No.10073 お願いします  【うまひとすじ】 2009/06/16(Tue) 19:13

基本的なことを伺いたいです。統計学素人のため簡単な質問ですいません・・・
検査値Aの正常群(120以下)と異常群(121以上)のHDL・LDL・TG・Tchoの平均値の差について調べました。

       正常群(11例)   異常群(12例)

HDL     42.8        41.8
LDL    101.8        119.8
TG     113.2        135.8
Tcho    167.3 188.8

内容はでした。

検査値Aと個々の正常群と異常群の比較(T検定)ではいずれも差が認められませんでした。
し かし,全体で見てみると,異常群では,悪玉の因子(LDL・TG・Tcho)は高く,善玉のHDLは低いという結果になっています。まったく関係・差がな いとは思えないんですが,このような場合,個々のT検定で差がなければ,差はないという結果で落ち着いてもいいものなのでしょうか?それともほかにいい検 定方法があるのでしょうか?調べていても拉致があかなくなりメールした次第です。(泣)
何卒ご教示下さい。

No.10080 Re: お願いします  【青木繁伸】 2009/06/16(Tue) 22:10

> 全体で見てみると,異常群では,悪玉の因子(LDL・TG・Tcho)は高く,善玉のHDLは低いという結果になっています。まったく関係・差がないとは 思えないんですが,このような場合,個々のT検定で差がなければ,差はないという結果で落ち着いてもいいものなのでしょうか?

まず,「T検定」ではなく,せめて「t検定」と小文字で書くべきです。SPSSが悪いんでしょうけどね。

差があるかないかは,平均値の数値を比べれば,小学生にもわかること。
その差が,「統計学的に意味があるかどうか」を見るのが検定。
検定の意義を認めないなら,どっちが大きいの小さいのですませればよいと思います。

> それともほかにいい検定方法があるのでしょうか?

有意になるような検定法を探索するのは邪道です。
検定法は,データを集める前に,データの性質等を参照の上,決定しておくべきことです。

No.10098 Re: お願いします  【うまひとすじ】 2009/06/17(Wed) 13:02

ありがとうございます。
ほかにいい検定があるのならとお聞きしたのは,自分の知識の中では知らない検定があるのか,また,こういったケースの場合,個々をt検定で行なうのが1番適当なのかもわからなかったものですから,うかがわせて頂きました。
すいませんが,もう一度確認なのですが,こういった場合は,個々にt検定を行なっていくのがいい方法と理解してもよろしいんでしょうか?
お手数掛けます・・・

No.10102 Re: お願いします  【sb】 2009/06/17(Wed) 15:16

> こういった場合は,個々にt検定を行なっていくのがいい方法と理解してもよろしいんでしょうか?

うまひとすじさんが何を知りたいかによります。

(1)検査値Aと個々の因子との関連。
(2)検査値Aと個々の因子を纏めた動脈硬化との関連。
(3)検査値Aと動脈硬化に伴う脳梗塞,心筋梗塞等との関連。
(4)検査値Aと動脈硬化に伴う生死との関連。
(5)その他

悪 玉,善玉コレステロール云々と言うことからすると(2)ではないでしょうか。調査が(1)---> (4)になるに従って,必要な時間と労力とお金は,増大していきます。恐らくは,(1)をt検定で行なうのが,最も容易で,かつ,統計学的有意差が出やす いものと思います。検査値Aが余り知られていない因子であれば,新知見として,発表の価値があると思います。

しかし,臨床医が興味を持つのは,少なくとも(3)以降ではないでしょうか。

No.10109 Re: お願いします  【うまひとすじ】 2009/06/17(Wed) 18:43

ありがとうございます。
検査値はホルモン分泌能を見る検査です。
これが異常に多いとホルモンの過 剰分泌があり,人の体はこのホルモンに対する抵抗性を持っているという状態です。また,分泌が正常範囲なら,ホルモンに対する抵抗性はすくない状態です。 最近良く言われる,メタボの人は高コレステロールであるとか,肥満であるとか言われています。これをこの検査値から,推測しようとしています。そこで,コ レステロール値等を利用したのですが,個々の項目(コレステロール以外の指標も含め)として有意差はないもの,傾向としてはほぼ全てにおいて予想の範囲内 の結果が出ているものですから,検定が向いていないのかと思ったんです。
ついでに,薬物による影響を受けやすく,現状では,薬物療法を行なっていない人が圧倒的に少なく,症例を集めにくい状態なんです。
ですから,先生の仰るとおり(2)を知りたい状況です。

