No.11076 Xbar-R管理図について  【Worc】 2009/10/16(Fri) 07:43

標記の件,現在とある計量特性にて管理図を作るにあたり,UCL,LCLを算出しようと考えていますが,数式の根拠に関して不明点があります。例えば,UCL=Xbarbar+A2*Rbar
となっており,A2=3/(d2・√n)と書籍には書いております。ここでなぜA2=3/(d2・√n)という式になるのでしょうか。またd2とは何を表すのでしょうか。統計の初心者のため基本的な質問かもしれませんが,よろしくお願いします。

No.11077 Re: Xbar-R管理図について  【kai】 2009/10/16(Fri) 08:25

この計算式は範囲を標準偏差に変換する式です.
管理図の管理限界線は平均値±3σの位置に管理限界線を置きますが,このσはR管理図の平均範囲をdで割ることで計算されています.

d2の導出については英語ですが...
http://www.caspur.it/risorse/softappl/doc/sas_docs/qc/chapc/sect9.htm

No.11087 Re: Xbar-R管理図について  【Worc】 2009/10/18(Sun) 08:18

返信遅れて申し訳ありません。d2の算出方式についてですが,教えていただいたURLを見るとなぜあのような式に なるのでしょうか。何冊か書籍を調べましたが,載ってもいませんでした。もしよろしければ,算出方式かそれについて詳細に書いてある書籍を教えていただけ ませんでしょうか。後,√nがなぜ出てくるのも教えていただければ幸いです。

No.11096 Re: Xbar-R管理図について  【kai】 2009/10/19(Mon) 13:24

この式の導出根拠は私にもわかりません.(平均範囲を標準偏差に換算するための係数を計算するための物という認識しか持っていません.)
実際にはレンジから標準偏差を計算する方法は精度など問題があることと,管理限界線の計算にロット内バラツキしか考慮できないので管理図異常が多発するため,私の会社ではこの方法では計算していません.

√nは群の大きさが大きくなるほど,平均値の推定精度が良くなることを考慮するための値です.標準誤差の計算式σ/√nの√nと同じです.
UCL=Xbarbar+A2*Rbarの式の中でA2*Rbarは3*Rbar/(d2・√n)となりますが,
Rbar/d2がロット内バラツキの標準偏差σを示しており,Rbar/(d2・√n)はロットの平均値のバラツキを示しています.で,その3倍した値[3*Rbar/(d2・√n)]を全体平均に±していると言うことになります.

No.11099 Re: Xbar-R管理図について  【Worc】 2009/10/19(Mon) 23:33

"実際にはレンジから標準偏差を計算する方法は精度など問題があることと,管理限界線の計算にロット内バラツキしか考慮できないので管理図異常が多発するため,私の会社ではこの方法では計算していません."
⇒実際はどのような算出方法で求めるのが最適なのでしょうか。一度他社でn=30で±3σを取り上下限規格を取っていると聞いていますが,Xbar-R管理図の算出方法に比べて精度はどれくらい違うのでしょうか。

No.11107 Re: Xbar-R管理図について  【kai】 2009/10/20(Tue) 12:55

平均範囲(Rbar)から標準偏差を計算するとロット内バラツキのみのσになるので,管理限界線が狭くなります. ので,私の会社では,各群(ロット)のn数が等しい場合にはXbarの標準偏差をσとし,各群のn数が異なる場合には分散分析でロット間バラツキとロット 内バラツキの分散成分(σb^2,σw^2)を計算してσ=√(σb^2+σw^2/n)で計算しています.後者の場合(n数が異なるとき)は管理限界線 が凸凹になりますので,できるだけ各群のn数が一定になるようにしています.

ロット間バラツキ(σb^2)が小さい場合には,平均範囲 (Rbar)から標準偏差を計算しても問題ありませんが,全体のバラツキに占めるσb^2の割合が増えるに従って,平均範囲(Rbar)から計算した標準 偏差では管理図異常が発生する確率が想定異常に増えてしまいます.

No.11117 Re: Xbar-R管理図について  【Worc】 2009/10/21(Wed) 22:40

とても参考になりました。ありがとうございました。

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