No.10485 カイ二乗と残差の検定について  【myumie】 2009/07/27(Mon) 14:54

以下の件について,カイ二乗と残差の検定で分析してよいかお伺いしたく,
投稿させて頂きました。
ご指導のほど,よろしくお願い致します。

7冊それぞれの英語教科書内に設定されているライティング課題が4種類あります。
(1)制限作文
(2)誘導作文
(3)和文英訳
(4)自由英作文

各教科書におけるライティング課題の特徴や出現状況を探るため,
カイ二乗検定により分析した結果,
教科書間でライティング課題の設定の仕方が異なることが示唆されました。
そこで,残差の検定を行い,どのライティング課題について有意差があるのか,
調整済み標準化残差を求めました。

これで1冊ずつの教科書の特徴を調べることはできたのですが,
次に,これらの教科書をレベルごと(上級者用/中級者用の教科書)に分けて,
特徴を調べたいと考えています。

この場合,
上級者用:教科書A, B, C のライティング課題
(1)制限作文
(2)誘導作文
(3)和文英訳
(4)自由英作文
中級者用:教科書D, E, F, G のライティング課題
(1)制限作文
(2)誘導作文
(3)和文英訳
(4)自由英作文
のように,上級者用/中級者用のライティング課題を種類ごとにそれぞれまとめて
カイ二乗と残差の検定を行ってもよろしいでしょうか?

また,他に適切な検定方法がありましたら,ご指導ください。
使用している統計ソフトはSPSS 10.0または17.0です。

大変お手数おかけ致しますが,
ご指導のほど,よろしくお願い申し上げます。

No.10486 Re: カイ二乗と残差の検定について  【青木繁伸】 2009/07/27(Mon) 22:29

> これらの教科書をレベルごと(上級者用/中級者用の教科書)に分けて,特徴を調べたいと考えています。

多 重比較ということが気になるのかも知れませんが,そもそも,この集計表自体普通のカイ二乗検定が対象とする集計表とは性質が若干異なったものでもあるし, 「教科書をレベルごと(上級者用/中級者用の教科書)に分けて,特徴を調べたい」というのですから,レベルごとに同じような集計表を作り,同じような分析 をして,レベルごとに結果を述べ,相互に比較すればよいのではないですか。

No.10487 Re: カイ二乗と残差の検定について  【myumie】 2009/07/28(Tue) 01:49

青木先生,ご指導頂きまして,ありがとうございます。

「この集計表自体普通のカイ二乗検定が対象とする集計表とは
性質が若干異なったものである」
とのご指摘を受け,以下の質問をさせて頂ければと存じます。

SPSSで検定を行った際,

教科書レベル 課題の種類 課題数
上級者用   制限作文   260
上級者用  誘導作文 23
上級者用  和文英訳 61
上級者用  自由英作文 16
中級者用   制限作文 171
中級者用   誘導作文 30
中級者用   和文英訳 51
中級者用   自由英作文 8

のようにデータビューのところに入力しました。
(上記の部分,文字を揃えることができず,申し訳ありません。
縦の列にそれぞれ「教科書レベル」,「課題の種類」,「課題数」を入力しました。)
統計処理は「分析」→「クロス集計表」→「カイ二乗」の手順で行い,
カイ二乗検定(同等性または独立性の検定でしょうか?)と残差の検定を行ったのですが,
先生からご指導頂いた
「レベルごとに同じような集計表を作り,同じような分析をして,
レベルごとに結果を述べ,相互に比較する」という方法は,
どのような検定で行えばよろしいでしょうか?
カイ二乗検定で,できますでしょうか?

大変お手数おかけして,申し訳ございません。
ご指導頂けましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

No.10489 Re: カイ二乗と残差の検定について  【青木繁伸】 2009/07/28(Tue) 04:25

> 統計処理は「分析」→「クロス集計表」→「カイ二乗」の手順で行い,
> カイ二乗検定(同等性または独立性の検定でしょうか?)と残差の検定を行ったのですが,

どのような集計表ができたのですか?

     制限作文 誘導作文 和文英訳 自由英作文 合計  ★★表1★★
上級者用   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
中級者用   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
合計     ○○   ○○   ○○    ○○ ○○

ですか?これを教科書ごとに行ったのですか?これなら,まさしくレベルごとの特徴を調べたということになると思いますけど。

「教科書をレベルごと(上級者用/中級者用の教科書)に分けて,特徴を調べたい」ということで,どういうクロス集計表を作るのですか?
以下のようなことがやりたいのですかということです。これだと,「教科書ごとに違いがあるだろうかというのを,教科書のレベルごとに分けて特徴を調べる」ということになるのですよね?
何を層別として,表側に何を置き,表頭に何を置いたクロス集計表というように,ちゃんと定義すれば,迷うことはないと思いますけどね?

