No.10006 Re: 有意傾向 【波音】 2009/06/07(Sun) 01:32
それは例えば,5%の有意水準で検定を行ったところ,交互作用項についてのp値が0.06だったというような場合のことを指しているのでしょうか。
> 下位検定をしてどことどこに差があった,差がなかったと報告することは,可能ですか?
報告することは可能ですが,それが会社の上司,あるいは論文の査読者にとって妥当な考察であると判断されるかどうかは報告してみなければ分からないことだと思われます。
完 全に私的な意見ですが,Resultsにp = 0.06ということを書いて,それについてDiscussionで自分の意見を述べることが重要でしょう。5%の有意水準で採択されたのだから,交互作用 は有意ではないと主張する。あるいは5%水準では棄却されなかったが,p = 0.06という値は意味のある値だとして交互作用が認められると主張する。
どちらも間違いではないですが,自分にとって都合のいいほうに解釈するのではなく,2つの可能な解釈を述べて,それについて最終的にどちらのモデルがより適切であるかを実質的な見解も含めて決定するのが正しい判断でしょう。
それでも自分にとってより好ましい解釈をしてしまう誘惑はありますが(^_^;) 苦労してとったデータについては特に。
No.10008 Re: 有意傾向 【好夫】 2009/06/07(Sun) 09:55
回答ありがとうございます。統計は習ってまだ1年です。
p=.051だったのです。
統計手法的に,下位検定は禁止されているという先輩もいたのですが,
納得いかなかったのです。なんかの確率が0.9×0.95で下がってしまうというのですが,2つの検定は独立しているはずだと思ったのです。
禁止されているなら,どなたかにその理由を教えて頂ければと思った次第です。
No.10009 Re: 有意傾向 【波音】 2009/06/07(Sun) 12:00
例えば,永田・吉田「統計的多重比較法の基礎」サイエンティスト社(2006)によれば:
「多重比較法と通常の一元配置分散分析とは別物であり,多重比較法を適用するときは,その手順の中に示されていない限りはF検定による一元配置分散分析を併用すべきではない」 p34より。
とあります。だから,先輩が
> 下位検定は禁止されている
というのは,「手順の中に一元配置分散分析を行いなさい」と示されているような検定法についてそのようにいったのでは?
しかし,もし単に「全体に差が認められた場合にのみ多重比較を行う」という参考書の説明をそのまま受け取っているのだとしたら,それは先輩の方が間違っているのではないかと思います。
多重比較とは,実験計画の段階で「特定の群と群の間に差が認められるのではないか」ということを問題にしている場合になされるべきで,一般に最初から多重比較を行うべきであるという主張は正しいでしょう。
No.10015 Re: 有意傾向 【好夫】 2009/06/07(Sun) 16:47
ありがとうございます。これで自信を持って発表できます。
念のためですが,今回は2×2×1の繰り返しのない2元配置分散分析です。
今後ともご指導よろしくお願いします。
No.10081 Re: 有意傾向 【TU】 2009/06/16(Tue) 22:39
好夫さんは,これまでの議論の何を根拠にして,何を自信をもって発表できる,と判断されたのでしょう?
