No.10729 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/29(Sat) 15:58

Cox proportional hazardを用いて,出血性病変を放射線治療したあと,出血のリスクが治療前と比較して,どの程度減少するかを検証しようとしております。
500例中42例が治療前に出血をし,23例が治療後に出血しました。
この場合,生存変数は病変の診断時から出血までの期間を入力することは分かりますが,状態変数と共変量をどのように設定すればいいのか分かりません。
通 常,治療後の出血率を調べるのであれば,状態変数として出血のあるなしを0か1のデータで入力すると思いますが,治療前の出血率も同様にすれば,各々の出 血率は出せるのですが,(例えばKaplan-Meier法で)治療前とあとの出血率の比較をどのようにすればいいのか分からず,困っております。
Hazard ratioで治療前後の出血率の違いを比較したいのです。
よろしくご教授お願いいたします。

No.10733 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/29(Sat) 18:06

> 500例中42例が治療前に出血をし,23例が治療後に出血しました。

データの説明が不十分で,どなたも回答をためらっているのではないかと思いますが。

500例の中の42例が治療前に出血したということはどういうことでしょう。治療が間に合わなかったと言うことですか?
23例が治療後に出血ということですが,その23例は42例とは別なのですか?一部重複があるのですか?

生 存率解析というのは,観察開始から,一度だけ(複数ある場合は一回目)の結果が生じるまでの時間を分析に使います。事象が観察されなかったケースは,観察 開始から観察終了までの時間後に打ち切られたデータになります。というような,生存率解析の基礎的なお話はご理解なさっているのですよね?

No.10735 Re: 術前後の出血率の比較法について  【MoMo】 2009/08/29(Sat) 18:33

放射線治療による出血のrisk reductionを示すには,治療していない対照群がどうしても必要なんではないでしょうか?でも,そういう対照群を拾ってくるのって難しいですよ ね・・・・。Nはすばらしいですから切り口を換えて,radiation法が新しくなる前の治療群と比較するってのはどうですか?

No.10736 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/29(Sat) 20:48

> Nはすばらしいですから

一般的に,生存率解析において,終端事象発現率が1割程度というのは低すぎると思います。

No.10737 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/30(Sun) 00:18

青木先生
早速のコメントありがとうございます。
説明が不十分で申し訳ありません。
42例の治療前の出血というのは,治療が間に合わなかったということです(診断から治療までの待機期間中の出血です)。
そして,その42例を除いた458例中,23例が治療後に出血したということです。
重複はございません。
生存率解析では1度のイベントのみしか調べられないということは存じております。

MoMo様,
この調査の場合,どうしても放射線治療前と後で出血率の違いを調べたいのです。
治療していない対照群は病気が見つかって放置する例はほとんどないため,難しいです。
radiation法も同じなので,比較は難しいです。

よろしくお願いいたします。

No.10739 Re: 術前後の出血率の比較法について  【MoMo】 2009/08/30(Sun) 15:28

それでは,診断から一定の期間を設けて,その期間内に治療開始できた群と期間以降に治療開始が遅れてしまった群に分けて検討してみたらどうでしょうか?

No.10741 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/30(Sun) 17:35

MoMo様,
貴重なご意見ありがとうございます。
治療のタイミングに関しては検討の価値はあると考えております。
ただ,今回の質問では,過去の文献で治療前と治療後をCox proportional hazardで調べ,治療前後で出血のリスクが約半分に減少したとの報告があり,
私のデータでは恐らく,治療前後での出血リスクは変わらないということを証明したいのです。
論文を見ても,詳しい方法が書いておらず,状態変数と共変量の設定をどうしたのかが分からず困っております。
まずは,その過去の論文のデータの反証をしたいのです。
4カ月ほどかけて,データを集めつつ考えておりましたが,未だいい解決法と申しますか,過去の論文の追試をどうすればいいのかが分からず困っております。

よろしくお願いいたします。

No.10742 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/30(Sun) 18:09

治療開始までの出血(500例から42例)についての解析(出血せずに治療開始できたものは打切り例になる)と, 治療開始後の出血(458例から23例についての解析をやればよいだけかな?ただ,この場合は,データが独立でなくなるから,それでよいのかなあという疑 問は残りますけど。それに治療開始までの期間はかなり短いので,比較に十分かどうかは疑問。それと,以前に指摘したように,エンドポイント事象が1割程度 にしか見られない生存率解析は,不十分だと思います(治療開始前のデータについてはやむを得ないですけどね)。

No.10743 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/30(Sun) 18:50

青木先生,

出血せずに治療開始できたものは打ち切り例となる,ですか。
そうしますと,治療開始前と開始後の出血率の比較(Hazard ratio)が,Cox Proportional hazardにおいて,出来なくなってしまうのではないでしょうか?