上級者用
     制限作文 誘導作文 和文英訳 自由英作文 合計
教科書A   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
教科書B   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
教科書C   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
合計     ○○   ○○   ○○    ○○ ○○

中級者用
     制限作文 誘導作文 和文英訳 自由英作文 合計
教科書D   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
教科書E   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
教科書F   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
教科書G   ○○   ○○   ○○    ○○ ○○
合計     ○○   ○○   ○○    ○○ ○○

ついでに,なぜ私が「この集計表自体普通のカイ二乗検定が対象とする集計表とは性質が若干異なったものである」といったかご理解いただいていないようですね。
(1) このデータは全数調査であるからそもそも検定というものとは無関係のデータであること。
(2) 上の「★★表1★★」のようにまとめた場合,上級者用としてまとめられた教科書A,B,Cでの問題数に違いがあっても,それが反映されない。中級者用教科書についても同じ。
(3) それぞれの教科書から問題をサンプリングしてデータを取ったという場合も,母集団のサイズ(それぞれの教科書における質問数)が違うと,抽出率をどのよう にするかという問題が生じる。抽出率を同じにすると(2)で述べたことに抵触するし,抽出数を同じにすると,母集団サイズを無視する(データの精度が異な る)ことになる。いずれの場合であっても,困ったこと。
などということがあります。
根本的には (1) の理由で,検定などせずに「教科書○は,□□問題が△△%と多い」とかいう記述統計になるのではないでしょうか?

No.10503 Re: カイ二乗と残差の検定について  【myumie】 2009/07/28(Tue) 15:52

青木先生,ご指導頂きまして,ありがとうございます。
ご返事が遅くなりまして,大変申し訳ございません。

クロス集計表についてですが,
先生が示してくださった★★表1★★と同じように作成しました。

そして,カイ二乗検定と残差の検定により分析し,
■上級者用では和文英訳が多く,誘導作文と自由英作文が少ない。
■中級者用では誘導作文と自由英作文が多く,和文英訳が少ない。
との結果が出ました。

ただ,教科書7冊を上級者用と中級者用に分けて分析しますと,
上級者用には教科書A, B, C があり,
中級者用には教科書D, E, F, G があるのですが,
教科書それぞれに特徴があるにも関わらず,
それをひとまとめにして上級者用/中級者用として
上記のように
■上級者用では和文英訳が多く,誘導作文と自由英作文が少ない。
■中級者用では誘導作文と自由英作文が多く,和文英訳が少ない。
と結果を述べてもよいものでしょうか?

先生からご指導頂きましたように,
(2) 上の「★★表1★★」のようにまとめた場合,上級者用としてまとめられた教科書A,B,Cでの問題数に違いがあっても,それが反映されない。中級者用教科書についても同じ。
となりますが,このような場合はカイ二乗検定と残差の検定は適さないのでしょうか?

また,先生からご指導頂いた
(1) このデータは全数調査であるからそもそも検定というものとは無関係のデータであること。
についてですが,
各教科書内のライティング課題を全て数えて,各課題数と割合を調査したのですが
このような場合は,カイ二乗検定と残差の検定は,適切な方法ではないのでしょうか?

検定はせずに,各教科書の課題数と割合を見て,
例えば,
教科書Aでは制限作文(△△%),誘導作文(○○%),和文英訳(▲▲%),自由英作文(●●%)。
教科書Bでは制限作文(△△%),誘導作文(○○%),和文英訳(▲▲%),自由英作文(●●%)。
教科書Cでは・・・
のように教科書ごとの結果を記述し,
それぞれの結果を照らし合わせることによって,
結果を述べていけばよいのでしょうか?

質問が多くて,大変申し訳ございません。
お手数おかけ致しますが,ご指導のほど
心よりお願い申し上げます。

No.10504 Re: カイ二乗と残差の検定について  【青木繁伸】 2009/07/28(Tue) 16:17

> 教科書それぞれに特徴があるにも関わらず,
> それをひとまとめにして上級者用/中級者用として
> 上記のように
> ■上級者用では和文英訳が多く,誘導作文と自由英作文が少ない。
> ■中級者用では誘導作文と自由英作文が多く,和文英訳が少ない。
> と結果を述べてもよいものでしょうか?

よくないでしょう。あなたは,教科書ごとの特徴を述べたいのでしょう?

> (2) 上の「★★表1★★」のようにまとめた場合 中略 このような場合はカイ二乗検定と残差の検定は適さないのでしょうか?

適さないでしょう。標本データとは言い難いのですから。

> (1) このデータは全数調査であるからそもそも検定というものとは無関係のデータであること。
> についてですが,
> 各教科書内のライティング課題を全て数えて,各課題数と割合を調査したのですが
> このような場合は,カイ二乗検定と残差の検定は,適切な方法ではないのでしょうか?

上の回答と同じ。

> のように教科書ごとの結果を記述し,
> それぞれの結果を照らし合わせることによって,
> 結果を述べていけばよいのでしょうか?

検定が不適当なのですから,そのようにするしかないと思います。

以上は原理・原則のお話で,あなたの分野の先行研究に従っておけばよいとは思いますけど。

No.10505 Re: カイ二乗と残差の検定について  【myumie】 2009/07/28(Tue) 17:57

青木先生,ご指導頂きまして,ありがとうございました。

標本データでない場合,カイ二乗検定と残差の検定を行うことは
不適当であるとのご指摘を頂き,大変勉強になりました。
ありがとうございました。

今後ともお世話になることと存じますが,
ご指導のほど,よろしくお願い申し上げます。

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