こ れまでの議論を見ると,そもそもの質問に対して何かの自信を付与してあげるような議論があったようには思われませんでした。僕の理解不足かもしれないの で,是非勉強したいです。これまでの議論をもとにすると,最初の質問のどの部分に自信が与えられるのか,どなたか教えていただければ幸いです。
波 音さんのNo.10006に書かれていることが僕はすべてだと思い,そこで理解を終えていました。仮に3つ以上の水準をもつ要因の主効果の検定と多重比較 との関係の議論にしても,あるいは交互作用項の検定と下位の検定との間の関係を議論するにしても,「主効果/交互作用項の効果 に関しては5%水準での有 意な差は認められなかった」という事実は事実ですよね。それが消えることはありません。その事実があるけど意味がある効果量なのかどうかが問題ですよね。
No. 10074の質問を見てこのことが思い出されたので,今頃ですが書きこんでみました。多重比較に先立っての主効果の検定が必要か否かについて議論があるこ とは存じあげております。主効果の検定が予測通りではなく,多重比較が予想通りであったときに主効果を不要とする立場に立つのは自由ですが,たとえそんな 立場があると主張したとしても,全体としてN水準のそれぞれの母平均は等しいという帰無仮説が棄却されなかった,という事実は事実として残っているわけで すよね。好夫さんのケースでは,有意な交互作用項は検出されなかった,という事実は事実なんですよね。それを,意味のない程度の効果と主張されたら,どう 反論するんでしょう?とにかく,何の自信が与えられたのか僕にはよくわかりません。。。
No.10126 「繰り返しのない」? 【mom】 2009/06/18(Thu) 11:40
>多重比較に先立っての主効果の検定が必要か否かについて議論があることは存じあげております。主効果の検定が予測通りではなく,多重比較が予想通りであったときに主効果を不要とする立場に立つのは自由ですが,
波 音さんが引用された「多重比較法と通常の一元配置分散分析とは別物であり,多重比較法を適用するときは,その手順の中に示されていない限りはF検定による 一元配置分散分析を併用すべきではない」についてでしたら,この立場は多重比較法を行うときに『一元配置分散分析を行わない』というもので,『主効果の検 定が予測通りではなく,多重比較が予想通りであったときに主効果を不要』ということではありません。後者では,後付けのいいとこどりになってしまいます。
それはともかく,「繰り返しのない二元配置分散分析」でどのようにして交互作用を計算されたのでしょう???
No.10128 Re: 有意傾向 【TU】 2009/06/18(Thu) 14:05
Momさん
>この立場は多重比較法を行うときに『一元配置分散分析を行わない』というもので,『主効果の検定が予測通りではなく,多重比較が予想通りであったときに主効果を不要』ということではありません。後者では,後付けのいいとこどりになってしまいます。
おっ しゃるとおりですね。間違った書き方をしていました。読んだ他の方々に間違った考え方を植え付ける可能性があったので,本当に申し訳ありません,と同時に 感謝申し上げます。まさにこういった後付けのいいとこどりのように(つまり主効果が非有意であったこを隠すように)この論を使うことが氾濫しないように, と思って書いたのが不適切な書き方になっていました。注意を喚起して頂いてありがとうございました。
No.10176 Re: 有意傾向 【好夫】 2009/06/22(Mon) 23:00
TUさん
指摘を受けるまで,こんなに議論が続いていることに気付きませんでした。すみません。
2(Aテストの得点上下群)×2(Bテストの得点上下群)×1(Cテスト得点素点)で
ANOVA をかけ,SPSSで結果を出力したところ,1%水準でAテスト,Bテストの主効果が認められ,A×Bの交互作用は有意傾向でした。しかしこの有意傾向の数 値は意味のある値だと思うので,単純主効果の検定をしてみると,Aテストの下位群においてはBテストの得点(上位群か下位群か)の単純主効果は有意でな く,Aテストの上位群においてのBテストの得点(上位群か下位群か)の単純主効果は1%水準で有意でした。この事実を報告して,Aテストの下位群では,B テストの得点(上位群か下位群か)の効果を鈍らせるという考察を出してよいものかというのが,はじまりでした。
No.10209 Re: 有意傾向 【mom】 2009/06/25(Thu) 16:00
>2(Aテストの得点上下群)×2(Bテストの得点上下群)×1(Cテスト得点素点)で
Aテストの得点2水準,Bテストの得点2水準で4マス作った中にCテストの得点データが各マス複数個ずつ入るわけですから…「繰り返しのある二元配置分散分析」ですよね?
交 互作用を検出するのがメインの実験である場合にp=0.051であったのなら,「有意差あり」と結論づけるのは場合によっては難しいかもしれません。しか し,A,Bの主効果を検出することを主目的としていた場合に,p=0.051だから交互作用を無視して考察して良いか,となると,それもどうかと思われま す。
単に数値の問題だけでなく,例えば極端な外れ値が存在するかどうかとか,分散とかサンプルサイズとか…色々な要因を総合的に判断する必要があるのではないかと思います。例えば,A,Bテストの得点上下群の分け方は適切か?という点も問題になるのではないでしょうか。
No.10210 Re: 有意傾向 【好夫】 2009/06/25(Thu) 16:43
ご指摘ありがとうございます。
本当にその通りだと思いました。
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