No.10634 2元配置分散分析の場合の正規性の検定  【よし】 2009/08/13(Thu) 15:52

統計の本をあれこれと調べてみたのですが,求めている情報にたどりつけなかったので,質問させていただきます。

2元配置の分散分析を行う場合の正規性の検定および,box-cox変換の仕方についてです。

統 計の入門書に書いてあるような,1元配置で,水準数が2のような単純な場合であれば,AグループとBグループのそれぞれが正規分布に従っているかどうか を,K-S検定で確かめ,ずれている場合には,box-cox変換によって,分布をもっとも正規分布に近づけるようなラムダを決定する,という流れになっ ています。

2元データにおいて,たとえば,変数1にはABCの3処理があり,変数2にはαβγの3処理がある,といった場合,グループと しては9グループに分けられます。このとき,分布の正規性は,この9グループについて,別々に行うべきで,box-cox変換も,別々に行うべきなので しょうか?

また,これがさらに多変量のデータになった場合,変数間の組み合わせの数が多くなるため,もし多重比較による有意水準の補正などが必要な場合,K-S検定で正規性からのずれが検定出来なくなってしまうと思うのですが,このような考え方はおかしいのでしょうか?

このような場合に,正規性の検定とbox-cox変換は,全グループをプールしたデータセットについて行うということで良いのでしょうか?

質問ばかりで申し訳ありませんが,アドバイスを頂けると大変助かります。よろしくお願いします。

No.10635 Re: 2元配置分散分析の場合の正規性の検定  【青木繁伸】 2009/08/13(Thu) 18:56

> この9グループについて,別々に行うべきで,box-cox変換も,別々に行うべきなのでしょうか?

別 々に行ったとして,あるグループでは正規性が満たされ,別のグループでは満たされないということになり,さらに別々に Box-Cox 変換して,別々の変換結果になったら,それらを比較したとき,差があったということになったとして,一体その差は何なのだろうか,母集団のパラメータの違 いなのか,変換するかしないか,どのような変換をするかによる差なのかわからなくなるでしょう。

> 多変量のデータになった場合,中略,K-S検定で正規性からのずれが検定出来なくなってしまう

そのとおり。そもそも,グループ化しなくても,全体のデータであっても正規性の検定は無理なことも多いでしょう。
そ もそも,正規分布に従うかどうか標本データについて検定してからというのは余り良くない。データをみて検定法を変えるというのは良くない。理論的にこの変 数は正規分布するだろうかというのが最初にあるべき(とはいっても,ノンパラの二元配置分散分析なんかないのだから,所詮無理難題ではある)。

多くの場合(多元配置ばかりでなく一元配置の場合でも),正規性の問題には目をつぶっているのが実情では?
そうではないという場合は,先行研究に従えばよいでしょう。

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