Candidates for radiation therapy (N=500)→術前出血例(N=42)

放射線治療(N=458)→術後出血例(N=23)

Data on 435 censored

このフローチャートでCox proportional hazardを行う場合,何を状態変数にして,何を共変量にすればいいのでしょうか?
治療開始までの出血についての解析であれば,状態変数は出血例=1,非出血例=0とし,生存変数を診断から放射線治療までの期間とするんだと思いますが,共変量には何も入れられないと思います。
そうしますと,Hazard ratioの計算が出来なくなってしまいます。
したがって,治療前後で分けて解析しても,出血率の比較は出来ないのではないでしょうか?

また,エンドポイント事象はそれ程高い確率で起こるものではないため(通常年率2%とされております),不十分かもしれませんが,過去の論文でもCox Proportional hazardが使われており,journalにはacceptされると信じております。

実 は,比較したい論文はNew England Journal of Medicineで発表されている論文なので,色々なところで引用されているのですが,その論文が出るまでは治療前後では出血率は変わらないということが 常識とされておりまして,かなり驚きを持っておりました。
この結果に対して,私自身は疑いを持っており,私の施設での結果で同じ結果が出るのか,違いがあるのかを検証したいと考えております。
インパクトの高い論文だけに,それに従って治療が行われつつありますが,私の施設で違う結果が出るようであれば,今後の治療にも多大な影響を与えると思いますので,慎重にデータ解析をしようとしております。

長々とまとまりのない文章を書いてしまい,誠に申し訳ございません。
多大な労力を費やして,データを集めたもので,何とかものにしたいと考えております,何卒よろしくご教授お願い申し上げます。

No.10744 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/30(Sun) 22:38

> このフローチャートでCox proportional hazardを行う場合,何を状態変数にして,何を共変量にすればいいのでしょうか?

共変量って,ないでしょう。

2群(独立でないので2群と言うのもくるしいけど)の比較でしょう。あえて言えば,放射線治療に入れたか入れなかったかという,群変数が共変量でしょ?

> そうしますと,Hazard ratioの計算が出来なくなってしまいます。

だって,実際のデータ採取方法がそうなんですから,仕方ないのでは?

> 不十分かもしれませんが,過去の論文でもCox Proportional hazardが使われており,journalにはacceptされると信じております。

それは,否定しません。やむを得ないでしょう。倫理的にも,よりよいデータを望むのは無理でしょうし。

> 多大な労力を費やして,データを集めたもので,何とかものにしたいと考えております

出てくるデータをどうやって解析するかを前もって考えておくべきだったかと思いますね。研究プロトコルを詰めておくべきだったかと。

言うまでもないことですけど,その研究結果を出したグループ(著者)に直接いろいろ質問されることをお勧めします。まさか,企業秘密だから何も教えないよ,なんてことはないと思いますけど。(あるんでしょうかね)

No.10746 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 06:00

青木先生,
データ解析に関しては,当初は別な方法(annual incidence of hemorrhageを比較:これであれば,出血が2回以上あった例でも解析に含められます,過去の多くの論文ではこの方法をとっておりました)を考えて おりましたが,インパクトの高い論文で使われた手法でも試したくなりました。
論文の著者にもコンタクトを取ろうと考えておりますが,何分競争相手なもので,質問を大歓迎というわけには行かないと思い,コンタクトを取る前に,可能な限り前もって,正しいと思える解析法を考えておきたいと思っております。

私なりに考えたのですが,以下の方法が正しいかどうか教えて頂けないでしょうか?
生存変数を,診断から最初の出血までの期間とします。
状態変数を,出血したかどうか(時期にかかわらず)ということでみて,出血例=1,非出血例=0として,eventは1の時と設定します。
共変量を,放射線治療前の出血=0(診断から放射線治療前の出血までが生存変数),
放射線治療後の出血,及び非出血例=1(診断から放射線治療後の出血もしくは最終診断日までが生存変数)
としてCox proportional hazardとKaplan-Meierで解析するというのはどうでしょうか?
この方法で果たして,治療前後の出血率の変化の比較が出来るのでしょうか?

