x倍になる云々).

そういうことでしょう。

> p値>0.05なら,0.054でも,0.09でも有意性がないことに変わりはないのでしょうか.

そういうことですね。検定というのはそういうものです。

No.12071 Re: ロジスティック回帰分析の方法で確認です  【MAGI】 2010/02/14(Sun) 17:04

対応ありがとうございます.分析を継続し論文にまとめてみます.御礼のみ失礼いたします.

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