No.10612 損益計算書の2群比較  【山本勝也】 2009/08/08(Sat) 00:24

はじめまして。
山本と申します。経理の仕事をしているのですが,統計学に興味を持ちまして勉強をしているところです。

我々の世界では,損益計算書を初めとする財務諸表を同一業界で見比べたりしていますが
それを統計を使って評価できないかと考えているところです。

たとえば,2社それぞれの損益計算書として

          X社     Y社
売上高       A1      A2
売上原価      B1      B2
売上総利益     A1-B1     A2-B2
販売費・一般管理費 C1      C2
営業利益      A1-B1-C1   A2-B2-C2

というデータがあるとして,2社の間で損益計算書に違いがあるかを検定をかけて
評価したいのです。
どのような検定方法が考えられるでしょうか?

懸念事項として
・大きな金額の話なので,普通に1円単位で解析すれば有意差が非常につきやすい
・売上総利益や営業利益は売上高,売上原価,販売費・一般管理費と関連性をもつ
ことです。
よろしくお願いします。

No.10614 Re: 損益計算書の2群比較  【青木繁伸】 2009/08/08(Sat) 07:09

> 2社の間で損益計算書に違いがあるかを検定を

こういうのは,タイトルにある「2群」でもなく,そもそも,検定に限らず推測統計学の対象になりません。

A さんと B さんの体格の違いを比較するというようなのと同じ。A さんと B さんの身長が 180 センチと 185 センチだったら,B さんのほうが 5 センチ高いね。それだけの話です。

例 えば,東京都と大阪府にある「いわゆる中小企業」から数10社ずつ抽出調査し,「東京都大阪の中小企業に,損益計算書に違いがあるか」ということなら,多 変量分布の違いの検定を行うことはできるでしょう。ただ,連続量と非連続量が混じり,連続量も非正規分布が混じるというような状況では無理でしょう。

なお,検定についての誤解もありますので,ついでに指摘

> ・大きな金額の話なので,普通に1円単位で解析すれば有意差が非常につきやすい

1円単位で解析しても,億円単位(数値は小さくなりますよね)で解析しても,精度が同じなら(小数点以下を保存)結果は同じです

> ・売上総利益や営業利益は売上高,売上原価,販売費・一般管理費と関連性をもつ

普通のデータ(身長と体重)でも,変数間の相関はあります。相関関係を考慮の上比較すればよいだけです。ただ,A=B+C+D なんていう変数がある場合には問題になることはあります。

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