何卒よろしくご教授の程お願い申し上げます。

No.10747 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 06:07

青木先生

先ほどの,生存変数は,診断から最初の出血(出血例)までか,最終フォローアップ(非出血例)までの期間。
の誤りでした。

いつも長々と書いてしまい申し訳ございません。

No.10749 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/08/31(Mon) 09:41

このような分析対象の場合,先行研究では以前提示させていただいた (No.10484) 下記の方法で解析するのが主流だと理解しています.

http://www.osakac.ac.jp/labs/tujitani/PBC.pdf

例えば,1例目が診断後132日後に治療,164日目に出血,2例目が診断後30日後に出血(治療前)なら,以下のようなデータを作成します.

id start stop event treat
1 0 132 0 0
1 132 164 1 1
2 0 30 1 0

SAS や R ならこの方法で分析できますが,他の環境のことはわかりません.悪しからず.

No.10750 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 11:03

青木先生,

これなら,理解しやすいです。
ただ,残念ながら,私はSPSSを使っており,SASの入手も可能ですが,使ったことがないため,この方法をSPSSに応用しなければいけません。

青木先生がご提示された例において,状態変数はeventつまり,出血の有無ということでしょうか?
また,treatが共変量(covariate)ということでしょうか?

そうだとすれば,treatの部分で出血の時期,例えば,治療前なら0,治療後なら1,そして,非出血例はtreatのところは当然1ということになります。
また,生存変数は診断から出血までの時期ないしは,非出血例の最終フォロー時(打ち切り例)ということで,よろしいでしょうか?
これが正しければ,SPSSでも解析が可能となります。

やはりこの方法の弱点は,出血が1回でもあった時点で,各々の症例の観察が終了となってしまうことで,出血を繰り返す場合の考察が出来ないということですね。
1度出血をした例は2度目以降の出血をしやすいとされており,この点を考慮した解析法は,年平均出血率の治療前後での比較しかないのでしょうか?
この場合,odds ratioやhazard ratioなどで,直接危険度の低下などを出す解析法はあるのでしょうか?

質問に質問を重ねるようで,誠に恐縮ですが,何卒ご教授の程お願い申し上げます。
青木先生のアドバイスで,かなり自分の頭の中が整理されてきており,もう少しで目の前が明るく開けそうな気がしております。
お忙しい中,お時間を頂き,本当に感謝しております。

No.10751 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/31(Mon) 11:33

No. 10749 は surg さんの投稿ですよ。

R でやってご覧になると良いと思いますよ。

No.10752 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 12:04

surg先生,

ご教授頂きありがとうございます。
青木先生からのご返答と勘違いしてしまいまして申し訳ありませんでした。
また,よろしければ,前の投稿に関しましても,ご教授頂ければ幸いです。

青木先生,

ご迷惑をおかけしました。
Rに関しましても,使ったこともなく,所有もしていないため,残念ながら出来そうにありません。
上記の論文で使用されているソフトもSPSSであるため,出来れば同じ環境で解析したいと思っております。
青木先生は私の前の投稿に関して如何お考えでしょうか?

No.10753 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/08/31(Mon) 12:41

> ただ,残念ながら,私はSPSSを使っており,SASの入手も可能ですが,
> 使ったことがないため,この方法をSPSSに応用しなければいけません。
私も青木先生と同様,R の使用を強く推奨します.ここで論じるべき話題ではありませんが,IBM による買収により学術的統計処理環境としての SPSS に未来は無くなったものと考えております.

> 状態変数はeventつまり,出血の有無ということでしょうか?
> また,treatが共変量(covariate)ということでしょうか?
そうです.

> 生存変数は診断から出血までの時期ないしは,非出血例の
> 最終フォロー時(打ち切り例)ということで,よろしいでしょうか?
治療していれば,そこで区切らなければなりません.

> これが正しければ,SPSSでも解析が可能となります。
SPSS が時間変数として (start, stop) 型の表現が可能ならできるでしょう.
通常の length 型の表現しかできないのであれば,不可能ということになります.

