No.11601 Lilliefors correction  【塩見正衛】 2009/12/27(Sun) 14:37

Kolmogrov-Smirnovの一標本検定はとても保守的な検定(有意になりにくい)です。この方法にLilliefors correctionを行うといいと言われました。どのような方法でしょうか,もしわかれば概要と計算方法を教えてください。

No.11602 Re: Lilliefors correction  【青木繁伸】 2009/12/27(Sun) 18:39

SPSS にはあるようですね。
R でも nortest パッケージの lillie.test でできるようです。なじみ深い数式による表現ではないものの,プログラムソースは見えますので,何をやっているかはトレースできるでしょう。
た だ,オンラインヘルプによれば,「Performs the Lilliefors (Kolmogorov-Smirnov) test for the composite hypothesis of normality」ということなので,Kolmogorov-Smirnof テストとどこが違うか,よく検討してみる必要があるかもしれません。
オンラインヘルプにも簡単な説明はありますが,参考文献は,オンラインヘルプによれば以下のようです。

Dallal, G.E. and Wilkinson, L. (1986): An analytic approximation to the distribution of Lilliefors' test for normality. The American Statistician, 40, 294–296.

Stephens, M.A. (1974): EDF statistics for goodness of fit and some comparisons. Journal of the American Statistical Association, 69, 730–737.

Thode Jr., H.C. (2002): Testing for Normality. Marcel Dekker, New York.

「Kolmogrov-Smirnovの一標本検定はとても保守的な検定」ということなら,Shapiro-Wilk の検定はどうなんでしょうか。同じように保守的なのかどうか,私にはわかりませんが。

そのほかにも,正規性の検定にはいろいろあります。R の fBasics パッケージには,

ksnormTest Kolmogorov-Smirnov normality test,
shapiroTest Shapiro-Wilk's test for normality,
jarqueberaTest Jarque–Bera test for normality,
dagoTest D'Agostino normality test.

なんてぇのもありますよ。後ろの2つ等は,分野によってはよく使われているのかなあ?

もっ とも,正規性の検定というのはあまり使いでのない検定ではないでしょうか。使用者は,データが正規分布に従っているといいたいために使うのではないかと思 いますけど,正規分布に従うという帰無仮説が採択されたとしても,「サンプルサイズが小さいからそういう結果になっただけで,正規性が確認されたわけでは ないだろう」といわれたり,逆に,正規分布に従わないという結果が出たら「じゃあどうするんだ」ということになりますしね。

この掲示板で もよくあるパターンなのですが,「この方法にLilliefors correctionを行うといいと言われました」ということなのですから,そのときに,その人に,詳しく聞けばよいのだと思いますよ。本当に考慮すべき 意見なら,その意見を述べた人は正確な情報を与えてくれるはずです。いい加減なコメントをする人の意見は聞く必要はないと思います。

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