No.11012 Re: 重回帰分析の変数選択の手順や結果の解釈についてです 【青木繁伸】 2009/10/04(Sun) 21:25
1) ネット等の情報で,独立変数の数の10倍程度の例数が必要とあり,逆算すると独立変数は6位までということになりますか?
安定性のある結果を得るためにはということでしょうけど,10倍程度という数値に確たる根拠はないのではないでしょうか。まあ,サンプルサイズによらず,5〜6個の独立変数というのがほどほどの規模であるとは思います。
2) ステップワイズ法で独立変数を絞り込み,再度重回帰分析をその変数を用いて,その結果を用いて考察
それでよいと思いますし,「ステップワイズ変数選択により以下の結果を得た」という記述で十分でしょう。
3) 同じ独立変数でも,ステップワイズ法の結果と重回帰分析の結果でR二乗値やF値等が微妙に違いますが
欠 損値の具合で分析に使用可能なケース数が異なるのでしょう。ステップワイズ変数選択では,最初に独立変数の候補とした変数の一つでも欠損値を含むものは除 外されます。その独立変数セットの中でモデルが選択されます。最終的に選ばれた変数以外の変数が欠損値のものは,分析には含まれていません。そのため,選 ばれた独立変数だけを使って分析すると,そのようなケースは分析に含まれます(当たり前の動作です)。このため,ステップワイズ回帰分析の結果と分析結果 が異なってきます。
4) 同じ領域の90年代後半年の論文ですが,R二乗値が0.287で「十分高い値であった」というものや,2000年代に入ってからの論文では,0.178 で,独立変数の標準偏回帰係数の値とそのp値の結果から従属変数との関連性がありとしているものがあります.自分の分析でも,0.25になればいい方 で,0.19〜0.16程度がやっという感じです.この程度のR二乗値で関連性ありとしてよいものでしょうか
まあ,その領域でそのような ものが論文になっているのなら,それでやむを得ないでしょう。なお,決定係数(分散分析)の検定結果と,偏回帰係数の検定結果は一応は無関係です。分散分 析が有意でなくて,偏回帰係数のいくつかについての検定結果が有意であるということは,あり得ることです。
No.11021 Re: 重回帰分析の変数選択の手順や結果の解釈についてです 【MAGI】 2009/10/05(Mon) 21:27
青木先生,いつもご教示ありがとうございます.おかげさまで,分析をすすめることができます.取り急ぎ御礼のみ失礼いたします.
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