# 重ねて書きますが, SPSS に関してはまったく存じ上げません.

> 1度出血をした例は2度目以降の出血をしやすいとされており,
> この点を考慮した解析法は,年平均出血率の治療前後での比較し
> かないのでしょうか?
> この場合,odds ratioやhazard ratioなどで,直接危険度の低
> 下などを出す解析法はあるのでしょうか?
私なら,離散時間モデルとしたうえで logistic 回帰か poisson 回帰へ持っていくと思います.logistic回帰の場合は,単位時間は年よりも月や週の方が良いかもしれません.
あるいは,前記のモデルにさらに時間共変量として出血回数を加えるのも良いかもしれません.

No.10755 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 14:36

surg先生

ご推奨のRは,現在入手出来ませんので,SASの仕様も今後は検討しようと思います。
ただ,長年SPSSを使ってきており,慣れているため,なかなか乗り換える勇気がありませんでしたが,少し勉強しようという気になって参りました。

>> 生存変数は診断から出血までの時期ないしは,非出血例の
>> 最終フォロー時(打ち切り例)ということで,よろしいでしょうか?
>治療していれば,そこで区切らなければなりません.

ここでの治療とは1回目の放射線治療のことを指すのでしょうか?
ご提示頂いた例によりますと,1例目が診断後132日後に治療,164日目に出血した場合,id1が132日目の治療日で一度区切られております。
つまり,1つの症例に付き2つのend point(1つめは治療日,2つめは出血日)を設定するということでしょうか?
id1において,生存変数=132,状態変数=0,共変量=0と,生存変数=164-132=32,状態変数=1,共変量=1を別のcolumnとし,id2においては,生存変数=30,状態変数=1,共変量=0とすると言うことでしょうか?
1症例(id1の場合)をCox proportional hazardでは2つに分離して入力するという理解でよろしいでしょうか?
これがすなわち,時間変数として(start, stop)型の表現ということではないかと思うのですが,SPSSにおいてはおそらく,length型の表現しかないと思いますので,上記のように,1症例を分離するというやり方で対処が可能なのかもしれません。
なぜなら,上記の論文においてSPSSでこのような解析をしているわけですから。

離 散時間モデルというのは離散時間ロジットモデル(Discrete-time logit model)のことでしょうか?そこからlogistic regression, poisson regressionへ持って行くというのは具体的にどうするのでしょうか?持って行くという事の意味は,離散時間モデルとして解析を行ったものに,更に 別な解析をするということでしょうか?
前記のモデルに更に時間共変量として出血回数を加えるといいますのは,前記のモデルは離散時間モデルを指しているのでしょうか?

これまで,kaplan-Meierやcox proportional hazard位しか使わずに生き延びてきたため,統計の知識が不足していることを痛感いたします。

質問ばかりで,ご迷惑かと存じますが,周囲に統計の専門家がおらず,先生方にお縋りするほかないため,何卒よろしくお願い申し上げます。

No.10756 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/08/31(Mon) 14:56

> つまり,1つの症例に付き2つのend point(1つめは治療日,2つめは出血日)を設定
> するということでしょうか?
endpoint は出血だけです.
時間共変量を使った Cox 回帰では,時間共変量(この場合は治療前か後か)が変化するところで,サンプルを区切る必要があります.

> これがすなわち,時間変数として(start, stop)型の表現ということではないかと
> 思うのですが,SPSSにおいてはおそらく,length型の表現しかないと思いますので,
> 上記のように,1症例を分離するというやり方で対処が可能なのかもしれません。
length 型の表現しかできないのであれば,この方法は無理です.あきらめてください.時間共変量が変化するたびに時間をリセットしてしまうと, Cox 回帰の前提である「baseline hazard の共通性」が崩れてしまいます.

> 離散時間モデルというのは離散時間ロジットモデル(Discrete-time logit model)
> のことでしょうか?
臨床医学では「離散時間ロジットモデル」という呼び方はあまりしませんが,離散時間モデルでのロジスティック回帰と同じと考えていただいてかまいません.

> 前記のモデルに更に時間共変量として出血回数を加えるといいますのは,
> 前記のモデルは離散時間モデルを指しているのでしょうか?
これはわかりにくかったですね.No.10749 を指しています.

No.10757 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/08/31(Mon) 16:43

surg先生,
素早いご返答ありがとうございます。
サンプルを区切るということがよく理解できません。
恐らくSPSSはlength型の表現しかないためだと思います。
しかし,上記の論文ではSPSSを使用したとあるので,この点が全く理解しかねるところであります。

離散時間モデルという言葉をSPSSの教科書何冊かで調べましたが,全く出てきませんでした。別な呼び方でもあるのでしょうか?