なにかいいアイデアがありませんでしょうか?お願いします。

No.10112 Re: お願いします  【sb】 2009/06/17(Wed) 20:24

> メタボの人は高コレステロールであるとか,肥満であるとか言われています。これをこの検査値から,推測しようとしています。

コレステロール値を推測する為にホルモンを計測するのですか。まぐろのトロを餌に秋刀魚を釣る様な話ですね。(笑い)。失礼。

> 有意差はないもの,傾向としてはほぼ全てにおいて予想の範囲内の結果が出ているものですから

2 群をとると差は,必ず差はあります。統計学が興味を持つのは,青木先生が指摘されている様に,その差が偶然のバラツキで説明できる程度の大きさなのか,そ れとも,偶然のバラツキでは,説明できない程,大きいもの(統計学的に有意)なのか,と云うことです。統計学的に有意でなければ,特別の事情が無い限り, その差に積極的な意味づけをすることはありません。

> 検定が向いていないのかと思ったんです。

検定法により結果 (p値)は微妙に異なります。それが,5%近傍で起きれば,片方では,有意なのに,他方では有意では無いと云うこともあり得るでしょう。しかし,基本的に は大きな乖離は生じません。もし,大きな乖離が生じるとしたら,どちらかの検定法の適用が間違っている可能性が大きいと思います。

厳しい ことを言いますと,ホルモンの正常/異常で2群に分類し,これがコレステロール等を関連しているが否かを検定するのにt検定は妥当ではないと考えます。な ぜなら,正常群と異常群とで,性別,年齢,BMI等々で不均衡が生じ,その不均衡が,関連を歪めてしまうからです。詳しくは,交絡因子の調整等で検索して みて下さい。

> なにかいいアイデアがありませんでしょうか

正常/異常に分けずに,ホルモン値 vs. コレステロール値等の相関係数を求めてはどうでしょう。もし,有意な相関を認めれば,基本情報として,それはそれなりに意味があるかも知れません。

No.10120 Re: お願いします  【うまひとすじ】 2009/06/18(Thu) 00:38

ありがとうございます。
太刀魚釣りの話は少し複雑な気分ですが・・・。
コレステロールが問題ではなく,これを元にもう少し先の考察につなげたい状況でしたので。何もトロで太刀魚を釣るつもりはありません。トロより太刀魚の干物の方がおいしいとおもいますがね(笑)。
相関に関しては行いましたが,結果は相関なしでした。
この検査値自体が,食事等に左右されるため,ばらつきが大きく,臨床的には関係というよりも差によって判断することがほとんどなので,このような判断となりました。
>ついでに,薬物による影響を受けやすく,現状では,薬物療法を行なっていない人が圧倒的に少なく,症例を集めにくい状態なんです。
と いう状況なので,これ以上症例数を削れませんし,臨床で勤務しているものとしてはそれは,現在の僕では不可能に近いと考えています。また,臨床を見ている 人間からするとそこまで分類する必要性があるのかと・・・。それも含めて臨床であり,おおまかな傾向を捕まえるのも臨書には必要なのかと・・・。
結果的に僕の考えが甘かったのでしょうか・・・。
統計学は難しいです。
ありがとうございました。
また,何かと相談させてください。
ありがとうございました。

No.10121 Re: お願いします  【sb】 2009/06/18(Thu) 06:04

誰しも統計学的有意差を予想して調査・研究を行なう訳ですが,思わしく無い結果に終わることもしばしばです。経験から言わせて貰えれば,しばしばどころか,,,涙,涙と云うのが正直なところです。

No.10139 Re: お願いします  【sb】 2009/06/19(Fri) 16:06

ご存知かもしれませんが,動脈硬化指数と云うものがあります。

動脈硬化指数(AI)=(総コレステロール−HDLコレステロール)÷HDLコレステロール

ホルモンの異常/正常との関連を研究する場合,個々の因子との関連を検定するよりも,この動脈硬化指数との関連を調べた方が良いかも知れません。参考までに。

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