No.10749に時間共変量として出血回数を加えるというのは,cox proportional hazardにSPSSでは時間依存の共変量の式を入力する項目があり,これに出血回数を入れれば,出血回数も解析に入れられるということでしょうか?
ただ,時間依存のCox比例ハザードはあくまで,比例ハザード性の検証のためにしか使ったことがないのですが,出血回数に何かの関数を入れるのでしょうか?

かなりハイレベルで,統計の専門家でない私には無理なのでしょうか?
もう少しで壁が破れそうな気がしていたのですが・・・。

No.10758 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/08/31(Mon) 16:55

> ご推奨のRは,現在入手出来ませんので,SASの使用も今後は検討しようと思います。

ダウンロードできますよね?
http://cran.md.tsukuba.ac.jp/

No.10762 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/08/31(Mon) 20:18

重ねて申し上げますが, SPSS に関してはまったく存じ上げませんので,何もお答えできません.

> 離散時間モデルという言葉をSPSSの教科書何冊かで調べましたが,
> 全く出てきませんでした。別な呼び方でもあるのでしょうか?
おそらく無いでしょう.私も日本語で書かれた説明は見たこともありません.
SAS なら,「Survival Analysis Using SAS, A Practical Guide」に「Analysis of Tied or Discrete Data with the LOGISTIC, PROBIT, and GENMOD Procedures」という章があり,かなり詳しく記載されています.

R なら,「eha」というパッケージを使うと良いでしょう.
http://cran.r-project.org/web/packages/eha/eha.pdf
このパッケージの toBinary() という関数を使うと,通常の生存分析用のデータセットから離散時間生存分析用のデータセットへの変換をしてくれます.

出血回数を時間依存共変量に入れるのは,このようにします.
例 えば,一人の患者で診断後20日目で出血,30日目で治療,40日目で2回目の出血,50日目で3回目の出血,60日目まで観察した場合は,以下のような データを作成します.要するに,時間依存共変量(この場合は treat と bleed)の値が変わる毎に,観察期間を切っていくわけです.

id start end event treat bleed
1 0 20 1 0 0
1 20 30 0 0 1
1 30 40 1 1 1
1 40 50 1 1 2
1 50 60 0 1 3

No.10763 Re: 術前後の出血率の比較法について  【takahashi】 2009/09/01(Tue) 00:20

統計的に追試できるかどうか以前に,元論文の方法の詳細が不明のようですが,元論文のコレスポに直接連絡を取ってみましたか?

No.10765 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/09/01(Tue) 12:37

青木先生
Rがフリーソフトだということさえ知らなかったことを恥ずかしく思います。
早速インストールしましたが,見慣れたSPSSの画面と余りに違うため,勉強させて頂きます。
また,SASも入手しましたが,なぜかインストールが出来ずにset up.exeをクリックしても,動かず,ユーザーアカウントが日本語なのが駄目なのかと思い,英語のアカウントを作っても,同じでした。
Rがあるので,こちらでトライしてみます。

surg先生,
Rを導入して,例で示して頂いたように入力していきます。
ただ,bleedのカラムの数字の法則がよく分かりません。
event(出血)があった,次のラインで1ずつ増えていくということでしょうか?
まずはこの入力をexcelで作ればいいのでしょうか?
これを500例入力するとなると,大変な作業になりますね。
しかし,流れが分かってきましたので,やる気が出てきました。
また,ご指導お願い申し上げます。

takahashi様,
元論文のcorresponding authorと統計の専門家にコンタクトを取りました。
corrsponding authorからは,まだレスポンスはありませんが,統計の専門家の先生から返事があり,実はSASで解析したものをfirst authorが使い慣れているSPSSへ移植したとのことで,詳細はお忘れのようでしたので,corresponding authorからの返事を待っております。

No.10766 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/09/01(Tue) 13:26

> ただ,bleedのカラムの数字の法則がよく分かりません。
> event(出血)があった,次のラインで1ずつ増えていくということでしょうか?
難しく考える必要はありません.その時点までの出血回数を入れているだけです.

過去の出血回数がその後の相対出血リスクに影響すると仮定するなら出血回数を入れるべきですし,回数は関係なく過去に出血したかどうかだけが影響すると考えるならその時点までの出血の有無 (0 or 1) を入れればいいのです.

No.10767 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/09/01(Tue) 13:44

surg先生,

過去の出血回数がその後の出血リスクに影響することは,データを見てもかなり有意に働いている印象です。
しかし,元論文ではCox proportional hazardをSPSSで解析しており,1度の出血のみをカウントし,その後はデータに反映されておりません。
このことが統計的に証明できれば,かなりインパクトがあると思います。

ただ,青木先生が初めのご返答でご指摘されておりますが,生存率解析では1度のイベントのみしか調べられないということに,反しているのではないでしょうか?
示して頂きました例では,1人のケースで3度のイベント(出血)が起こっておりますが,この点,如何でしょうか?

No.10770 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/09/01(Tue) 15:08

> ただ,青木先生が初めのご返答でご指摘されておりますが,
> 生存率解析では1度のイベントのみしか調べられないという
> ことに,反しているのではないでしょうか?
大丈夫です.1サンプルあたり1イベントになっていれば分析可能です.

R を導入されたのであれば,是非「S-Plus による統計解析」という本の「12.4.2 Stanford心臓移植データ」を実行してみてください.これは移植前後の相対死亡リスクを推定するため,移植の有無を時間依存共変量として Cox 回帰を行う例ですが,時間依存共変量の分析の実例を扱った,日本語による数少ない解説になっています.
# 翻訳がいまいちなのが残念ですが

No.10773 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/09/01(Tue) 18:40

surg先生
1サンプル,1イベントなら大丈夫なんですか。
SPSSではこのようなことはできないです。

実は,S-Plusも入手可能なのですが,Rの製品版といった感じのものなのでしょうか?
SASが家のパソコンに入れられなかった代わりに,S-Plusを入れてみようかなと思うのですが。
S-Plusによる統計解析という本を買えば,使いやすいかもしれませんね。

まだ,RでどのようにCox proportional hazardを行うのかさっぱり分かっていないので・・・(データの入力法は教えて頂きました)

No.10784 Re: 術前後の出血率の比較法について  【はとひで】 2009/09/02(Wed) 16:23

surg先生

> 出血回数を時間依存共変量に入れるのは,このようにします.
例え ば,一人の患者で診断後20日目で出血,30日目で治療,40日目で2回目の出血,50日目で3回目の出血,60日目まで観察した場合は,以下のような データを作成します.要するに,時間依存共変量(この場合は treat と bleed)の値が変わる毎に,観察期間を切っていくわけです.

id start end event treat bleed
1 0 20 1 0 0
1 20 30 0 0 1
1 30 40 1 1 1
1 40 50 1 1 2
1 50 60 0 1 3

SASとRでは,具体的にどのようにコマンドを入力すればいいのでしょうか?
マニュアルを見てはみましたが,コマンド入力になれておらず,どうしていいのか途方に暮れております。
できましたら,SASとRでこのデータを使ったコマンドを最初から,作ってみて頂けないでしょうか?できましたら,これをカットアンドペーストすれば,解析が終わるところまでのコマンドを作って頂きたいのですが・・・。
誠に勝手なお願いですが,そこを突破できれば,自分なりにデータの追加等が出来ると思いますので,何卒よろしくお願い申し上げます。

また,S-plusをインストールしましたが,S-plusでも,同様の解析が出来るのでしょうか?インターフェースが,SPSSに似ており,こちらの方が取っつきやすい印象です。

4冊ほどR,SAS,S-plusの本を注文しており,1週間ほどで届くと思いますが,ボスからせっつかれており,焦っております。

SPSSでは使い方などを人に教えたりしておりましたが,上記のソフトに関しては全くのど素人のため,ご迷惑かと存じますが,何卒よろしくお願い申し上げます。

No.10790 Re: 術前後の出血率の比較法について  【surg】 2009/09/02(Wed) 21:02

以前ご紹介した下記リンクは,参照していただけたのでしょうか?

http://www.osakac.ac.jp/labs/tujitani/PBC.pdf

R と S-plus の文法は,ほぼ一緒と考えていただいて大丈夫です.

No.10791 Re: 術前後の出血率の比較法について  【青木繁伸】 2009/09/02(Wed) 22:32

いくら,一つの問題は一つのスレッドで,とはいっても,あまりにも,長くなりすぎています。問題もだいぶ変わってきているので,新たにスレッドを起こしてください。最初のスレッドで,このスレッドの先頭番号を引用しておけばよいと思いますけど。

> 以前ご紹介した下記リンクは,参照していただけたのでしょうか?

私も,No. 10784 を読んで,同様に思いました。

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